« 前のひとこと | トップページ | 次のひとこと »

cocolog:82774605

ランダウ&リフシッツ『量子力学』に目を通した。やはり、さっぱりわからない。お経や念仏のたぐいだと思い定め、式を眺め、日本語を読み進めた。 (JRF 1290)

JRF 2015年7月 1日 (水)

……。

……。

この本の前にまず、高橋康『量子力学を学ぶための解析力学入門』を読んだ。

『量子力学を学ぶための解析力学入門』(高橋 康 著, 講談社, 1978年 2000年増補第2版)
http://www.amazon.co.jp/dp/4061532413
http://www.7netshopping.jp/books/detail/-/accd/1101711756

JRF2015/7/10276

こちらの本は、「本文」は読みやすく書かれていて「読んだ」という実感があった。が、付録と演習はとても難しくて全々ついていけなかった。

もちろん、「本文」でも式3.6を皮切りに導出の仕方がよくわからないものもぼちぼち出てきたりしたが、でも、言いたいことはわかった気がした。

JRF2015/7/12776

問題は、演習で、これが難しい。付録 A の例2(p.122)の閉曲線のいわゆる等周問題を Lagrange (ラグランジュ)の未定係数法で解くところ、なぜ積分を x か dx/ds でかは知らないが遍微分できるんだ!…ってな感じで、わからなかった。ここがわからないから、演習問題2の2も当然解けなかった。

JRF2015/7/12478

普通だったら、量子力学を学ぶのに(Amazonで)定評のあるこれを読んでおくと良い感じなんだろうが、見たところ、ランダウ&リフシッツ『力学・場の理論』(参:[cocolog:82729771])に目を通したあとだったら、必ずしもこれがなくてもランダウ&リフシッツ『量子力学』に行って良さそうな感じだった。ランダウ&リフシッツにはラグランジアン(やハミルトニアン)はずっと出てきてたから。

JRF2015/7/16837

仮に『量子力学』がわからないとなっても、それはたぶん量子力学の難しさのせいだ。…とこの本のあとがきを見て意を強くした。← なして。

JRF2015/7/18787

……。

……。

ランダウ&リフシッツ『量子力学』に目を通した。

『量子力学』(ランダウ & リフシッツ 著, 好村 滋洋 & 井上 健男 訳, ちくま学芸文庫, 2008年)
http://www.amazon.co.jp/dp/4480091505
http://www.7netshopping.jp/books/detail/-/accd/1102577803

JRF2015/7/16368

『力学・場の理論』でも、さっぱりわからなかったのに、さすがに量子力学。さらに輪をかけてわからなかった。

でも、お経や念仏のたぐいであるかのように、これに目を通すことが物理学者への尊敬につながり、それが果ては物理の発展に貢献することもあるかもしれない、いやぁそうしたい、という、ある種、功徳[くどく]を積むつもりになって式を眺め、日本語を読み進めた。

JRF2015/7/16100

シュレディンガー方程式あたりでは少し手で計算してみればわかることもあるかな…と思う部分もないではなかったが、今生というか私の一生ではもう役に立てる機会はないだろう、他生 or 「次の生」 or 私の本を古本で手に入れるような次の世代に、情報が届きやすくなることを願うのがよし…と思い定め、深く式を追うことはしなかった。

JRF2015/7/13458

あさましくも、私が量子力学を学ぶ機会がさらにあるなら、おそらくこの本ではなくもっと入門的な本を探すだろうと思う。この本は、入門が終った人のさらなる深い知識への導きとしてあるものではないか…そうでなければ私は辛い。辛いが、辛いとして何の恨みももうもたないし、その直観によって、入門的な本でわかった私がこの本もわかるようになるかもしれないと執着し、この本を扱い遺しても咎[とが]めはうけまいと信じる。

JRF2015/7/19023

……。

日本語として読んでいく部分、角運動量が整数となってくるあたりでもう議論としてわからなくなっており、そこからスピンに入ってさらにわけがわからなくなった。原子の構造ぐらいはわかるかと期待したが、なかなか理解させてはくれず、かといって、他者が読んでわかりにくいかと問われると、わかる人にはわかるように書いていそうだということは日本語の印象として感じるところがあった。

JRF2015/7/13532

……。

>量子力学では有界運動をする粒子は E < U なる空間領域にも見いだされることに注目しよう。このような領域の奥へすすむにつれて粒子の存在確率 |ψ|^2 は急速にゼロになるが、有限な深さである限りそれは完全にはゼロではない。<(p.109)

JRF2015/7/19959

…という部分、また、量子力学の世界では粒子の状態が確定しないという何度かある言及は、[cocolog:82547760] で書いた>「光電効果」(…)。私は三囚人問題が直観に反するのは、外部に確率回路みたいなのを作り、社会における信頼値を賭けで得ようとするときに、賭けへの参加者が十分に出てきて賭けが成立するようにするためには、直観どおりの解を出せないとダメだからだ…みたいなことを言ようとか昔は考えてた。そのような「賭けが成立するかどうか」が光子で電子が飛び出すことにかかっているのではないか<…という部分を思い出した。

