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cocolog:81897781

エリアーデ著『世界宗教史 1・2』を読んだ。アニミズムについて特に知りたかったのだが、その目的には適[かな]わなかった。 (JRF 2111)

JRF 2015年2月26日 (木)

『世界宗教史 全8巻』(ミルチア・エリアーデ 著, 中村 恭子 & 松村 一男 他 訳, ちくま学芸文庫, 2000年)
http://www.amazon.co.jp/dp/4480085610 (1巻)
http://www.7netshopping.jp/books/detail/-/accd/1101651783 (1巻)
http://www.amazon.co.jp/dp/4480085629 (2巻)
http://www.7netshopping.jp/books/detail/-/accd/1101661329 (2巻)

JRF2015/2/261871

全8巻のうち1巻と2巻だけ読んだ。とりあえず3巻と4巻も持ってるが、他の巻はまだ持ってない。

JRF2015/2/265540

『ヨブ記』について 2008年5月末から6月初旬まで「ひとこと」したものを元に記事を書こうと思い、その資料として、この本にあたった。特にアニミズムに興味を持っていたが、その点については今一つ詳しくなかった。ただ、私が「アニミズム」と思っているものが、実は新しい形態の「霊」に関する考え方だったりするのかもしれず、全巻読めば別の印象を抱いたかもしれないことは注記しておく。

JRF2015/2/260036

著者はインドで学んだことがあるようで、インドの宗教に関して読みごたえがあった。原始仏教への関心からある程度知ってると思っていたが、ヴェーダ、ブラーフマナ書、ウパニシャッドのそれぞれの役割は、この本ではじめて知った。

それにからんでゾロアスター教の成立、そのインド宗教との違いも興味深かった。

JRF2015/2/260902

……。

ヘロドトスの『歴史』で読んだ([cocolog:81846914])ことからの修正がいくつかある。

JRF2015/2/265368

『歴史』ではエジプトに>神が人間の姿をとって現れたことは一度もない<とのことだったが、日本の天皇が「現人神」だったようにファラオが神とされていたらしい。

JRF2015/2/269275

>ファラオはマアトの化身である。マアトは「真理」とも訳されるが、その一般的意味は「良き秩序」を、したがってまた「道理」、「正義」を意味する。(…)

マアトの化身として、ファラオは、全臣民にとっての範型となる。高官レクミレが表現しているように、「彼はその行為によってわれらを生かす神である」。
<(1巻p.143)

JRF2015/2/261469

ただ、その後、ヘロドトスが示したような見解に落ちついていたとすれば、>「神が人になった」という後のキリスト教の主張がエジプトでも一定のインパクトがあった<という私の意見は以前保持しうるだろう。

JRF2015/2/263181

>ある蛮行は、とりわけエジプト人を茫然とさせた。すなわち盗戝たちは祖先の墓をあばき、死体を捨て、その石材を自分の墓に用いるために運び去った。<(1巻p.155)

この部分は、ピラミッドがそもそも盗めないという私の主張とは対立する。が、まぁ、三大ピラミッドは、実際ある程度「盗まれた」のだろうが、原型はとどめている。

JRF2015/2/265342

狼男については、もちろん、そんなものはいなくて、

>インド・ヨーロッパ人やトルコ・モンゴル人の多くの部族は、肉食獣(第一に狼)の名祖[なおや]をもち、自分たちが、動物の姿をした神話的祖先の後裔だと考えていた。インド・ヨーロッパ人の戦士のイニシエーションは、狼への儀礼的変身を含んでいた。範型的戦士は、こうして肉食獣の行動を身につけたのである。<(1巻p.67)

「狼男」の伝承はこういうところから来たのだろう。

JRF2015/2/269477

……。

ヨブ記に関連のある部分として、ヨブ記が影響を受けたのかもしれない部分があるという記述があった。

JRF2015/2/266219


メソポタミアの知恵文学においては、神々はいつでも人間の事柄に無関心な態度をとるわけではない。あるテクストは、無実な男の身体的・精神的苦惱を述べている。彼はヨブと比較されてきた。どんな神も助けてくれそうにない点で、彼は苦悩する義人の典型である。数知れない病気のために、彼は「みずからの糞便にまみれた」。親類縁者が彼はもう死んだものと嘆いていたとき、彼はつぎつぎに夢をみて、マルドゥクが彼を救うだろうと告げられた。

