『六方礼経』にちなみ、友ならぬ知り合いの道を語り解く
『六方礼経』そのものではなく、それをもとに書かれた道徳書『ブッダが語る人間関係の智恵 − 「六方礼経」を手がかりに』(田上太秀)の主に第一章「友人とのつきあい」を読んで、友のない私が、友というよりも知り合いの道を語り解こうと思う。
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『六方礼経』の六方の由来は、東西南北・上下の六つの方角である。この経典は、六つの方角へ漫然と礼拝している資産家の息子、シンガーラ青年に対して、釈尊(=ブッダ)が、方角に礼拝するとき込めるべき正しい意義を述べ、もって特に世俗生活の倫理を説いたものである。東・西・南・北・上・下の六つの方角について、親子・師弟・夫婦・友人・労使・聖俗の六つの関係を配置して説く。
当たり前のことを説くのが現代では大切なのかもしれないが、その捉え方は私には一面的に思える。この本の著者は、この教えが、在俗のいずれ財産を相続する立場の者へ向けられていることをしばしば述べる。釈尊ですら在俗の者には「その程度」しか語り得なかったと考えられれば、私には慰めがある。
2009-02-20 15:02:49 (JST) in 心理学 経済的動機付け 仏教 中国思想 道を語り解く | 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)