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なぜ不倫をしてはいけないのか。…を考えてみた。 (JRF 8687)

JRF 2016年5月27日 (金)

あるブログで↓の質問が紹介されていて、私は結婚に縁がないのであまり実感のこもった説得力のある説明ができないかもしれないが、小説を書くかたわらこの問題をはっきりさせて起きたいと思いたって、少し考えてみた。

《なぜ不倫したらだめなのか、仕事を追われるのかを平均的な中学生が納得するように説明してください。いけなくないという答えの場合はいけなくない理由を説明してください。 - 人力検索はてな》
http://q.hatena.ne.jp/1460032618

JRF2016/5/277404

人は種として子供を残すことで存続する。人の赤ん坊は弱く生まれ、育てることを必要とする。子を守る母が子を育てるだけの栄養を得るためには他者の力を要する。少なくとも「母」は社会を必要とする。

JRF2016/5/276697

一方、自分の子を育ててもらいたい、自分の子だから育てたい、という気持ちは本能的のように思う。社会の必要で、戦争や狩りに命がけで出掛ける者に対し、自分の子を社会に残したいという思いに応える必要がある。

JRF2016/5/273365

乱交的な交配がある社会の場合、(DNA 鑑定のない昔は)男は残っているのが自分の子かわからなくなる。別に自分の子とわかっている配偶者ができた場合、乱交的な社会の子は劣位に置かれる心配がある。社会としてはおそらく、配偶者をはっきりさせたほうが有利だろう。結婚契約が有効な理由である。

JRF2016/5/271327

仮に DNA 鑑定によって、乱交的な社会で男親をはっきりできるようになった場合、事後的に責任を負わせようとしても、一人に過重な責任がかかったり、子供を残したいのに偶然残せない者が仕事はよくやっていることがわかるようになって、嫉妬や不平等感が広まるだろう。やはり、先に結婚契約を行って乱交を避けたほうが社会にとっては望ましいのではないか。

JRF2016/5/274622

結婚契約は、一夫多妻の場合にも重要で、「不倫」もありえる。つまり、一夫多妻が社会的に認められていても、財産的支えのない他の女性へのアプローチを妻が嫌うのには正当性があるから。

JRF2016/5/277981

結婚契約は以上のように必要なもので、その有効性を保つために「不倫」は社会的制裁の対象となる。

JRF2016/5/279172

……。

なお、乱交的な交配は古代にはなかったわけではなさそうだ。神殿売春というものが知られている。

《神聖娼婦 - Wikipedia》
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A5%9E%E8%81%96%E5%A8%BC%E5%A9%A6

JRF2016/5/273929

神殿売春が廃れたのは、性病との関連があると私は考えたものだが、一夫一妻も性病との関連で生まれた制度なのかどうかはよくわからない。むしろ、戦闘などで必要な男性への女性のあてがいを目的として生まれたようなもののように私は考えていた。

《一夫一妻制が生まれた理由は性感染症防止のためという説 | スラド サイエンス》
http://science.srad.jp/story/16/04/15/0426253/

JRF2016/5/270916

創世記34章で、ヤコブの娘ディナの処女が汚されたとき、兄達が汚した者に報復するという物語があるが、社会=国家に属する男は、その社会に属する女の処女性が犯されないことを祈る。これは不倫とはまた別の論理だろう。これは男の側の経験のなさを恥じることの反映ではないか。国家は人を経験のなさに追い込むことがあり、自分の経験のなさを隠したいと思うのが国家にとって合法的となるのだろう。

JRF2016/5/272482

一方、家族には国家・社会からの保護が得られる場所であるという視点も失われてはならないだろう。家族は常に新しい社会の契機となりうる。

JRF2016/5/272209

修正 「自分の子とわかっている配偶者」→「その子が自分の子とわかっている配偶者」。

JRF2016/5/276558

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