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マメ知識:経済学の定義における「賃金」は、必ずしも労働者の賃金に限らない。

JRF 2010年2月15日 (月)

例えば物価との絡みで「賃金」という言葉を使う場合、それは「所得」を意味することがあり、「所得」の中には当然、利子収入や地代・家賃収入が含まれる。そういった「不労所得」を除く「賃金」という定義であったとしても、特許料や印税などをどう考えるかの問題はあるし、役員報酬の扱いも問題になる。

このあたりは現実社会では統計の作り方の問題として現れる。

JRF 2010年02月15日 6945

だから、「賃金を下げるべき」という結論でしかないなら、役員報酬・配当・賃料を下げるという方法も考えうることがある。それを「労働者の賃金」と指定してしまうのは不誠実だと私はよく思う。

ただし、現実問題として、延べ人数が多いので役員報酬を下げるよりも「労働者の賃金」を下げるほうが率は小さくても総額が大きくなり、効果が上がるのも事実かもしれない。

JRF 2010年02月15日 3139

こういった「言葉の問題」は結構あって、ホワイトカラーエグゼンプションの話題のとき、サービス残業が増えることを「実質賃金」の減少と間違えてとらえる向きがあったことを思い出す。

《名目賃金と実質賃金 - 失われた10年は残業に課税すべきだった》
http://jrf.cocolog-nifty.com/society/2006/03/post_4.html

(もう少し「強い手」を打って牽制しておきたいけど、最近は経済学から離れているので、私はこの程度でシツレイ…。)

JRF 2010年02月15日 4759

ちょっと補足。物価と利子率は関係している。物価と所得は関係している。しかし、それが示せても、所得と利子率がどう関係しているかはそれほど定かではなく、そうであるがゆえにこれらを別に操作して物価をコントロールできるという発想になる。利子率の議論を別にやっているから、所得に利子収入が含まれないと考えるのは錯覚である。

JRF 2010年02月15日 1050

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