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cocolog:82804454

ブロム&ホルスト&サンデル『確率論へようこそ』を読んだ。わからない部分が多かったが、わかる部分もあった。わからない部分もそれはそれで置いておいて読むやり方をもっと早くこの本にやっていれば、私の人生も変わったかもしれないと思った。大袈裟だけど。 (JRF 5915)

JRF 2015年7月 5日 (日)

『確率論へようこそ』(G.ブロム & L.ホルスト & D.サンデル 著, 森 真 訳, シュプリンガー・フェアラーク東京, 1995年 2005年新装版)
http://www.7netshopping.jp/books/detail/-/accd/1102146007
http://www.amazon.co.jp/dp/4621062697 (たぶん同じもの)

昔は『確率問題ゼミ』の名でも出ていたらしい。

JRF2015/7/53333

……。

>確率論の教科書を書いたつもりはなく、寝ころがって眺めるためのものを書いたことを強調しておきたい。<(p.iii)…という言葉に喜んで従って、寝ころがって読んだ。

JRF2015/7/58617

一章から、驚きの連続だった。平均を差分方程式で解くというやり方すら私は知らなかった。私はモンティ・ホール問題(三囚人問題)([cocolog:79824785])に深くこだわって滞流してしまい、それ以外への関心を薄くし過ぎた。離散確率問題に関心があって、この本をもっと早くに読んでいれば、その解析をコンピュータを使ってするネタがもっとたくさん得られただろうにと惜しまれれる。

JRF2015/7/56950

モンティ・ホール問題には、一般化も紹介されていた。次のようなの…。

JRF2015/7/58468

>B は A に白いボール a 個と黒いボール b 個の入ったつぼ(a + b >= 3)で遊ぼうと誘われた。ただし b >= 2 とする。2つの作戦

1. A はボールをでたらめに選んで、それが白だったら、彼の勝ちで、そうでなければ負けである。

2. A は1つボールを選んで、放り投げる。B は黒いボールを1つ除く、A は再びボールを選ぶ、それが白だったら、彼の勝ちで、さもなければ負けである。

のどちらかを選ぶように言われた。ゲームの前には目隠しをする。
<(p.5)

作戦2のほうが常に有利で、モンティ・ホール問題は、a = 1、b = 2 の場合である。

…とのこと。

JRF2015/7/59720

14.4節の海賊のゲームの問題では、[cocolog:74632493] の海賊と金貨の問題を思い出したが、生死の決定の時間を送らせるという、より深い問題になっていたので関心した。

JRF2015/7/54245

何度か話題になるランダムウォークについては、私は [cocolog:76226644] で >ごく普通のランダムウォークなマルコフ連鎖…プラス方向に p、マイナス方向に q の確率で遷移するもの…は、p が 1/2 でなければ再帰しないが、r_n = (2 * p - 1) * n みたいな「再帰軸」を取れば、その周りのおいて再帰する。<…ということを述べている。

JRF2015/7/50029

……。

本文を読んでわかるものでも、「問い」がわからないものはあり、本文がわからなくても「問い」だけはなんとか解けるというものもあった。

JRF2015/7/50259

p.24 の駐車場の問題なんかは、解けそうだけど面倒くさくて解かなかった。p.53 のテニスの問題もそう。今回はそんな感じで読むことを優先した。

JRF2015/7/55054

平均で差分方程式を作るというのもそうだが、もっと一般的な確率母関数「モーメント」G_X(s) を使って、方程式を作るというやり方もあり(例えば p.33)、わかったような気にはさせてくれるのだが、ところによっては G(s)^2 (p.146)とかが出てきて、なぜそうなのかわからなかった。大学時代に習ったような記憶もあるが、こう使うとは知らなかった。p.32、p.34 の確率母関数から、逆に分布を見つけるという問題は解けなかった。その次の節に一般に確率母関数から分布を解く公式が載っているが、それをどう使えば良いか見当がつかなかった。

JRF2015/7/57960

7.7節の夫婦円卓問題IIの p.110 の P(B|A) の出し方がわからないといったように、途中まではわかるんだけど、最後、なぜその数値が出てくるのかがわからないといったような悔やしいものもあった。

JRF2015/7/57286

12.1節では 2 と 3 の頂点を訪れたあとの状態がない気がして、本が間違っているんじゃないかというところもあったが、確かめることができず、モヤモヤしたりもした。13.7節では、Q の取り方がよくわからなかったり、そういう「他者の説明さえあれば」というのもたくさんあった。

JRF2015/7/59666

もちろん、10.9節のように意味が受け取れなかったり、第8章の「ポアソン近似」は章まるごといらないなぁと思ったり、第11章の「つぼのモデル」は章ごとぜんぜんわからなかったり(なんで Beta関数・積分使うの?)、第15章の「埋め込み過程」は最初からわかることを拒否してしまったり、とさんざんな部分もあったが、確率論にはそういう部分もあるという「紹介」なんだと気楽に考えて通り過ぎた。

JRF2015/7/51618

14.5節(d)(p.218) の問いのようにコンピュータを使って解いたらどうなるだろうという問題もあった。こういうのをちゃんとコンピュータを使って解くというのが前はやりたいことだった。(今も「今後の方針」(↓)には「やろうかな…」と書いてるが。)

《今後の(主に勉学の)方針 (2015年度版)》
http://jrf.cocolog-nifty.com/column/2015/04/post-1.html
>確率モデル・シミュレーションなどのトイプログラム集を練習的に書く。<

JRF2015/7/56183

第16章、第17章についてはそれまでの応用という面が強く、私にはついていけなかった。が、第16章の「マルチンゲール」は、こういう意味だったのかと気付くところがあった。[cocolog:76226644] の「再帰軸」の話も似たようなことはすでに書かれている感じだった。あと、ちゃんと本の内容をトレースした人なら、特に第17章は「お別れの問題」という章名にふさわしく解けそうな問題だった。

JRF2015/7/59037

……。

「…へようこそ」という書名にふさわしく、出発点として、一通り読んだ人がこの本での記憶を頼りに他の文献などへ行くのにピッタリといったように思った。「若い人にすすめたい本」。でも、今の私は本を記憶するような気力もなく、どちらかといえば「終着駅」を探しているんだなという思いを心の中に発見するばかりだった。そういう私にとってはこの本に読みかかるのが遅すぎた。

JRF2015/7/56464

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