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リヒター指揮『バッハ:ミサ曲 ロ短調』(DVD)。1969年収録。しっかりと進む。現代のバロックの録音のように細やかに旋律が合うのが良いというのとは違う。多声が渾然と盛り上がり、しかし輝かしく重なる。それは聴く者、歌う者を超えたどこかで通じることを信頼しているかのようだ。

JRF 2010年5月22日 (土)

最後に Agnus Dei で、熱病に浮かされた者の見る世界が、まるで子供のころに聴いた母の声に換わるかのように感じた。

リヒター指揮『バッハ:ミサ曲 ロ短調』(DVD)
http://www.hmv.co.jp/product/detail/1431982 (海外盤)
http://www.amazon.co.jp/dp/B000FDF1AG (国内盤・売り切れ?)

JRF 2010年05月22日 8098


私は海外盤で、ラテン語の字幕を表示させながら、他の CD に付属してきたミサの対訳を読み、鑑賞した。ミサ曲はいろいろあるが、違ったように書いていない限り、文はラテン語でほぼ同じであるため、この曲以外の CD の対訳でも通用するし、Web 上にも簡単に訳が見つかる。

この映像を見ると、楽器奏者が立ってくれたりするので、聴きどころがとてもわかりやすい。バッハのこの曲は、一つの文を何度も歌う。字幕があるので、初心者でも、文を見失うこともなく、ミサの文と曲の対応がわかりやすい。ただし、曲の長さを「初心者」が耐えられるかはわからないが。

JRF 2010年05月22日 8383

とにかく、いつまでも初心者的な私は、もっと早くこの映像を見ていれば、他のミサ曲の CD を深く理解できたのではないかとも思う。しかし、他でミサ典礼文に慣れていたので、原語である程度理解できたがゆえにわかりやすいと感じられた面もあるかもしれない…。

JRF 2010年05月22日 4758

リヒターには、バーンスタインやカラヤンとは違った意味で魅力がある。まじめさを基調として持ちながら、人を導いていく明るさがある。

最後の最後、Dona nobis pacem (われらに平安を与えたまえ) は、希望にこそ喜びがあると伝えているように思う。あたり前のことだけれども、私も含め、人はそれを忘れてしまう。それは天国に望むことではなく、「平和」の中にそれを見出そうと努力する今にもあるはずなのだ。

JRF 2010年05月22日 6583

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受信: 2012-03-29 18:29:17 (JST)