救いの無力さ
絶望は過ぎる。そうでなければ死ぬだけだ。
「 絶望のうちに死んだ者がいる。 私は彼に何もできなかった。 彼は私を求めない。私もまた求めうる者などいない。 何にすがったところで意味はない。 死こそ救い。 」 「 生きて救いを得られなかった者が、 どうして死んで救いを得られると思うのか。 だが、案ずるな。幸い彼は救われた。 無力さにうちひしがれたとき なお死ぬことができることを見つけることがある。 だが、生きることもできることだ。 お前も生きて考えているではないか。 」 「 この生が救いだというのか。 彼への救いもまたこれほど貧しいのだろう。 生を超えて救いがあると告げられても、なんと空しい。 救いにおいて神は無力だ。 」 「 人の目に死と映る物も神にとっては生きている。 左の手にあるものを偽りと言えというなら、 右の手にあるものをなぜ偽りとしてはいけないのかと問おう。 礎石を無力というなかれ。 生きて考えられることは礎石である。 お前は力ある者だ。 」
2007-05-29 01:36:08 (JST) in 箴言・辛言・戯れ言 | 固定リンク | コメント (2) | トラックバック (1)