« 前のひとこと | トップページ | 次のひとこと »

cocolog:73888324

遺伝子の違い、つまり、「距離」からその祖先を決定するのは「グラフ理論的」におかしかったはずと何度か書いた([cocolog:72943095])。… (JRF 2275)

JRF 2012年8月31日 (金)

…「アフリカ単一起源説」は考古学資料による裏付けもあるから、この議論で否定されるものではないが、TV番組などでは「その説明はおかしい」と思うことが何度かあった。

JRF 2012年8月31日 0736

これがその例ズバリではなかったかもしれないけど、簡単な例でもそれっぽいことを言えると気付いたので書いてみる。

JRF 2012年8月31日 4024

……。

遺伝子を単純化するときビット列でモデル化するというのは情報工学寄りの世界ではわりと普通だと思う。

今、とにかくモデルをシンプルにするため、遺伝子が 2 bit 1 バイトの 1111_1111 というところから出発する。(ここの "_" は読みやすさのための区切り。無視してよい。)

JRF 2012年8月31日 3341

1111_1111 と 1011_1111 と 1111_1011 という遺伝子を持つ個体があるとき、あとの二つがあるということは、違う位置での 0 への変化が同時に起こるという可能性(確率でもいいが)はとても小さいので、1111_1111 から 1011_1111 へ、また 1111_1111 から 1111_1011 への変化があったという方向を考えるのが自然に思える。

JRF 2012年8月31日 0092

でも、そう特定しちゃうのはおかしい。というのは「確率」の問題じゃなくて、実はこれは、1011_1111 から 1111_1111 への変化がまずあり、その後、1111_1111 から 1111_1011 への変化があったという二段階でも、同じ可能性があると考えるべきだから。

JRF 2012年8月31日 0192

つまり、遺伝子コードの「距離」からグラフを作って、↓という形がわかる…ということまで言っていいとしても…、

<pre>
1111_1111
/ \
1011_1111 1111_1011
</pre>

JRF 2012年8月31日 1221

「\」に矢印をどの向きに付けるかは決定しえないということ。

<pre>
1111_1111
↓ ↓
1011_1111 1111_1011

…かもしれないけど、

1011_1111

1111_1111

1111_1011

…かもしれないし、

1111_1011

1111_1111

1011_1111

…かもしれない。
</pre>

JRF 2012年8月31日 4843

この方向付けは「距離」だけからなら可能性としては等しいとせねばならないところだろう。もちろん、考古学資料とか、別の情報を加味することで方向が特定できることもあることは否定しない。

JRF 2012年8月31日 8671

……。

そして、上の例をすすめて、遺伝子コードの数を増やして、無向なまま地図を広げることができる。「トポロジカル」にグニャグニャ変形して良いという図は書ける。でもそうやって数を増やすと 1 バイトの表現が埋まってきて、今度は、逆にその「形」の部分さえ怪しくなってくる。

JRF 2012年8月31日 9253

つまり、例えば 1011_1011 が含まれたりすると、上の形では線分が不要になる可能性も見えてくる。1011_1011 がないときは 1011_1111 と 1111_1011 の両者が偶然同じ遺伝子コード 1111_1111 を産むことはかなりありえないとできたので、それらが存在している以上、三者の間に線分があると推定できた。ところが、過去に実は関係があったとなるなら、線で結ぶ必然がなくなってしまう。

JRF 2012年8月31日 6468

<pre>
1011_1011
↓ ↓ …三つの矢印が先に特定しているとすれば、
1011_1111 1111_1011
↓ |…この線分はそもそもなくてもよかったとなる。
1111_1111
</pre>

「トポロジカルにグニャグニャ」で方向だけ決定すればいいというだけでなく「存在論的にアヤフヤ」で「距離」がそもそも直系を示さないといった要素への考慮も必要になる。

JRF 2012年8月31日 4113

……。

しかも、実は広い意味での表現系で、そこそこ選んでツイストが起こる…とかいうモデルまで組み入れちゃうと、むしろ、アダムのクローン的なイブがいるという観方より、遺伝子的に遠い祖先がツイストしたからこそ、遺伝的豊かさが生まれ、遺伝的な近さはそれが部分部分で収束しているだけだみたいな話になりかねない。まぁ、この辺をちゃんとモデル化すべきなんだろうけど、ここがまさに↓の部分。

JRF 2012年8月31日 1318

[cocolog:72943095]
>そのシミュレーションは、やりたいことリストのなかでの優先順位はもうかなり低いけど。やるとしても数あるツールの中の一つ、演習項目の一つとしてやってみるぐらいで、それで誰かと論争するまでの気力はない。<

JRF 2012年8月31日 5381

……。

keyword: 確率モデル
keyword: グラフ理論的 遺伝

関連薄いがこのころ話題となっている生命科学の記事(一例)。

《妊婦のダウン症検査の話、陽性的中率 - aggren0xの日記》
http://d.hatena.ne.jp/aggren0x/20120829/1346241213

keyword: 染色体

JRF 2012年8月31日 1961

精神病だったころの妄想がらみの話だが…。

[aboutme:116617]
>染色体異常と第二次性徴の関係になるのだろうか。染色体数の減数変化もおそらく増数変化もあるはずである。(…)ただ、人間や動物の染色体が単純にそのようなモデルに従っているとは思えない。(…)第一次性徴を通じて実はそのような安易なモデルを遮る方法が完成しているのではないか。それは前進化的遺物?<

JRF 2012年8月31日 5101

↓不妊がらみでの直近の不謹慎な私のブクマ。

はてなブックマーク - 《有人宇宙飛行ができるのは火星まで? | スラッシュドット・ジャパン サイエンス》
http://science.slashdot.jp/story/12/08/30/0320211/
jrf:> 「脳が宇宙」より卵子と精子を月とか金星とかで人工受精させてサンプルリターン後着床、「受精地主義」で「宇宙人類誕生!」とかのほうがインパクトはあるかな?領土問題を不妊治療の発展に繋げる奇策とかいって。< 2012/08/31

JRF 2012年8月31日 4956

修正 「2 bit 1 バイト」→「8 bit で 1 バイト」。

JRF 2012年8月31日 2517

もう一個過去の妄想的な「ひとこと」を…。

[cocolog:71772540]
>>[aboutme:113999]
>毒を持てば身を守れるというのが「有効」、殻を固くすればいいというのも「有効」。どこかからメッセージがある、あえて他と交われば良い、と信じるのが「無効」。
(…)
何でも性に帰着する議論があるが、それはある時代以降の「有効」グラフでしかないのではないか?
<<

(ちなみに本来のグラフ理論の用語は「有向」「無向」ね。)

JRF 2012年8月31日 1692

……。

[google:グラフ理論 遺伝子] とか、ググると、やっぱり、研究はある感じだ。でも、ものすごく基本的な↑のような「注意」みたいなのは、口で言えば一瞬なので、教科書的なものには案外載らないのでは?

JRF 2012年9月1日 9638

« 前のひとこと | トップページ | 次のひとこと »

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/93568/55545131

トラックバックのポリシー

他サイトなどからこの記事に自薦された関連記事(トラックバック)の一覧です。

» cocolog:88031559 from JRF のひとこと

ニール・シュービン『ヒトのなかの魚、魚のなかのヒト』を読んだ。化石探索のフィールドワークのおもしろさと進化論がらみの(私にとって)新しい情報を知れたのが収穫。 続きを読む

受信: 2017-09-30 06:55:33 (JST)

このころのニュース