今の日本を代表する文化は「萌え」よりも「Yaoi」なんですか?そうですか − 私の「萌え論」
最近では、少年マンガはネギま!とNARUTOと鋼の錬金術師ぐらいで、青年系はベルセルクとかがたまにランクに出てくるぐらいだもん。しかもネギま!以外は、なんつーか、匂うハナあらば匂うがいいという、腐臭がするしね。
アメコミが切り拓けなかった女性向けマンガ市場を開拓したと言えばカッコイイけど、一般人から見れば低モラルの成人向マンガですから。
「Yaoi」系の話も、下の参考にあるように本やニュースが出て、確実に表に出ようというか、引っ張り出されようとしている。
最近では腐女子の用語法として特定のカップルについて「萌え」という言葉を使うようだが、謂ゆる萌えヲタのキャラ萌えとは異質なモノを私は感じる。
「萌え」と「Yaoi」は別物だと思う。「ますらをぶり」と「もののあはれ」が別物であるように……
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たをやめぶり
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万葉集の「ますらをぶり」に対するのは、古今和歌集以降の「たをやめぶり」と言われる。「たをやめ」を現代風に言えば「ヘタレ女」、「たをやめぶり」というのは、近年で言えば舞-HiMEの「玖我なつきを愛する藤乃静留」の図に萌える百合萌えに近い物だと思う。
ちなみに古今和歌集の撰者の一人、紀貫之といえば、カマ文体じゃなかった仮名文体で有名な土佐日記の作者だ。
私は「ますらをぶり」に対するのは、源氏物語があらわす「もののあはれ」だと思う。
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侘びと寂び
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「侘び」と「寂び」という言葉がある。仏教における無常感から来ると思われる「もののあはれ」は「寂び」に通じているように見える。しかし、「寂び」には「もののあはれ」がもたらすようなある種の感情的昂まりがないように思う。
ところで「寂び」に対峙して使われる「佗び」という言葉、これは古語から現代に通じる「侘びしさ」とは別の物ではないか?
私は「侘び」「寂び」は本来「涌び」「荒び」で、戦国時代を経て辿りついた運命論的無常感ではないかと考えている。
「寂び」は「もののあはれ」と同じく盛えていたモノが滅ぶときに見出だされる感情を基にしているが、「もののあはれ」はそれを「儚き美しさへの同情」で捉えていたのに対し、「寂び」はそれを「潔さへの共感と嫉妬」で捉えている。と考える。
対して「侘び」は滅びつつある物を押し分けて出てくる生命の息吹に見出す感情を基にしており、それへの愛で自らの荒々しさを純朴なものに押し留めようとするものである。と考える。
こう考えると「侘び」は「萌え出る生命の息吹」を対象とするということで、偶然にも「萌え」に通じている。そして実際、「侘び」こそ現在の「萌え」に通じる物だと私は考えている。
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まとめ
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文章を考えるのが面倒なのでハショるが、以上の考えを基に、表にまとめると次のような連関となる。
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もちろん、縦の列はまったく同じ物ではなく、そのときのメディアやタブーに大きく影響されるだろう。また、横の列も明確な区切りは必ずしもなく重なる部分もあるだろう。
私が注目したいのは「理想倒錯型」だ。
男が主体の「熱心転嫁型」と女が主体の「無産熱情型」、では「理想倒錯型」が中性的かというとそうではない。男と女は違った形での倒錯を見出し、たまたま趣味の一致があるだけだと思う。
「理想倒錯型」の趣味は同性からも理解されないことがあり、おそらく日本以外の国では存在すらあやういモノではないだろうか。
しかし、「理想倒錯型」を育むことを許したとき、消費者側では相容れない思想も、製作者側では仲介者を得て技術の交流を生む。そして他の両者が相互に影響しあう形となり、文化が十分な需要を開拓できる。
よって供給量を増やすことができるようになり、スケールメリットが出て、他国へ輸出しても競争できる芸術となる。
これが日本文化の強みなのではないだろうか?
以上、「侘び」の語源を調べようとしたが資料がなかったので、お蔵入りになってた話を無理やり時事にこじつけてみた。
参考 | |
《おたく:人格=空間=都市 --おたくの美意識》侘び・寂び・萌えを並列。
《ORICON STYLE:意外!?女のコが一番好きなコミック誌は『週刊少年ジャンプ』!》 『オタク女子研究 腐女子思想大系』(杉浦由美子, 原書房, 2006年) ググると産経新聞や日経にも乙女ロードの記事が載ったりしてたようです。 |
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投稿時期の「腐女子」に関するブログ | |
いつもはオソレ知らずにトラバをかける私ですが、上にはさすがにトラックバックしていません。;-)
更新: | 2006-03-29 |
初公開: | 2006年03月30日 01:10:22 |
最新版: | 2006年03月30日 20:13:58 |
2006-03-30 01:11:05 (JST) in アニメ・コミック 日本語論 時事 | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
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