略式易双六(りゃくしきようすこう)
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概要
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このゲームは、タロットカードを使ったソリティアの一種ということになるだろう。
タロットカードの大アルカナ 22 枚(-2枚)をシャッフルして6 枚を引き、それを並べて盤面とし、プレイヤーのトークンを置く。シャッフルした小アルカナ 56 枚(+大アルカナ一枚)を一枚づつ引いてそれ従ってトークンを移動させる。ゲーム終了時のトークンの位置で勝敗が決まるゲームである。
引いたスートとトークン位置により移動方向が決まり、大アルカナに割り当てられた数表があり、それとにらめっこしながら計算(足し算)して、移動の成否を決める。タロットカードと数表さえ手元にあればすぐにできるようになるだろう。タロットカードをこれ専用にするなら、数表を大アルカナに書き込んでも良いかもしれない。数表も、元祖易双六と比べ使う数値は大幅に少ないが、共通なので、元祖易双六の数表を書き込むのが吉である。
大アルカナで盤を作るまでは元祖易双六と同じである。小アルカナを引いて動かすときのルールが簡略化される。
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プレイ
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タロットカードは別にライダー版準拠でなくてもよい。その場合、大アルカナの数値の割り当ては、そのカードのアルカナに近いものを選ぶなどするのがよい。例えば、ライダー版では (8) が力で (11) が正義だが、それが逆になっている場合は、カードの番号ではなくアルカナに関して数表から読む。上下対称で逆位置がない場合は、カードに印を付け正位置をわかるようにすればよい。カードの番号が読みにくければカードの端に番号を書けばよい。柔軟に。
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大アルカナと小アルカナを分け、それぞれを裏向きに山(talon)にしておく。
まず、大アルカナから (0)愚者 と (13)死神 を抜く。
次に、残り 20 枚の大アルカナをまぜ、6 枚を順に引き下のように並べる。
[]6 []4 []5 []2 []3 []1
並べたあとタロットの歴史を記念し、(8)力 と (11)正義 の位置を入れ換える。どちらも山にあれば何もしなくて良いが、一方が山で、一方が場にあれば、山のものを正逆位置は変わらないよう場にとり出し、場のものを山に戻す。どちらも場にある場合は、変わる先の正逆位置に従って置き換える。
大アルカナの山はこの先使わない。
易に倣い、1,2,3,4,5,6 をそれぞれ初爻、二爻、三爻、四爻、五爻、上爻とも呼ぶ。また、1,2,3 をまとめて、下卦(または内卦)または下流と呼び、4,5,6 をまとめて上卦(または外卦)または上流と呼ぶ。
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トークンを自分の好きなように爻に置く。どの爻を開始位置とするか易の解釈などから選んでも良いし、ランダムに置いても良い。
置いた爻が上卦(4,5,6)の場合 (0)愚者 を、置いた爻が下卦(1,2,3)の場合 (13)死神を、小アルカナの山にまぜ、シャッフルする。
残りの(13)死者か(0)愚者は、終了条件がわかりやすいように左に置く。
この後、小アルカナを一枚づつ引いてプレイしていくが、先にまぜた大アルカナのカードが出てきたときが、ゲーム終了となる。
ただし、ゲームが短いと感じるなら、ゲームの前にあらかじめ、回数(3回ぐらい?)を決めておき、大アルカナのカードが出てくるごとに捨て札をまぜてシャッフルし、その回数だけ繰り返したあと終了としてもよい。
ゲーム終了時に、最初置いた爻が上卦(終了する大アルカナが(0)愚者)のときは、トークンが 5, 6 にあれば勝ちとなる。最初置いた爻が下卦(終了する大アルカナが(13)死神)のときは、トークンが 2, 5 にあれば勝ちとなる。
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プレイ中、カードの配置は次のようにする。
[[]]Sw []6 []4 []5 []X [[]]D []2 []3 []1 [[]]Co [[]]T
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また、上卦のそれぞれの爻にはコインのカード群が置かれ、下卦のそれぞれの爻にはカップのカード群が置かれることになる。
小アルカナの山以外のカード群はすべて表向き、捨て札以外のカード群は計算しやすいよう数値がわかるようにずらして重ね並べる。
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爻を 1→2→3→4→5→6→1 と行くのを順方向、6→5→4→3→2→1→6 と行くのを逆方向と呼ぶ。
