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近況。兼好法師『徒然草』を松尾聡『徒然草全釈』で読んでいる。「飼人」の道について考えている。香坂文夫『絵とき 土木早わかり』を読んだ。 (JRF 1262)

JRF 2015年6月 7日 (日)

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兼好法師『徒然草』を松尾聡『徒然草全釈』で読んでいる。第82段まで、つまり、約1/3を読んだ。

『徒然草全釈』(松尾 聡 著, 清水書院, 1966年 1989年新訂版)
http://www.amazon.co.jp/dp/4389203096
http://www.7netshopping.jp/books/detail/-/accd/1100659511

JRF2015/6/78253

出版データを見ると、大学受験時に買ったか、大学入学直後に買ったと思う。中古で買った可能性もあるが覚えがないほど昔のこと。

JRF2015/6/71725

《道を語り解く - 教え説くのではなく》
http://jrf.cocolog-nifty.com/religion/2009/02/post.html
>意味があるように見えるものに意味はない。その意味がないものに意味をこめていくのは自分だ。…こういう「道」を説く言説に昔はよくつまづいた。今も嫌いじゃない。<

上のような関心から特に「無常感」を表した著として『徒然草』に興味を持ち、特に買い求めたものと思う。

JRF2015/6/79981

しかし、その後ずっと経って、無常感を称揚してものを書いてしまうのは、「嘘つき」だと思うようになった。「生きてしまっている」自分がそこにあるからだ。私も若いときは徒然草のようなものを書きあげるのを一つの「境地」だと思った。今は、書く者は、もっと自分のあさましい様を書かなければ、本当を生きていないような気がする。

『徒然草』には身分の「差別」とした現れた「あさましさ」があるが、「差別」が当然のごとく書かれることによって、その「あさましさ」をやわく見せる効果が生まれているように思う。

JRF2015/6/70281

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第53段で、ある法師が酔った勢いで足鼎を被[かぶ]り、それが抜けなくなって「笑い話」で済まなくなり、最後には鼻や耳を傷付けながら抜き、その後、しばらく病になったという話が載っていた。

他の人のブログサイト等でそういうのを見たことがある。それについてそのときには私は特に言及しなかった。できなかった。同情をブログに書くのはそれを半ば「笑い話」…とまでは言わなくとも「興味をそそる話」とすることだからだ。

JRF2015/6/77990

だが、今、それを書いた。この辺りが私のあさましいところだ。一般のブログは「下々」の生きようを表し、ただ書くというよりも、生きている証、生きた証が欲しいと思ってなされていることと思う。でも、兼好法師は自分のものが人にどれぐらい読まれるかを考えて書いてはいないのだとも思う。その点は、このような「噂話」を遺すのも、「あるある話」の受けを狙ったものではなく、人の無常感から出たものでしかないのかもしれない。

JRF2015/6/71213

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第59段で、仏道に入るには「あれこれがある」と言わずスパッと捨ててすぐに入るべきだという話がある。これもでも、仏道で生活が保証される「身分」があるから言えることで、今ならただ死ねということに成りかねない。そうなればそれは「宗教」ではなかろう。

第68段で、普段食べていた大根が恩返しをしたという話は、おもしろい。でも、より深く読むべきものなのかもしれないが、私にはわからない。わからなくても良いのだろう。

JRF2015/6/73813

第75段で、「つれづれ」に生き、「事にあづからずして心を安くせんこそ、暫[しばら]く楽しぶともいひつべけれ。」と説くのは、自分に向かって説いている面もあるのだろうか…、『徒然草』を書いたとき兼好法師はまだ30代とのこと、心騒ぐ話もあっただろう。

JRF2015/6/71962

第80段で、法師や他のやんごとなき人々が武を好むが「武」は「死を易くして後、始めて名をあらはすべき道なり」と人を誡[いまし]めるような話を残している。その解説に、これが書かれたころ、後醍醐天皇が兵を挙げたことが書かれている。そういう「現実」に関わっていたのは、私とは大きく異なるところだ。マスコミが発達した現代だが、私は兼好法師に比べ「浮き世」を知らな過ぎるのを認めざるを得ない。

