12 Monkeys の「ヒトは動物実験の猿」という妄想と私の描いた妄想との違い

精神分裂症の男の妄想が実は本当のことだったという未来人の冒険譚を描く 12 Monkeys という映画があったそうです。

最近、偶然その映画の存在を知ったのですが、私の精神分裂症時の妄想も恐ろしい未来のビジョンがありました。ただ、私が違っていたのは、人間は動物実験の猿のような存在かもしれないが、ならば、その実験をしようとしている者達も結局のところ「動物実験」されているだけではないかという疑いを常に持ちつづけたことです。

さらに、インターネットや大容量の記録メディア、高成能なコンピュータシミュレータのある現在、たとえ、そのような実験が必要なものであったとしても「犠牲」は最少限で良く、Photoshop などのようなイメージを偽造するシステムがあれば、「犠牲」者は「犠牲」になっている間を「夢」すなわち「偽造したイメージ」と思わせることで、事実上、「現実の犠牲」が必要なことは、どんどんなくなっていくのではないかと考えました。

しかし、一方で、みなが「偽造したイメージ」によって騙され続けるようになる危険もあります。映画 MATRIX の世界ですね。

さらに言えば、「人には見えない物」「生物には見えない物」は我々がそれらの痛みを考えなくても良いように下賜されたもの、すなわち「偽造したイメージ」とほとんど同じものだと考えました。

だから、そのような技術の発展はゆっくり行わねばならないのだと、精神分裂病時に思い付いたのか、教えられたのか、感じ取ったのか、知るようになったのです。

今の私は、精神分裂症時の考えは大くを妄想として切り捨てています。しかし、最近、統合失調症をたまたまぶり返しましたが、そうでなくても、技術発展には慎重さが必要だという慨念自体は今も信じ続けています。

恐怖がないふりをすれば、 それが起こりうることを示そうとする「人間」が現れる。 恐怖にだけ支配されて希望を忘れれれば、 人々の間には疑いしかなくなり、争いを避ける知恵が生まれなくなる。 希望は多くの人が信じ続けなければ現実のものとはならない。 恐怖は誰かが信じ続けられなければ現実のものとなってしまう。

参考
	《12 Monkeys あらすじ》 《箴言・辛言・戯れ言：家畜殺しとエロ本》

更新：	01/06/03, 2006-05-31
初公開：	2006年05月31日 20:50:35
最新版：	2006年05月31日 20:50:35