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2011年1月 7日 (金)

Perl でオブジェクト指向 C++風 その3 ローカル関数

先の記事で「パッケージ」でインポートした関数などを、「クラス」で使う方法を書いたが、インポートした関数の他に、Main パッケージで定義した「ローカル関数」も「クラス」で使いたくなるのが当然である。(というより、それができないことにさっき気付いた。)本稿ではほぼソースだけだがその方法を示す。
先の記事と発想はほぼ同じだが、「型グロブ」という機能を使って実現できる。

#!/usr/bin/perl

use strict;
use warnings;
use utf8; # Japanese

BEGIN {
  my @mypackage = qw(
                    Main
                    Main::_Simple
                    Main::_B
                 );

  foreach my $p (@mypackage) {
    eval <<"EOM";
    {
      package $p;
      use Math::Trig; # for pi
      use Storable qw(dclone);
    }
EOM
    die $@ if $@;
  }

  my @myfunction = qw(
                       Main::local_function_1
                    );
  {
    no strict; ## 型グロブの警告を停止。

    foreach my $p (@mypackage) {
      for my $f (@myfunction) {
        my @f = split("::", $f);
        *{$p . "::" . $f[$#f]} = \&{$f};
      }
    }
  }
}

package Main;

{
  package Main::_Simple;
  ## Main::_Simple の定義はこれまでどおり。

  my %template = ("Main::_Simple" => {});

  sub extend_template {
    my $class = shift;
    my @hash = @_;
    if (exists $template{$class}) {
      $template{$class} = {%{$template{$class}}, @hash} if @hash;
    } else {
      $template{$class} = 
        {(map {
                $_->extend_template() if ! exists $template{$_};
                %{$template{$_}};
              } (eval '@{' . $class . '::ISA}')),
         @hash
        };
    }
    return $template{$class};
  }

  sub get_template {
    my $class = shift;
    return $class->extend_template();
  }

  sub new {
    my $class = shift;
    my $obj = dclone($class->get_template());
    bless $obj, $class;
    return $obj;
  }
}


{
  package Main::_B;
  use base qw(Main::_Simple);

  __PACKAGE__->extend_template
    (
     data => 1.0, # ここに data の説明を書こう!
    );

  sub method_1 {
    my $self = shift;
    my ($arg1) = @_;
    $self->{data} = $self->{data} + pi / $arg1;

    ## ここで「ローカル関数」を使う。
    local_function_1();

    return $self->{data};
  }
}


## ただ print するだけの「ローカル関数」。
sub local_function_1 {
  print "OK\n";
}

MAIN:
{
  ## Main::_B::method_1 から local_function がちゃんと呼ばれる。

  my $b = Main::_B->new();

  print $b->method_1(7.0) . "\n";
}


つまり、「プロトタイプ宣言」のようなものが必要でいいという発想である。ソースの「頭」が重い感じがするが、慣れの問題だろうと思いたい。

「ローカル関数」のモジュール名を Main と想定してあるので、変更する際はそのあたりに注意する必要がある。


関連

example_oo_pl.shar。上のソースの元ととなった example_oo_fun.pl やその他の例をまとめたアーカイブ。(シェルアーカイブ形式。シェルコマンドとして実行するかunshar を使う。)

Perl でオブジェクト指向 C++風》。「先の記事」。冗長になるのでまとめなかったが、先の記事が便利な方は必ず本稿のところでつまずくにちがいない。

Perl でオブジェクト指向 C++風 その2 クラス変数》。クラス変数を使ってみる例。
更新: 2011-01-07
初公開: 2011年01月07日 22:40:11
最新版: 2011年01月14日 18:42:25

2011-01-07 22:40:08 (JST) in Perl | | コメント (1) | トラックバック (0)

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コメント

更新:@myfunction の関数名にパッケージ名を足すようにした。一つのパッケージ内に利便性のため別のパッケージにできるものも書いておくとき必要で、@mypackage と表現も揃うのでこうした。それにつれ、shar が変わっている。今回のものは example_oo_pl-20110114.shar

投稿: JRF | 2011-01-14 18:48:10 (JST)

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