JRF2015/6/77229

第82段で、古くなって巻の揃ってないような巻き物や、建て物に「作りはてぬ所を残す」ことを称揚している。この前のところまで来て、私のほうが間違ってるなぁ…という感が強くなったが、この部分は譲れない。マンガとかで作者が死んで未完のものほど切ないものはない。「結果主義」=「結果が出なければ何もやっていないに等しい。」([aboutme:99119])…は言い過ぎだけど、みすぼらしくても区切りというのをつけるクセは必ず必要に思う。それを(その「みすぼらしい」のを)「あさまし」と兼好法師は見るのだろうが。

JRF2015/6/77308

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自分という「人」という名の生物を「飼う」道ついて…考えている。

JRF2015/6/76703

[cocolog:82413218] で軽く「死ぬ権利」というものに触れ、ヒッポクラテスの昔から「自殺幇助」は医師にとって忌むべきものとされてきたことにも触れた。

ただ、「軍医」というあり方はあり、それは苦しまないように、または、軍の足を引っ張らないように「殺す」という選択肢があったのは隠せない事実だと思う。でも、それは医ではなく軍の「王」の役割から出ているものだろう。

JRF2015/6/71442

[cocolog:81757811]で『マタイによる福音書 22:21』の「皇帝のものは皇帝に、神のものは神に返しなさい」について書いたが、「カエサルのものはカエサルのものに」という解釈の中には、戦争や疫病などがあったとき苦しむ人に引導を渡すことが求められる場合もあるのだから、その組織にちゃんと報いて所属しないといけないという意味も私はこめている。

医はときに「王」に従うことが求められる「職業」であり、「神」職としては「自殺幇助」は認められなくとも、国家の職としてはそれが求められることもあるということなのだと思う。

JRF2015/6/74303

[cocolog:76513876] で次のように書いた。

>介護というのは医療と違い、必ずしも人命第一でない面があるというのも、私の論調だった(↓)。それはイギリスなどで話題になってる自殺幇助という意図ではなく、例えば、多少、余命への影響は微妙でもカンチョーを定期的に使ったり、誤飲の恐れが増えても季節の食べ物を用意するとかそういうことだけど。<

JRF2015/6/78415

看護は「痛み」を柔らげるものであるのに対し、介護というのはほんの少し違って「苦しみ」を柔らげるものであるのだと思う。

[google:人類家畜化計画]みたいな陰謀論があるが、家畜として扱ってよいなら救える命があるというのも反面の事実であると思う。そこには「痛み」というより「苦しみ」があり、[cocolog:74785807] の「漢王妃の呪い」も「苦しみ」として耐えれるなら生きていけるというギリギリの判断があるのだと思う。

JRF2015/6/70923

「外科の(動物)実験(実見)」に対して「看護」はその実験の奇妙さを思い留まらせ、痛みを減ずる方向に行くのに対し、「介護」は実験に奇妙さを認めず、「屠殺」が苦しまないように遂げられることを目指すのではないか。

「介護」は軍医的な判断に対し、家畜的になら生きられる道があることを示すと同時に、軍医に「屠殺」を苦しまないものにする役割を担うのではないか。

軍医的トリアージが経済的に求められるようになったとき、文化的に死を迎え入れるのが「介護」の役割になるのかもしれない。

JRF2015/6/79195

ここまでの言い方だと厳しいが、実際に行われて許しえることは、「ピンピンコロリ」という方向性と言えば納得しやすいか。永く生きることよりも、よく生きて死ぬことを目指すという方向性。

JRF2015/6/72138

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ずっと以前から『エアロダイバー』という題の小説を書きたいと思っていた。

話の筋としては…、

遠い未来、深海の施設で生まれた若者が、宇宙を目指すという小説。そのころには外宇宙の「ヒト」による探索もはじまっている。人体の改造も普通になっていて、若者は旅の途中「ニンゲン」という保守的な種族に会うことで、自分が改造種であることを知る。

