宣伝: 『「シミュレーション仏教」の試み』(JRF 著)。Amazon Kindle で、または、少し高いですが、DRM フリー EPUB を BOOTH で、販売中!
技術系電子本。Python による仏教社会シミュレーション( https://github.com/JRF-2018/simbd )の哲学的解説です。

「新約聖書ひろい読み」カテゴリ内の記事 このカテゴリをはてなブックマークに追加 このカテゴリを含むはてなブックマーク (初公開日順)

2006年8月 3日 (木)

『新約聖書』ひろい読み − 神殿とハト

マルコ 11:15 (マタイ 21:12, ルカ 19:45, ヨハネ 02:13) ではイエスは唯一とも言える実力行使をし、それにより律法学者達が殺意をいだくまでになる。

11:15
それから、一行はエルサレムに来た。イエスは神殿の境内に入り、そこで売り買いしていた人々を追い出し始め、両替人の台や鳩を売る者の腰掛けをひっくり返された。
11:16
また、境内を通って物を運ぶこともお許しにならなかった。


ポイントは「両替人」と「鳩を売る者」を並んで批判したことである。

続きを読む "『新約聖書』ひろい読み − 神殿とハト"

2006-08-03 21:29:55 (JST) in 経済的動機付け 新約聖書ひろい読み | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年4月23日 (日)

『新約聖書』ひろい読み − たとえで説く理由

マルコ 04:01-04:20 (マタイ 13:01-13:23、ルカ 08:04-08:15 に対応)ではイエスが説教そのものをたとえたあと、弟子達に群集に説いているのはたとえであることと、なぜそうするかの理由を述べ、イエス自らがそのたとえを解説している。

04:01
イエスは、再び湖のほとりで教え始められた。おびただしい群衆が、そばに集まって来た。そこで、イエスは舟に乗って腰を下ろし、湖の上におられたが、群衆は皆、湖畔にいた。
04:02
イエスはたとえでいろいろと教えられ、その中で次のように言われた。
04:03
「よく聞きなさい。種を蒔く人が種蒔きに出て行った。
04:04
蒔いている間に、ある種は道端に落ち、鳥が来て食べてしまった。
04:05
ほかの種は、石だらけで土の少ない所に落ち、そこは土が浅いのですぐ芽を出した。
04:06
しかし、日が昇ると焼けて、根がないために枯れてしまった。
04:07
ほかの種は茨の中に落ちた。すると茨が伸びて覆いふさいだので、実を結ばなかった。
04:08
また、ほかの種は良い土地に落ち、芽生え、育って実を結び、あるものは三十倍、あるものは六十倍、あるものは百倍にもなった。」
04:09
そして、「聞く耳のある者は聞きなさい」と言われた。

続きを読む "『新約聖書』ひろい読み − たとえで説く理由"

2006-04-23 17:06:58 (JST) in 新約聖書ひろい読み 旧約聖書ひろい読み | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年1月30日 (月)

『新約聖書』ひろい読み --- イエスはサタンか

マルコ 3:20-30、マタイ 12:22-31、ルカ 11:14-23

03:22
エルサレムから下って来た律法学者たちも、「あの男はベルゼブルに取りつかれている」と言い、また、「悪霊の頭の力で悪霊を追い出している」と言っていた。
03:23
そこで、イエスは彼らを呼び寄せて、たとえを用いて語られた。「どうして、サタンがサタンを追い出せよう。
03:24
国が内輪で争えば、その国は成り立たない。
03:25
家が内輪で争えば、その家は成り立たない。
03:26
同じように、サタンが内輪もめして争えば、立ち行かず、滅びてしまう。
03:27
また、まず強い人を縛り上げなければ、だれも、その人の家に押し入って、家財道具を奪い取ることはできない。まず縛ってから、その家を略奪するものだ。
03:28
はっきり言っておく。人の子らが犯す罪やどんな冒涜の言葉も、すべて赦される。
03:29
しかし、聖霊を冒涜する者は永遠に赦されず、永遠に罪の責めを負う。」


ユダヤ教の神は決して奇跡で病気を治すような神ではなく、そのような「神」への信仰は、列王記下 1 章にあるようなバアル・ゼブブへの信仰であり、それは、自分から苦難を起こし、その苦難を解決することで自分への信仰を篤くしようとする「悪霊の頭」としての「神」への信仰であるというのが律法学者の主張である。

続きを読む "『新約聖書』ひろい読み --- イエスはサタンか"

2006-01-30 18:06:16 (JST) in 新約聖書ひろい読み | | コメント (1) | トラックバック (1)

2006年1月29日 (日)

『新約聖書』ひろい読み --- 豚に真珠

マタイの 7 章 は、「人を裁くな。あなたがたも裁かれないようにするためである。」ではじまる。その後に有名な格言がある。

07:06
神聖なものを犬に与えてはならず、また、真珠を豚に投げてはならない。それを足で踏みにじり、向き直ってあなたがたにかみついてくるだろう。


マタイの中での関連章句は次の二つ。

13:45
また、天の国は次のようにたとえられる。商人が良い真珠を探している。

15:26
イエスが、「子供たちのパンを取って小犬にやってはいけない」とお答えになると、


これから考えて、豚は商人、小犬はヒモのように思える。

ただし、犬をエジプト神のアヌビス、豚を同じくセトと考えると、犬は異教の魔術師、豚はチンピラや異国の軍隊を指すのかもしれない。この解釈では、 07:06 は「異教を頼って人を呪ったり、賄賂で暴力を買って恨みを晴らしたりしてはならない」ということになろう。また、15:26 は単なるヒモではなく、異教の司祭への寄進を意味するのかもしれない。

続きを読む "『新約聖書』ひろい読み --- 豚に真珠"

2006-01-29 01:35:49 (JST) in 新約聖書ひろい読み | | コメント (0) | トラックバック (0)

2006年1月28日 (土)

聖書ひろい読みについて

私はキリスト教徒ではありませんが、よく言われるように旧約聖書は知識の宝庫ですし、キリスト教徒でない日本人からは軽視されることもある新約聖書も、当時の地中海圏の神学的問題について一つの結論を呈示したものとして、大変興味深いものです。

続きを読む "聖書ひろい読みについて"

2006-01-28 23:29:43 (JST) in はじめにお読みください 新約聖書ひろい読み 旧約聖書ひろい読み | | コメント (0) | トラックバック (1)