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2006年6月24日 (土)

《イメージによる進化》の《忘却からの帰還》からご教授いただいたことへの対論

前稿》をトラックバックしたところに Kumicit 様から《忘却からの帰還:遠い世界からのトラバ》という返信がありました。ありがとうございます。ただ、当然 Kumicit 様のごとく多くの文献にあたった厳密な言葉遣いができなかったこともあり、いろいろな部分で間違いや思い込みを指適されました。

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進化"には、"進歩"あるいは"階梯を昇る"といった意味合いはない。 JRF氏は明示的にはこの定番を踏んでいない。


進化という現象については、他の人がおっしゃるような誤解をしてると思いながら、自分も「正しい意味」と認知されているのは「進歩」だと誤解していましたが、科学者達についてはそういう意味でないのはあたりまえのことだったのですね。

>
続いて、わりとあるのが"利己的"遺伝子というメタファーを字義通り解釈すること。

この超有名な誤解もしているように見える。

それらしいJRF氏の記述がある:

>
生物の本質は、遺伝子でありあとは属性または環境要因に過ぎないのだろうか?または、もっと過激に、生物とは遺伝子の入れ物に過ぎないのだろうか?


いやいや、それは誤解です。ここは「素朴進化論」を煽っているわけですから、少なからず多くの人がそう思っているかもしれないが、それは違うよ、と言いたかった部分です。

私の考えているもの以外を「素朴進化論」と言うなどとは思ってませんが、そうミスリードさせるような面があったかもしれません。

>
となっており、"突然"はなくてもよいという記載になっている。

"突然"の意味「物事が急に思いもかけず行われるさま」(大辞林)をどう歪ませても、JRF氏のような記述にはつながらない。


簡単にいえば「急に」とか「その世代ではじめて」というのが「言葉と踊る」私には違和感を感じさせてしまうのです。「知らない間に」とかいう語感があればまだ良かったのですが。この点は Kumicit 様が「変な世界」というぐらい認識に差異があるようですね。

>
たとえ、今では適切とは言えない名前であっても、それを変更するこはない。というのが習慣だからだ。恒星の終焉への過程に付けられた新星(Nova)・超新星(Supernova)という真逆の名前。あるいは、はじめはアルファベット順に並べたつもりが、結果としてぐちゃぐちゃになってしまった恒星系列 (O B A F G K M, R N, S)。幾らでもある。整理しなおさないのは、名称変更すると過去の文献やデータが読めなくなってしまうからだ。それは混乱の元でしかない。


私が踊った語法が何かを変えるに値しないものであることは十二分にありえますが、ギリシア神の名をローマ神の名にあてはめたとき、様々な性格が付与されることもあるわけで、自らのイメージに基づく言葉で、自ら教えられた「神話」を語りつげば、進化論の言葉の神様も足さばきを変えてくれるかなと思ったしだいです。

>
自然淘汰はNatural Selectionに対するちょっと古っぽい訳語である。そのまま自然選択と訳されることも多い。


実際そういう試みもあるわけですから。

ただ、私のような門外漢の意見は取り入れないほうがかなり安全であることには同意します。


>
ここではJRF氏は、"本質論"という言葉ではなく、"環境"という言葉と踊っているようだ。なかなか、お目にかかれないパターンだ。JRF氏は「環境は副次的役割の存在」という神学の上にいるようだ。


これは、単に昔議論した方が遺伝子の役割を説明したときに、遺伝子だけあれば、あとはどういう親の子宮にあるのかも含めて環境要因ってことだとジョーク(?)でおっしゃっていたので、つい、書いてしまいました。消そうかとも思ったのですが、間違いやすい部分を直す目的ではそれほどおかしくもないかと思って残しておくことにしました。
更新: 2006-06-24
初公開: 2006年06月24日 17:35:39
最新版: 2006年06月24日 17:56:18

2006-06-24 17:35:38 (JST) in 創造論と進化論 | | コメント (0) | トラックバック (0)

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