cocolog:74855750
トスカニーニ&NBC響『ベートーヴェン:交響曲 第5・8番』。速い。第5番はなかなかノれなくて、フィナーレの最後のほうでやっとフレンチ・カンカンのようなイメージ…最後にはトスカニーニもそこにまじって踊るような人生を受け容れる…というイメージが湧いた。 (JRF 3495)
JRF 2012年12月 1日 (土)
やはり、この CD、8番も早い。ライナーノートでは「エグモント」のほうに「玩具」という言葉が出てくるが、むしろこの8番のほうがおもちゃをイメージさせる。ただ、それは悪い意味では必ずしもなく、52年の老人の姿が、少し戯画化された「紳士」図画となっているような印象。
第2楽章がはじまると、私はアニメのプリキュアの姿がサッと想い浮かんだ。メリーポピンズよりは、もっと少女的で、アニメよりは実写的だが、リアルとは違う…。そういうものがあったのかは知らないが、子供向けのフレンチ・カンカンのある遊園地みたいなものを想像した。第4楽章だとおもちゃの武器を持った兵隊が城を守っているような感じ。
JRF 2012年12月1日 8045
ライナーノートには、「物理的な制約から、彼としては例外的な早いテンポ」とあるが、むしろ、アニメ映画でシンデレラか、MGM が『オズの魔法使』のあと『不思議のアリス』でも作る契約があって、その映画のためにこういう演奏になったと言われたほうが納得する。
JRF 2012年12月1日 8786
……。
『「エグモント」序曲』は、聴いてるときは取り立てて言うこともないように思ったが、この CD を想い出すときに一番印象に残っていたのが、この曲だった。CD の最後の曲だからなのかもしれないが…。
JRF 2012年12月1日 9355
……。
もう一度、第5番を聴く。
第1楽章は、この「ひとこと」の一つ前のバッハ([cocolog:74855721])を想い出させる宇宙生成的な感じとでもいうべきか、物語よりは、純音楽的・技巧的追究に関心が向いていると感じた。
JRF 2012年12月1日 2270
第2楽章は、ナポレオンのような英雄と結婚した女性の人生があり、それを継ぐように結婚して貧乏でも慎ましく暮らした女性の人生があり、そしてトスカニーニの結婚があった…みたいにイメージした。
第3楽章になると…また、集中力が途切れてしまった。楽器の繊細な響きが調和しあってそこに技術があるんだろうと思うが、現代の録音の繊細さに比べればやはり1939年の録音は苦しく、そういった部分を空想で補うのは難しかった。
JRF 2012年12月1日 6171
……。
録音は、1939年のモノラルだから仕方ないが、はっきりいって悪い。当時としてはレベルが高く、昔の再生環境に比べれば改善されているんだろうが、特に、私がいつも聴いている安物のステレオではバランスを Flat にしても Classical にしても、高音に柔らかさもなく、金管(トランペット)の響きもおかしな感じで、サッパリだった。プチプチというノイズが結構あって、BGM 的に何度も聴いていると頭が痛くなる。上は、いつもと違うオーディオで聴いての感想。
JRF 2012年12月1日 0325
ただ、8番は「こういう演奏もおもしろい」と感じたので、一度聴いておいて損はないと思う。現代の演奏には聴かないようなリタルダントも決まっている。
JRF 2012年12月1日 5217
……。
Toscanini & NBC SO. 『Arturo Toscanini conducts Beethoven』 (録音: RCA 1939年, 発売: 2003年)
http://www.amazon.co.jp/dp/B00008OJSI (絶版)
どうも、今、巷で出回ってる 1939年のチクルスより前の演奏のようだ。5番の録音は1939年の2月から3月にかけて、8番は、1939年4月17日とある。
JRF 2012年12月1日 2088
まいったな、私のポリシーとして、紹介したものが入手が難しいときは何か対策をするんだが…。「どうしても」という方はプロフィールから辿ってコメント欄にでもご連絡ください。
JRF 2012年12月1日 3058
修正 「リタルダント」→「(フェルマータ前らしき)リタルダンド」。
JRF 2012年12月2日 3643
typo 「不思議のアリス」→「不思議の国のアリス」。
JRF2012年12月15日4095
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そして第8番、[cocolog:69844071] で>私はこの曲はトスカニーニの演奏を愛聴しているが、(…)旧市街のカフェでダンスでもしながら「独りであることも受けいれた老いた紳士が楽しむようだ。」という印象を持っている。<と書いている。その 1952年録音の CD とは別の 1939年録音のバージョンになる。ライナーノートの解説者もそのような「ユーモラス」という印象を持ってるようだ。
JRF 2012年12月1日 6582