IT 革命と私――神学の忌避の向こう
私の上の世代、または、インターネット(WWW)以前の世代の人々の見解として、「神学論争」は実りのない議論の比喩であり、神学そのものが近代理性を知らないアヤしげな宗教的実践であるとみなされていたと思う。そのため、神学は、誠実でありながら、そういった常識にあえて反抗できる…というかなり人を選ぶ学問だと、例えば私は感じていた。
「近代理性」の発展は、「神」という概念を使わずに「社会」と「個人」の関りを説明し、その理性の働きはそこに権限や責任さえ見出させると信じる運動であった…と私は要約するが、その「神」学の忌避は、宗教的対立の超克や呪術的操作への拒絶といったこと以上に、あらゆる時代の若年世代に普遍的に存在した旧世代への反感を基礎にしていた…と考える。
そのような考えに私が至ったのは、私がインターネット黎明期に、コンピュータによる定理証明の研究をしていたことの影響も大きい。
2010-11-16 20:13:39 (JST) in 論理学 自己紹介 情報工学・コンピュータ科学 | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)