JRF2015/2/266806

(…)

彼はエクスタシーにおけるトランス状態のようになって、マルドゥクが病気の悪魔を退治し、つぎに地面から植物をひき抜くように、彼の身体から痛みを除いてくれるのを見た。最後に、彼の健康が回復すると、義人はマルドゥクに感謝して、バビロンのマルドゥク神殿の十二の門をくぐる儀礼を営んだのである。
<(1巻p.129-130)

JRF2015/2/265457

ただ、これだけではヨブ記と関連付けて論じることは私にはできない。

ヨブ記自体についても一節(2巻14章115節)が割かれているが、それはあまり参考にせずに書きたい。ヨブ記についてはいろいろな人がいろいろなやり方で解釈することに意味があるのだろうから。

JRF2015/2/265165

……。

鉱夫や冶金と宗教との関わりには関心を持っていたが、なかなか知る機会がなかった。(映画『もののけ姫』とかそれっぽい描写があるけど。)

JRF2015/2/265963

>世界中どこでも、鉱夫は純潔状態、断食、瞑想、祈り、祭祀行為を含む儀礼を営む。(…)鉱夫たちは、不可侵とされている聖なる領域にはいるからである。身近な宗教世界にはかかわることのない、より深遠で、危険な聖性に触れるのである。(…)この闇の聖性をはらんだ鉱石は窯に運ばれる。それから、もっとも困難で危険な作業が始まる。職人は母なる大地に代わって鉱石の「成長」を促し、完成させる。窯はいわば新しい人工子宮であり、そのなかで鉱石は懐胎期間を終える。こおこから溶鉱に附随する無数の注意、タブー、儀礼は生じているのである。<(1巻p.89)

JRF2015/2/265552

この本とは、あまり関係ないが、旧約聖書のカインの末裔の話、トバル-カインが鍛冶師になったとかいう職業集団説明説話は、ノアの洪水の前に出てくるが、そこで皆滅んだとすると説明の意味がなくなるので、他の聖書の矛盾と同じくそこは無視して考えるんだろうな。無理に異次元的連関で捉える(神が時空間をワープさせて「再創造」したとか)のは妄想としてはおもしろいけど。

JRF2015/2/268719

……。

白衣や黒衣の意味というのも最近、私が気にしていることの一つ。この本では↓とある。

>オリュンポスの神々の場合、犠牲獣は白色でなければならず、地下神と英雄の場合は黒色でなければならぬと定められており、しかも後者では、犠牲獣は完全に焼かれ生きている人間はそれを食べてはならなかった。<(2巻p.165-166)

JRF2015/2/265000

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jrf:>一方で basic income が成立しながら人口増加は祝福されない。戒律で社会への責務感を満たし、天国を通じた紐帯に共同墓地ですら希望を繋ぐ。黙示録?現在、私は修道院に関心。白服の作業者が目立つ。クリュニー会は黒衣<2014/09/27

JRF2015/2/268939

……。

マメ知識として…

>プロメテウスは弟に対し、ゼウスから何も受け取ってはならないと教えたが、それもむだであった。愚直なエピメテウスはパンドラを受け取り、彼女と結婚する。ほどなく、彼女は不思議な甕[かめ]を開けるが、その中からはあらゆる災いが飛び出し、世界中にひろがった。パンドラが蓋を閉じたとき、希望だけが甕の中にとどまっていた。

JRF2015/2/261382

(…)

セシャンとレヴェクが述べるように、「これこそまさに、怒ったゼウスの望んだことであった。彼は人間が永遠に『辛い労苦』(ヘシオドス『仕事と日』91)に縛られることを望んだのである。であればこそ、彼は、『人間の空しい努力を常食する』(シモニデス、I:6)希望を甕の中に入れたのであった」(Sechan et Leveque, Les grandes divinites de la Grece, p. 54)。<(2巻p.307,原注)

JRF2015/2/262602

「パンドラの箱」って「箱」じゃなく「甕」だったのね。いや、まぁ、そこは重要でなくショックな一文だけど。

JRF2015/2/261809

修正 「以前保持」→「依然保持」。

JRF2015/2/278732

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