横方向(順方向か逆方向)に並び合う爻を比爻と呼び、縦に並び合う爻(1 と 4、 2 と 5、3 と 6)を応爻と呼ぶ。
小アルカナのカードを一枚引く。これが大アルカナであれば、終了なのは上記の通り。そうでなければカードのスートをまず見る。
大ざっぱに言うと、トークンが上卦(4,5,6)にあるとき、スートがカップなら左(順方向)に、ソードなら右(逆方向)に、ワンドなら下(応爻)に行き、コインならその位置に留まる。トークンが下卦(1,2,3)にあるとき、スートがコインなら左(順方向)に、ワンドなら右(逆方向)に、ソードなら上(応爻)に行き、カップならその位置に留まる。
さて、ここまでは元祖とまったく同じであった。ここからが略式である。
ソードとワンドのスートを M Suit、コインとカップのスートを F Suit と呼ぶことにする (M は Male, F は Female の頭文字)。引いたスートが F Suit である場合は問答無用で必要な行動をとる。M Suit の場合は、後述の共通の判定式で判定して動くかどうかが決まる。
大アルカナの数表(×2)について、使う数値は、正位置の場合ソードの攻とコインの苦(それぞれ左の数値)を使い、それぞれを M Major と F Major と呼ぶ。逆位置の場合、ソードの守とコインの喜(それぞれ右の数値)を使い、それぞれを M Major と F Major と呼ぶ。(ちなみに The JRF Tarot の場合はそれぞれ 2 倍した数値を使う。面倒くさければすべて正位置にしてもかまわない。)
大アルカナの爻のところに、カップかコインのカードが普通はたまっているはずで、その最大値を、F Minor と呼ぶ。もし、カードがたまっておらず 1 枚もなければ、F Minior はその大アルカナの F Major を表すとする。
引いたスートが M Suit の場合、それに基づき判定をしなければならない。引いたスートを M Minor とする。判定で可能な場合の行き先を To、引いた場所を From とすると、判定式は常に次のようになる。
M Minor From + F Minor From > M Major To + F Minor To
つまり M と F を足したものを From と To で 比較するのである。そして使える場合は Minor の最大の数値を使うということだ(まったく使えない場合のみ Major の数値を使う)。
この式が大なりの場合 From の勝ちで、F Minor From と M Minor は捨ててトークンは行き先に移動する。逆に、To が勝った場合、F Minor To と M Minor は捨ててトークンはその場に留まる。(つまり、勝った側の F Minor は捨てる。) なお、勝った側に F Minor が一枚もなく F Major で判定したときは、捨てようがないので捨てず、M Minor のみ捨てる。
ただし、元祖易双六から継いだ特別ルールとして、下卦でソードを引いて From が勝ったときは、留まる(勝っても移動しない)ことも選択でき、その場合は、 F Minor をどれも捨てないこととする。(M Minor は普通に捨てる。)
まとめれば次のようになる。
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(なお、判定式は > で書いたが、先に決めて常に使うなら >= を使ってもよい。そのほうが動きがダイナミックになる。)
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キッカケ
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ただ、BOOTH でいろいろ易双六グッズを作ったがまったく売れてないのも、間口を広げる必要性を私に痛感させていた。
グッズの大きな改変の必要なく、The JRF Tarot と大まかなルールを活かしたまま、略式にできないかと考えた。
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今後の課題
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略式をキッカケに、易双六を手でやってみる人が出てくるといいなぁ…。
更新: | 2024-02-29,2024-03-01 |
初公開: | 2024年02月29日 05:42:48 |
最新版: | 2024年07月20日 07:47:59 |
2024-02-29 05:42:40 (JST) in ゲーム ストーリー | 固定リンク | コメント (1)
コメント
更新: ドキュメントの更新。判定式は大なりイコールがデフォルトだったのを、大なりがデフォルトにするようにした。式の書き方も見直した。
ブラウザゲーム版を作った。
ブラウザゲームの更新情報は「元祖易双六」のほうで。
投稿: JRF | 2024-03-01 05:44:10 (JST)