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岩波講座 現代の物理学 15『散逸構造とカオス』と13『くりこみ群の方法』に目を通した。恥ずかしいくらい、すがすがしいくらい、サッパリわからなかった。 (JRF 5240)
JRF 2015年7月29日 (水)
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『散逸構造とカオス』について。
『散逸構造とカオス』(森 肇 & 蔵本 由紀 著, 岩波書店, 1994年)
http://www.amazon.co.jp/dp/4000104454
http://www.7netshopping.jp/books/detail/-/accd/1101712933 (新版?)
JRF2015/7/291334
「第I部 散逸構造」では、「縮約」という操作が説明されていて、それが一般化された代入みたいで、ラムダ計算のα同値と代入に興味を持っていた者としては、興味を持った。
「第II部 カオスの構造と物理」では、「記憶の喪失」からランダムへと致り、ストレンジアトラクターのバンドカオスが破壊されて全域的なカオスの海に致る…とか、自己相似性としてフラクタルの Hausdorff次元をみたり、くりこみ変換をしてみたり…。中二病的にカッコイイと思う言葉が続出した。私はカオスの分析・操作がやりたかったのかな?
ただ、いずれも数学が難しく、理解できなかった。なさけない。
JRF2015/7/291666
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『くりこみ群の方法』について。
『くりこみ群の方法』(江沢 洋 & 渡辺 敬二 & 鈴木 増雄 & 田崎 晴明 著, 岩波書店, 1994年)
http://www.amazon.co.jp/dp/4000104438
http://www.amazon.co.jp/dp/4000067443 (新版?)
http://www.7netshopping.jp/books/detail/-/accd/1101683504 (新版?)
JRF2015/7/293728
くりこみ群は、原子力、核の臨界の理論で使うのかなと思っていたら、どうもそうではないらしかった。(私にはそういう記述は見つけられなかった。)臨界指数を普遍的(ユニバーサル)な量と呼ぶというのは他で読んだことがあった。
JRF2015/7/293184
Amazon評(新版?)に「無限大回避の道具」とあるが、p.124 の摂動計算が発散積分を含むのをくりこまれた式で有限になることを示すというのがそうなのかな?そういうことはあるみたい。他に、p.58 では摂動計算の範囲では、くりこみ変換の積分のほうが扱いやすいので、「くりこみ」を使うとの記述があった。逆にいうと「絶対必要」みたいなのは案外少ないのかなという印象を持ったが、本当のところは物理の人じゃないのでわからない。
JRF2015/7/293444
ファインマン図形(Feynman グラフ)の集合を「危険」と「安全」に分け、危険なほうだけ繰り込むというわかったらおもしろそうな展開があったが、もちろん、私にはわからなかった。orz
JRF2015/7/293197
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私が「サッパリわからない」のはしかたないとして、ただ、こういう言い方してると物理にひるんじゃう若い人が出てくるかもしれないからフォローしておくと、理工系は大学に入ると物理学演習みたいな「秘伝の問題」を解きまくるような講義が必ずあって、そこで特訓を受ければ、こういう問題はちゃんと理解できるようになるはず。
JRF2015/7/296659
私の場合は、情報工学科で情報工学演習を受けてたんだけど、電気工学のほうのテストで問題がぜんぜんできなくて驚いて、途中から電気工学演習も受けはじめたんだけど、その演習の最初のころはサッパリだめだったのが最後のほうにはそれなりに解けて、院試も(たぶんギリギリで)電気工学系で合格できたから、他の理工系の学科でも似たようなことはあるのだと思う。
JRF2015/7/290134
だから、まだ大学に入ってない人とかは心配する必要はなくて、中に入れれば流れでできるようになると思う。若いんだし。
でも、私みたいに大学の外で一人であがこうとしたって、それはよほど偉いかガンバれないと無理なのだと思う。上の本の対象者は「学部学生」といっても、そういうのを通過した者なんだと思う。今回は、痛感した。
JRF2015/7/291881
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「岩波講座 現代の物理学」シリーズは、古本で十何冊か出てるのを見て、勢いで「大人買い」したもの。でも、この感じじゃあ、この先、そのどれも、私には使いものにならないと見てまず間違いない。譲るなり売るなりしたほうが世のためだとは思うが、まぁ、…とりあえずは、くくってしまっておこうと思う。
JRF2015/7/299424
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受信: 2015-09-28 14:39:47 (JST)
釜江&高橋『エルゴード理論とフラクタル』に目を通そうと、一章をパラパラとめくって絶望的になり、あとは軽く覗くだけでそっと閉じた。これが「学部2年生程度の予備知識」で読めるはずのものとは…。私の物理本に目を通すシリーズもこれで「卒業」…。... 続きを読む
受信: 2015-09-28 14:40:08 (JST)
(ランダウ&リフシッツ『力学・場の理論』から続く物理学を読む流れ、前回・前々回は [cocolog:82954979]、[cocolog:82930316]。)
JRF2015/7/295678