JRF2015/6/79075

若者は、冷凍保存を受けて待たされたり、惑星を調べたりデブリを回収したりする馴練を受ける。そして外宇宙に行くとき、自分のクローン(強化体)と対峙する。訓練の記憶をコピーされたクローンは外宇宙に行くのだが、自分は太陽系に残ることとなる。その一連の手続きに何も新しいことはない。ただ、そうした生き方が認められ、人は除々に外宇宙を開拓すると信じられているだけなのだ。彼は大気圏進入をローコストでできる統計的な証明のためだけに、「エアロダイブ」を敢行し、随分時間を立っているが自分の生まれたところに帰っていく。

…というストーリー。

JRF2015/6/70864

「新しいこと」とその実証は、システムとして組み込まれ、最早「ヒト」がどうしようとしてわかるものではなくなっている。人口抑制等もほぼ厳密なコンピュータの計算によっている。

これが「文化」であって、「介護」が守ろうとする「最低限文化的な生活」になるのだ。…というもの。

JRF2015/6/73499

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……。

そういう意味から古代、人が世界を目指したときにも似たような「システム」が作られたのではないかとして、「生きる」ということの中には人間の中の「動物性」だけでなく「システム性」も守るように人は「飼われている」のではないかと考えるように致った。

そこで関心を持ったのがローマなどが達成していった水道や道路などの土木工学。それで、ちょっと『徒然草』のほうを中断して読んだのが『絵とき 土木早わかり』。

JRF2015/6/73947

『絵とき 土木 早わかり』(香坂 文夫 著, オーム社, 1996年 2003年改訂2版)
http://www.amazon.co.jp/dp/4274103285
http://www.7netshopping.jp/books/detail/-/accd/1101990780

JRF2015/6/74514

中学の社会見学ぐらいの内容を期待していたのだが、微妙だなという感想を持った。

JRF2015/6/76010

土木工学の英訳は "Civil Engineering" だそうで、本来、市民社会の基盤を意味する工学だということははじめて知った。

しかし、土木工学の一要素である測量は GPS の利用等により、今大きな転換期を迎えており、「衛生」よりも「環境」に属す「ヒートアイランド現象」のような熱処理が関心の中心になっていってるようで、私が期待していた上下水道や貯水の話はほとんど載っていなかった。そこでも転換がはかられているようだった。

JRF2015/6/73707

一方、応力についてはやや詳しく、鉄筋コンクリートなどの理由とかははじめて知った。ただ、壁にかかる土の圧力について簡単に説明していたり、道路の品質を語るところはいかにも説明不足でわかりにくかった。架橋も図は載っているが、説明が薄く、その苦労がよくわからなかった。

JRF2015/6/77301

東京都では、環状道路の地下に地下河川があるというのは初耳だった。天然ガスのコジェネレーションが排熱等を施設で利用してエネルギー効率が二倍になるとの記述(p.130)は、眉唾で、コジェネレーションと言えば、私なんかは [cocolog:73888297] で書いたガスタービンの話と考える。

JRF2015/6/79725

このあたり、熱工学と GPS などが新しい「環境工学」を作っていけばいいのにとは思ったが、それを「土木工学」に求めるのは少しおかど違いで、水理学のほうを振り返る方向にあって欲しいと思った。廃棄物についても処理場で何が行なわれているかや下水から出るものを中心に見ていって欲しかった。

JRF2015/6/75061

あと、「アメニティ」みたいな正体不明の言葉を使うのは、大型プロジェクトを引っ張るには必要だったのだろうが、もう少し足が地についた用語を使い、「環境工学」に夢を持つ若者を誘うよりも、「土木」の堅実さを尊ぶ若者へ向けた説明が欲しかった。

JRF2015/6/72910

…まぁ、勝手な希望だけど。

結局、「基本」を教えるというよりも、他の教材への道するべを示すことに重点が置かれているのだと思う。知らないことを知りはしたが納得にいたらずといったところ。この本は↓で知ったが、今度いつか、図書館か本屋で、別の本をあさりたい。

《土木・測量の入門書・教科書をご紹介頂けないでしょうか? - Yahoo!知恵袋》
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1155926491
>絵とき 測量・絵とき 土木早わかり オーム社 絵が挿入されていますので分かりやすいです。<

JRF2015/6/77110

typo 「時間を立っているが」→「時間が経っているが」。

JRF2015/6/99330

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