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フラグスタート『ノルウェー語による讃美歌独唱集』。ある日、黒髪を巻き上げた白人女性が、白地に白の細かい文様のワンピースを着て、学校付きの劇場のようなところで讃美歌でも歌っているビジョンが私に浮かんだ。そのイメージに一番近いものとして選んだのがこの CD。 (JRF 3011)

JRF 2012年10月20日 (土)

その女性は、アニメ『赤毛のアン』のダイアナを大人にしたような、または『スターウォーズ』のレイア姫に近いイメージ。キツイ感じの部分もありそうな、でも信心深そうな顔立ち。

フラグスタートはむしろ金髪で、この CD のジャケットだとおおらかに笑っている。でも、これが、「現実」に買って手に入れられる中では、一番私のイメージに近いと感じた。音楽の中にその姿を拝むことができればいいのだから、私はそういう選び方をしばしばする。

JRF 2012年10月20日 5040

聴いてみてどうだったか。

聴きはじめ、「ソプラノ」ではあるんだろうが声はこもって「アルト」のように低く響き、確かに厳粛さはあるが、失礼ながら、ライナーノートにある写真の「太ったオペラ歌手」以外の姿は見えなかった。

JRF 2012年10月20日 2876

最初は厳粛さを感じていた曲も、むしろ単調さが気になり出したころ、CD1 の 15 あたりで、曲調・雰囲気が変わって声が一気に若くなった気がした。この CD は二枚組で録音はすべて 1956 年の同じ日らしいが、CD1 の 1 から 14 までの曲は、1962年に一度発売されているのに、CD 1 の 15 番以降と、CD2 の全曲は、2009年にこの CD で初出になったという経緯だそうだ。その変わり目の部分なので、録音状態に変化があったのかもしれない。

JRF 2012年10月20日 8347

その落差の魔術でだろうか、ワルキューレなどに扮していた若いフラグスタートの姿を感じるようになり、その想像するフラグスタートの歌姿に重なるように「黒髪を巻き上げた白人女性」が歌っているように聞こえてきた。ああ、そうか、彼女はもう大人なんだから、讃美歌をこういう重い声で歌うんだな…。

JRF 2012年10月20日 9549

……。

ただ、そう感じていたのも束の間、CD 2 もはじめを過ぎると、先に感じていた単調さが気になるようになった。讃美歌なんてのは単調でいいんだが、まぁ、当然のごとく私はノルウェー語はわからないんで、歌詞の違いに基づくそこへの気持ちの込めかたとか、細かいニュアンスを観賞できない。響きの少々の工夫があっても、辛かった。コンサートとかで、メインの曲の前に4曲ぐらいこういう讃美歌がある…ぐらいだったら心地良く聴けるかな…といった感じ。(バチ当たり?)

JRF 2012年10月20日 4284

……。

Flagstad (Soprano), Fotland (organ) 『Norwegian Hymns』(録音: DECCA 1956年, 発売: DECCA ELOQUENCE 2009)
http://www.amazon.co.jp/dp/B002KD3QBA
http://www.hmv.co.jp/product/detail/3660161

JRF 2012年10月20日 9128

修正 「ライナーノートにある写真」→「ライナーノートの中にある録音時らしき写真」。

JRF 2012年10月24日 7680

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