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小山観翁『古典芸能の基礎知識』を読んだ。日本舞踊の神崎ひでの言葉として「月が出ています。それを見ている人がいます。そのような時に、その、見ている人になりきるのは地唄舞ではない。見ているその人を、わたしは、舞います、ということ。それが地唄舞でございます」とあり、強く印象に残った。 (JRF 5325)

JRF 2012年2月 3日 (金)

『古典芸能の基礎知識』(小山 観翁 著, 三省堂選書 95, 1983 年)
http://www.amazon.co.jp/dp/B000J7FA90

この本は、理路整然というか、ご当人も書くように露悪的なのだろうが、私のような底意地の悪い者は、読んでなるほどと思うことばかりだった。能に対しエリートのものと書いて、ちゃんと初心者お断りの文を続けるのも見事。

JRF 2012年2月3日 1407

ただ、その古典芸能への「愛」のためだろう、むしろ上のような引用などが印象に残る。この本では民衆を何度も切り捨てたと悪[あ]し様[ざま]に言われがちな「能」も、読んだあと考えると、そのセクトに踏み入れた者が味わう芸と違い、それを外のまま見る者が、見るその者自身の心を観る芸だという印象を受けた。武を穢[けが]れとする日本社会で遺[のこ]る芸とはそういうものなのだろう。芸のある社会で疑われがちなその「本気」の相承の対局に、生きる者の芸として阿国の歌舞伎や現代の宝塚があるということか。

JRF 2012年2月3日 0461

……。

Wikipedia によると著者の小山観翁はイヤホンガイドの導入に尽力したとのこと。そのことについて本ではこう触れる。

>(扇雀の工夫は…)遊女の風俗に一応の知識があって、はじめて納得がいく(…)。一般の客は、自発的にそれを看破することはできないけれども、解説を得れば(…)芝居の見方について大きな示唆を得ることになる。(…)「同時解説方送・イヤホンガイド」というのは、このように、一瞬に消えさる工夫を、その都度、解説してゆくために、作られたものである。(…)ある一定時間だけ、観客の脳味噌を芝居通[しばいつう]のそれとすりかえてしまおう、という工夫なのである。<(p.200)

JRF 2012年2月6日 4544

…これって、アニメ『電脳コイル』などに出てきて話題となった AR (Augumented Reality:拡張現実) の考え方のまんまだよね?

《電脳コイル - Wikipedia》
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9B%BB%E8%84%B3%E3%82%B3%E3%82%A4%E3%83%AB

《拡張現実 - Wikipedia》
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%8B%A1%E5%BC%B5%E7%8F%BE%E5%AE%9F

JRF 2012年2月6日 7726

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