aboutme:138358
私が配布するコードを GPL 的なフリーソフトよりも「Public Domain」とすることを好むのは、「消費者契約法」的議論からは、一切「無保証」「無責任」をうたうライセンス(GPL も BSD も)は、信義誠実則により「契約」が無効とされうる文脈があるから。
JRF 2011年4月15日 (金)
まず、Winny 裁判でも問題になっているが、ソフトウェア製作者が「著作者」だからと言ってまったく「工業的製造者」の責任を免れえるのは難しい。善管注意義務ほど強くなくとも一定の責任は認められうる。
keyword: 消費者 十分 注意
そして、「消費者契約法」の文脈からは、過度に責任を消費者に押しつけるような「契約」は、そのすべてが無効で、ソフトウェア的な財物の返還は認めないような実務を理想としていっているように見えなくもない。
この両者をあわせると、GPL や BSD ライセンスは、あまりにも「消費者」に不利とされ「無効」とされかねないという強迫観念が私にはある。
JRF 2011年04月15日 8163
もちろん、こんなバカバカしい話が、フリーソフトの本場であるアメリカや、それに強く関与する中国で、この先起こることはないだろうと思う。しかし、「辺境」の国においては、それらと敢えて違う状況を作るために、そういった方向を認めてしまうということが起きかねないという、これまた、妄想が私にはある。
JRF 2011年04月15日 4269
上の場合もそうだし、著作権保護期間が切れたものもそうだが、そういったソフトは「パブリックドメイン」と解釈されることになるのだろう。
ところで「パブリックドメイン」の意味は、絶対に自由に使えることを意味しないおそれがある。そうなった「財物」は、その占有が「早い物勝ち」と解釈される時代となるかもしれない。現在の状況からは想像しがたいが、ネットワークから自由に PC 上のソフトを消せるようになれば、実力で持って(占有というよりは)「専有」がなされるおそれを私は考えてしまう。
JRF 2011年04月15日 1717
そうならないように、保護期間を待たないで、現段階で「パブリックドメイン」とうたうものがどういう推移をたどるかを注視する必要があるという考えも私にはある。
……。
こういった「強迫」的妄想は、誰かソフトウェア関係者にいつかリアルにぶつけてみようと想っていたが、なんだか最近はいろいろ私のタガがはずれてしまっているので、ついでにここに書いてしまった。
JRF 2011年04月15日 4642
関連↓。
《GPL のここが嫌い [ JRF の私見:雑記 ]》
http://jrf.cocolog-nifty.com/column/2006/02/post_36.html
JRF 2011年04月15日 6336
typo 「実力で持って」→「実力で以って」。
「専有」に関しては↓で書いたような、囲った上でプログラムを使う許可に許可料(審査料)を取るようなモデルなら現在でも「ローカル」には似たことが可能である。
http://jrf.aboutme.jp/user_statuses/show/134755
>個人が「プログラムの権利」たとえば特殊な検索方法の権利を持つのに意味を持たせようとすれば、単純には、まず検索対象となるデータを囲って、そこでプログラムを実行するのを特権化すれば良い。<
JRF 2011年04月16日 4454
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そうなったとき、パブリックドメインで使うことができる法的実態が実効的になければならないから、個人的に(妄想的に)私はそれに備えている。
《信義誠実の原則 - Wikipedia》
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BF%A1%E7%BE%A9%E8%AA%A0%E5%AE%9F%E3%81%AE%E5%8E%9F%E5%89%87
JRF 2011年04月15日 9950