JRF2015/7/17541

(「光電効果」自体は、言葉としては、この本にも第10章「非弾性衝突」の演習問題 p.347 のほかいくつか出ている。)

JRF2015/7/18270

……。

特に、『力学・場の理論』と同じく、衝突の理論がわからなかった。「散乱断面積」「散乱有効断面積」という言葉が出てくるのだが、これがわからない。ググると、コトバンクの『日本大百科全書』の説明に「反応断面積」という言葉などといっしょに出てくる。確かにこの本でも弾性衝突のあとの非弾性衝突の章で「反応断面積」という言葉が出てくる。

JRF2015/7/14631

中性子などが話題になっているところを見ると、核反応(原子力発電よりは核兵器かな…?)とかでこの考え方が大事になってくるんだろうか?非弾性衝突の章の次の文…。

>時間反転についての対称性の理論から出発して、種々の非弾性過程の確率や断面積を結ぶ一般的関係式をつくることができる。<(p.343)

JRF2015/7/17930

…この「時間反転」という部分は、「臨界」…例えば、[aboutme:123928] で書いた>臨界では通常ではあり得ない「速度」で作用が起きる。それは、起きていたものがつながっていくため、時間の方向性があいまいになるからと説明できよう。昔の言葉を使えば、臨界というのはいたるところで「予定調和」が起きているということだったのではないか。<という「妄想」に関係しているのかもしれない。

JRF2015/7/17001

…または、「ウィダー爆弾」…[cocolog:70271764] で書いた状態の「重ね合わせ」…>単発核融合が起きたとして、どうして、容器を突き抜けたりせず破裂するか?核融合のエネルギーはある程度大きいが、粒子が小さく電解質中のため波としての性質も大きく、容器内で反射する。しかし、粒子としての性質もあるため、外に出た状態は確定しずらく、中で何度も反射するような量子状態の重なりが生まれる。しかし、その重なりを維持するエネルギーはないが、粒子として再収縮するにも散乱が多くなり過ぎているので、むしろ、他の水素も巻き込んで、単発核融合よりも大きなエネルギーが必要なはずの容器破裂が起きる。<

JRF2015/7/10061

…という「妄想」を思い出す。両方は同じ現象の別側面なのかもしれないが…。

JRF2015/7/18554

つまり、衝突するときに、反応のあと散乱すると考えるとどうも時間的おかしいという部分があって、この本ではその原因を時間の「不確定性」に押しつけてるけど、私は、(相転移等の)確率モデルの臨界の超速度か、「散乱+反応」または「無反応」の状態の重ね合わせがエネルギー的に有利な「衝突が起きて反応」という側にあとから収束することか、または臨界と収束の両方が結局同じことなのではないかといったふうに、時間的なおかしさの説明を求めている。そう「妄想」しているといった具合か。

JRF2015/7/11421

まぁ、とにかくそういう「妄想」を思い浮かべるぐらいしかできないほど、本の中では「衝突」の扱いが大きいのに、私にとっては理解が困難だった。

JRF2015/7/17803

……。

『力学・場の理論』([cocolog:82729771])のほうでは「光に方向はない」という私の「妄想」を話題にしたが、第11章「光子」で、

>j の確定値をもつ光子の状態は球面波で表わされ、定まった運動方向はない。逆に光子が定まった運動方向をもつならば(すなわち、定まった運動量ベクトルをもつならば)、j の確定値をもたない。<(p.378)

逆に言えば、普通は方向を持っているということ。あとは修辞として「光」と「光子」を分けるぐらいしか私の「妄想」が生き残る道はないように思う。

JRF2015/7/13499

第15章「輻射」の注で、>光子が荷電奇の粒子である<(p.443)とある。「荷電奇」とは正や負の電荷のことではなく、荷電共役変換のときに波動関数の符号が変わることをいう(p.417)そうだ。なんのこっちゃ…。

JRF2015/7/15892

……。

『量子力学』の相対論的理論については、テンソルですでにしっちゃかめっちゃかなのに、スピノールの記法とか出てきて、何がやりたいのかさっぱりわからなくなった。記憶にもほとんど残ってない。orz

JRF2015/7/14207

……。

……。

次は『統計力学』が『フラクタルの物理』か、または確率論に関する本を読むか。いずれにしろ、今回よりはマシな結果に終ることを願う。

JRF2015/7/15435

« 前のひとこと | トップページ | 次のひとこと »

トラックバック


トラックバックのポリシー

他サイトなどからこの記事に自薦された関連記事(トラックバック)の一覧です。

» cocolog:82930316 from JRF のひとこと

岩波基礎物理シリーズの7『統計力学』、8『非平衡系の統計力学』に目を通した。 続きを読む

受信: 2015-09-28 14:40:49 (JST)

» cocolog:86442412 from JRF のひとこと

長沼伸一郎『物理数学の直観的方法』を読んだ。メインの数学・物理学の秘訣については「なんか知ってる」という感じ。最後の「作用マトリックス」の話は興味深く読んだ。 続きを読む

受信: 2016-12-28 17:21:05 (JST)