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2017年2月11日 (土)

眠り姫問題のプログラム

「眠り姫問題」は意志決定問題と人間原理という二つの分野で共通のテーマセッターとなっている有名な難問なのだそうだ。三浦俊彦『多宇宙と輪廻転生』によると、次のような問題である。

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日曜日に、ある実験が始められる。まず、あなたは眠らされる。そのあとフェアなコインが投げられ、表か裏かによって、次の二つの措置が選ばれる。

場合A■表が出た場合 - あなたは月曜日に一度起こされ、インタビューされ、また眠らされ、ずっと眠り続ける。

場合B■裏が出た場合 - あなたは月曜日に一度起こされ、インタビューされ、また眠らされ、火曜日に一度起こされ、インタビューされ、また眠らされ、ずっと眠り続ける。眠りは記憶を消すほど深いので、目覚めたとき月曜か火曜かはわからない。

いずれの場合もあなたは、実験の手続きについてはすべてわかっているものとする。目覚めたときに自分が月曜にいるか火曜にいるか、そしてコインは表だったのか裏だったのかがわからないだけである。

ちなみにコイン投げがなされるタイミングについては融通が利く。コイン投げは、あなたが最初に起こされる前でも、月曜にあなたが目覚めた後でも、問題の論理構造は変化しない。

さて、あなたへのインタビューは次のようなものである。

問1■「いまは日曜日、実験開始直前である。場合 A である確率は?」

問2■「さあ、あなたは目覚めた。場合 A である確率は?」

問3■「さあ、あなたは目覚めた。今は月曜日である。場合 A である確率は?」

(p.235-236)


このうち問2と問3が「眠り姫問題」であるという。この答えには、二つの流派がある。問2 の答えに 1/2 と答える派と、1/3 と答える派である。

問2に 1/2 と答える派はたいてい、問3に 2/3 と答える。問2 に 1/3 と答える派はたいてい、問3 に 1/2 と答える。

それぞれの派について、その考えに基づくシミュレーションをして数え上げるプログラムを Perl で記述してみよう……というのが本稿である。

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2017-02-11 19:24:07 (JST) in Perl, シミュレーション | | コメント (1) | トラックバック (0)

2017年2月 5日 (日)

コーシー分布でブラック・ショールズ・モデル?

最初に断わるが、これは失敗した実験の記録である。

実験のアイデアは単純なもの。株価等のコール・オプションを求める 2項モデルの近似式としてブラック=ショールズ式が使えるが、2項モデルの話は当然、モンテカルロ法でやってもよいはず。そのとき、2項モデルでは、上か下かのランダム二択を使うが、その替わりに正規分布の乱数を使ったり、コーシー分布 (Cauchy distribution)の乱数を使ってみたら、どうなるかやってみよう……というのが今回のアイデアである。

ブラック=ショールズ式が正規分布のブラウン運動なのだから、正規分布の乱数を使ってみるのは、元の2項モデルと同じ値になりそうだ……とまず考えた。次に、それができるなら、株価の変動は、べき分布(冪分布)だとよく言われるが、べき分布の一つであるコーシー分布の乱数を使ってみたら、ブラック=ショールズ・モデルにコーシー分布を適用したものになるのではないか……と考えた。

結論を述べれば、正規分布の乱数を使うのは確かに2項モデルと変わらないように見える。モンテカルロ法はかなり粗い結果しか出ないので、そう見えるだけかもしれないが、そう言えそうに見える。一方、コーシー分布を使うのは、分割したときの「ボラティリティ」にあたる値をどうすれば良いかがわからず、うまく適用できなかった。その点から、この実験は失敗だと言える。ただ、コーシー分布を使うと、外れ値が多くなるため、元のブラック=ショールズ式で求めるオプション価格よりかなり高い価格が必要になることは、なんとなくわかった。

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2017-02-05 23:27:08 (JST) in Perl, シミュレーション | | コメント (1) | トラックバック (0)