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『プッチーニ:ミサ・ディ・グローリア』。トスカニーニの『ヴェルディ:テ・デウム』が私は好き([aboutme:51836])で、テ・デウムが含まれる『ヴェルディ:聖歌四篇』を他の指揮者のCDで聴いてみたが、いまいちピンと来なかった。今回、これを聴いて私の求めていたものだと思った。 (JRF 8956)

JRF 2013年3月 2日 (土)

プッチーニの若書きの『ミサ曲』らしいが、たしかにヒネくれたところも感じるけど、それはプッチーニが以降も持ち続けた部分で、「健全」ではないかもしれないけど、「健康的」なもののように思う。

シモーネの指揮の CD を聴いて「これだ!」と思い、久々にスコア(買ってみたらオケ譜なしでピアノ伴奏譜になってたが)を買って、続いてパッパーノの指揮の CD も買って聴いた。

JRF2013年3月2日9110

特に題にもある Gloria がいい。最後の「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド」とかあざと過ぎて逆に「そうきたかぁ」という予定調和的おもしろさがある。シモーネの CD は録音がよくなくて、それがトスカニーニのモノラル CD 風で良いという私の変態的な好みを反映する面はあるが、パッパーノの CD は金管とかがキレイな分、アンサンブルが私のオーディオではうまく揃って聴こえない。それもあってか、パッパーノは決めるべきところで外してる印象がある。

JRF2013年3月2日9550

ミサ曲で「キメどころ」があるというのもおかしな感じだが、その「わかりやすさ」が、歌謡曲的に思わず口ずさんでしまう楽しさになってる。Gloria ってのは、生活の喜びの中で沸き上がるべきものだよなと私なんかは納得してしまう。(…ただ、そう考えるとパッパーノは式典でのミサ曲らしさを採ろうとしてわざと外した面もあるのかな?)

JRF2013年3月2日4710

最後の Agnus Dei も不思議な魅力のある曲で、これも口ずさんでしまいそうになる。ヨーロッパのレストランで、豚か鳥の丸焼きを前に、感謝の祈りを捧げているイメージが浮かんだ。「敬虔[けいけん]」というのとは少し違うんだけど、贅沢のグロテスクな在り方に、贅沢な「自分」への反抗心と同時に感謝を見出す…そういう矛盾した心こそ「健康的」な信仰心なんだという主張を感じる。

JRF2013年3月2日8406

具体的には、オペラ『プッチーニ:ラ・ボエーム』の第二幕が思い浮かんだ。パッパーノがミサに続いてカップリング曲に選んだ『Crisantemi』(菊)は、『ラ・ボエーム』のその続きを思い出させるもののように私は感じた。

JRF2013年3月2日0780

シモーネ指揮『プッチーニ:ミサ・ディ・グローリア』(録音: 1984年, 発売: Warner(apex) 2002年)
http://www.hmv.co.jp/product/detail/730910
http://www.amazon.co.jp/dp/B00006I4B4

パッパーノ指揮『プッチーニ:ミサ・ディ・グローリア』(録音: 2000年, 発売: EMI 2013年)
http://www.hmv.co.jp/product/detail/5339043
http://www.amazon.co.jp/dp/B00AM5RB1Y

JRF2013年3月2日7083

……。

少し近況も書いておくと、2月21日にやっと『易双六 PTC』を公開することができて、その後は、(他の)ゲームなどをしながらゆっくりとデバッグ等の更新作業をしていた。

《「易双六 PTC」開発記》
http://jrf.cocolog-nifty.com/software/2013/02/post.html

JRF2013年3月2日8877

ゲームは、公開した頃ほぼ同時に[cocolog:75566217] などに書いた『剣闘士』(PSP 用ゲーム) の5種ぐらいあるエンディングを一通り見終り、続いて『ゼルダの伝説 夢をみる島DX』(3DS バーチャルコンソール GBC ゲーム)をして、昨日クリアした。

小さい画面でゲームをしてるからというのもあるかもしれないが、公開後、しっかり寝てるわりには疲れみたいなのがとれなくて、病院に行くほどの感じではないが、体調もなんとなく良くない。

JRF2013年3月2日9380

工事を近所でしていて音が結構大きい。さらに、どうも家の事務所のエアコンの室外機からウーンといううなりが聴こえる。もちろん、近所が発展することはありがたいんだけど、うるさいことに変わりはなく、そんな昼間に寝たり音楽聴いたりしようとする私のほうがおかしな人間なのだが、変に気にしてしまって、私は昼の時間をうまく使えていない。PM2.5 とかいう単語が話題になってるが、なんか工事とかの音でいろんな意味でごまかされてるような感もしないでもない。

上の CD 評は、そんな中での感想なので、いつもとは違う感覚で聴いてる面もあるかもしれない…。

JRF2013年3月2日5993

……。

気になったので、日曜の静かな昼にしっかり寝たあと、オーディオ機器を替えてパッパーノの CD を聴いてみた。アンサンブルがちゃんと再生されやすい機器にすると、やはり、この CD は、響きが美しく、柔らいものだった。

シモーネの CD で「劇的効果」をつかんだら、繰り返し聴くにはパッパーノの CD のほうが心地よいような気がする。

JRF2013年3月4日9729

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