ラブandベリー: セガはVマーガレットでも出せ
SEGA のラブandベリーというゲームが低学年女子に人気のようだ。ゲームとしては 3D ポリゴンを使ったダンスゲームなのだが、その衣装をカードから読む形式になっており、トレーディングカードゲームとしての特徴を持つ。男子向けでは 3D 対戦ゲームとトレーディングカードを組み合わせたムシキングが同じく SEGA から出ている。
テレビゲームとトレーディングカードの組み合わせは、一昔前ならポケモンが有名だったが、ムシキングはより統合したシステムを用い、ちゃんとそこで遊んでいた層を取り込み、成功まで導いた着実な進歩である。
一方、ラブandベリーはこれまでプリクラや UFO キャッチャーに近寄れなかった低年齢の女子をゲームセンターに近付けたという点で、ゲーム業界における革新と言える。
この革新は偶然の産物ではなく市場調査に基づく戦略があったことが知られている。
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あと 2ch で、その容姿をターゲットよりも上の年齢に設定したこと、少女マンガの目の大きいキャラは低年齢の女子にあまり好印象を持たれていないことなどが考慮されたとのレスを見たことがあったはずだが、ググってもソースが見つからなかった。
ただし、最近の動きを見るとこの戦略からはずれているのではないかと思わせるものがある。
《コスプレ衣装の発売》や《DS版の発売》に関してはありうべき展開であるが、《マンガ版》や《フィギュア》についてはどうも「従来型」との観を否めないところからすると、前二つもビミョーな物になるかもしれない。
フィギュアは避けたはずの萌え路線に近いものに見える。確かに低年齢層をターゲットにするので、扱いの難しい「人形」ではなく、全部が樹脂の着せ替え「フィギュア」にするのは妥当な選択なのかもしれないが、それを瞳の大きい SD 体形にするのは、あまりにも安易ではないだろうか。
momoko DOLL のような素体で、髪を樹脂にし服の着脱をボディパーツの付け替えにして、ピンキーストリートと差別化を図ったほうが良かったのではないだろうか。セガトイズにこの成功を橋頭堡にして新しい展開をしようという情熱は感じられず、たまたま同じ会社の勝ち馬にあやかるだけという姿勢に見えてしまう。
次にマンガ版だが、このいかにもな少女マンガは何?『絵本』で十分じゃん。この絵本とゲームで遊んだ人間をわざわざ、普通の少女マンガの読者に育てたいのか?どちらかと言えばマンガにつなぐんじゃなくて、DollyBird とか DollyDolly もしくはファッション誌のほうに持ってくべきだろう。
もちろん、その中間がないってなら、Vジャンプやボンボンみたいなのの女の子向けを作ったほうがいい。ホビーとしてファッションを作る HOW TO と高学年用ポリゴンジオラマ絵本みたいなのを組み合わせ、マンガはゲームの主人公になるのではなく、あくまでゲームをする主人公のものを載せるような雑誌を立ちあげるぐらいしたほうがいいんじゃないか?
ムシキングもそうだ。あのアニメは、ポケモンと同じ物じゃなく、なお親が安心できる物として、ああしたんだろうが、元のゲームの革新性がちっとも活かされていない。
いかにも良い子向けの小学館と組むんじゃなく、同じ一ツ橋グループでも集英社あたりと組んだほうが、ゲーム屋の SEGA らしいトガったことができたんじゃないだろうか。
あえてそういうパートナーを選ぶところといい、セガトイズといい、「親が安心」=「横並び」という旧世代の発想の匂いがするんだが……。
更新: | 06/02/16 |
初公開: | 2006年02月17日 00:28:48 |
2006-02-17 00:28:48 (JST) in ゲーム 教育 | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (1)
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