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アシュケナージ他『ラウタヴァーラ:ピアノ協奏曲第3番「夢の贈り物」、交響曲第7番「光の天使」』。もやもやとしていて、雅楽を思わせる響きがある…。 (JRF 8825)

JRF 2012年11月10日 (土)

ピアノ協奏曲は指揮&ピアノがアシュケナージ、交響曲は指揮がセイゲルスタム、どちらもオケはヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団。ONDINE レーベルの 2010 年カタログのオマケ CD 的な扱いで(少なくとも2012年11月の今も)売ってる。

JRF 2012年11月10日 2002

……。

ピアノ協奏曲のほうは、雅楽を思わせる響きとも書いたが、メロディや構築で魅せる「西洋音楽の伝統」からは少し外れた感じ。といっても、「現代音楽」的なわけのわからない感じでもない。崩れたメロディやほつれた響きを上方指向がまとめ上げて曲が出来上がっているという印象を受けた。

JRF 2012年11月10日 3104

なんていえばいいのか…。西洋絵画的な天国…白い服を着た天使が差し込む光の中を舞っているという感じとは少し違って、天からの光の中ではあっても、赤(朱)や黒や金、または緑や青といった他の色も少しある服、でも、羽衣的な単色ではなく十二単[じゅうにひとえ]の着物のような複雑な文様を着たような天使の姿が想い浮かぶ。三つの楽章がピラミッドの層のようにあって、そこから層の世界の映像を見ているような、でも、その上下は便宜的なもので、我々からの見やすさでそう並べているだけの、天界の諸相のように想った。

JRF 2012年11月10日 0616

きっと、そういった衣の色遣いのためなんだと思う。第3楽章では争い…というか生存競争…でも、それは共生的で、地上界の醜い争いを天界はあずかり知らぬという感じではなく、先の天使が獣や虫の姿を取りながらも入り乱れるイメージ。それは悪夢のようではあるが、でも、それは地獄的ではない「遊び」なのだと思う。死がないわけではないが、それは存在の消滅では決してないという確信がある…。何だろう?そんな夢が光の中に展開する…夢を見るための夜が夜でない「白夜」の世界…。

JRF 2012年11月10日 4319

……。

交響曲のほうは、ブルックナーの第9番を想起させる。ブルックナーの第9番が第4楽章を作る前にブルックナーが死んで第3楽章までが残っているが、その第3楽章までの演奏を聴いたときに不思議な完結感が残ることがある。そういう演奏が増えたがゆえに開かれた音楽の世界がここにある気がする。

ブルックナーが生きて第9番を完成し、第10番、第11番と作っていたら現れ得なかったもの。第3楽章までのブルックナーの第9番を第X番とすれば、この曲は、第X25番ぐらいにあたりそうな感じ。死んだブルックナーがショスタコーヴィチやストラヴィンスキーを知って、小編成で交響曲を作るとこうなったろうという感じ。

JRF 2012年11月10日 5411

ピアノ協奏曲の現代性に対し、交響曲には構築感がある。ただ、それは、曲の違いというより、指揮者の違いから来るのかもしれない。最近は映画音楽もあなどれないので、わかりやすい現代曲は、映画音楽風に聴こえてしまうことがあるが、この CD は純音楽、クラシックとして聴こえると言える。ただ、その「純音楽」への接近において、セイゲルスタムがブルックナー的な響きに回収しているのに対し、アシュケナージは現代性をより活かすアプローチをしたということだと思う。私はピアノ協奏曲のほうが創造的で良いと思った。

JRF 2012年11月10日 9387

……。

Ashkenazy, Segerstam, Helsinki PO. 『Rautavara: Gift of Dreams, Angel of Light』 (ONDINEレーベルカタログ付) (録音: ONDINE 1996年 & 2000年, 発売: 2010 年)
http://www.hmv.co.jp/product/detail/3972729
http://www.amazon.co.jp/dp/B0045UU2U4

単品で発売されたものをカタログ用にまとめたものらしく、元の CD は hmv のページから辿れる。

JRF 2012年11月10日 4788

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