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Rabbi Avrohom Davis 訳『Kitzur Shulchan Aruch』を読んでいる。三巻セットのうち第I巻を読んだ。生活に関する英語が勉強になる。 (JRF 5771)

JRF 2016年7月29日 (金)

Joseph Karo による『Shulchan Aruch』という16世紀の書物がある。「Shulchan Aruch」はヘブライ語で「整えられた食卓」といったぐらいの意味で、この本は、ユダヤ教の細かい(生活)規定を記している。『Kitzur Shulchan Aruch』は、Shlomo Ganzfried によって19世紀に書かれた『Shulchan Aruch』の要約の一つで、「Kitzur」はヘブライ語で「要約」といった意味になる。

JRF2016/7/294166

以前、『Shulchan Aruch』に興味を持ったときに、今回読んでるこの版が安かったので手に入れたというのが経緯になる。Amazon 評によると、political correct になるよう censored(検閲済)なバージョンのようだ。

JRF2016/7/298446

『Kitzur Shulchan Aruch』(Shlomo Ganzfried 著, Rabbi Avrohom Davis 訳, Metsudah, 2006年)
https://www.amazon.co.jp/dp/1931681996
https://www.amazon.com/dp/1931681996

JRF2016/7/297687

ヘブライ語英語対訳が見開きで載っている。ただし、まるごと英訳されてない章(32章など)があって、そこは↓の英訳を読むことで補った。

《Index for Part 1 Kitzur Shulchan Aruch Linear Translation by Yona Newman (C) 1999-2010》
http://www.yonanewman.org/kizzur/kiz-index1.html

JRF2016/7/294588

内容は上にチラと書いたようにユダヤ教の規定で、例えば、朝起きたときに手を洗えだとか、手の洗い方は片手に三度づつ水をかけろだとか、洗ったらこう祈祷しろだとか、そういうことが細かく書いてある。

JRF2016/7/290533

正直読んでいて刺激がなく読むのが辛い。私が熱心なユダヤ教徒で、すでにここに書かれている実践をしているなら、その確認として意味があるのだろうが、今の私ではほぼ何の意味もない。前読んだ Moses Maimonides の『The Guide For The Perplexed』([cocolog:85424726])の場合は、哲学・神学に関心を持てたが、この本は、ずっと関心を持てずにいる。

もしかすると、途中で読むのをやめちゃうかもしれない。

JRF2016/7/294165

書かれた規定は細かく、とても私には実践できそうにない。これを実践しているユダヤ教徒はすごいと素直に思う。そして、少しうらやましくもある。例えば、祈りのあとで、ある場合はアーメン(Amein)を言い、ある場合は言わないといった規則は、カラオケで合いの手を正しく入れてくれる仲間がいるときみたいに、キチッとそろうととても仲間意識を高めてくれるものだと思う。他の規則も、不十分な履行でも、きっと仲間を勇気づけるものなのだと思う。

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……。

第1章が、朝起きる話題ではじまる。

JRF2016/7/291921

>(…)seduced in the winter [with this argument]: "How can you rise now so early in the morning when the weather is so cold?" Or, in the summer it will argue: "How can you rise from your bed while you are still not satisfied with enough sleep?" or other similar claims.<(1-4, p.5)

JRF2016/7/294241

こういう evil impulse が襲うが、それには負けてはならず、ライオンのように雄々しくなければならない…と書いてある。

JRF2016/7/295942

結構、ラビや教師には怠惰を話題にする人が多い。彼らが怠惰な生徒を持っていたからというのもあるかもしれないが、頭脳労働は割と夜型になりがちで、怠惰に見られがちだったというのもあるのではないか。最近、私も、これまでもすごい寝てたんだけど、英語の本を読むようになってから、ますます眠りがちになっているんで、なんかそういうのがあるのかなぁ…(他の人にもあったらいいなぁ…)と感じている。

JRF2016/7/297116

……。

成人判定はユダヤ教では(祈りの適格性とかは)14歳以降を大人とするみたいだが、うるう年の関係でおかしなことが起こるらしい。

JRF2016/7/295636

>Thus, at times, the result is that a boy born before his friend, may attain adulthood later than his friend who was born after him.<(15-2, p.101)

JRF2016/7/293854

うるう年のアダルI月の20日に生まれた子とアダルII月の10日に生まれた子は、普通の年のアダルの月の20日・10日に成人となるため、順番が前後する…という例が示されている。

JRF2016/7/293949

……。

他の人にビジネスでがんばってもらって、自分は聖書に専念するという生き方はアリのようだ。

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>If a person lacks the knowledge to study Torah or it is impossible for him [to study] because he is burdened with too many concerns, then he should support others who do engage in Torah study, and it will be considered as though he himself had studied, (…)<(27-2, p.191)

JRF2016/7/292992

例として、ゼブルンが働きイサカルがテントで過ごしたという聖書の『申命記』33:18 が示されているが、そこをそう読むとは私は知らなかった。

JRF2016/7/299161

私は結局、読むだけの生活になってしまった。小説を書いたりすることもあるが、数には入らないだろう。仕事とはいえない。プログラム…特に確率モデルに関してプログラムをしたいとか考えることは今でもあるけど、それが仕事につながるとは思えない。これでいいんだろうか。上の場合には「契約」みたいなものがあることを前提としていたけど、そういうのなしで、他の人の替わりに他の人のために読書しているのはナシなんだろうか。私は、なんとか許されたい…。

JRF2016/7/291694

……。

清貧も度が過ぎるのはよくないらしい。ナジル人がナジル人になるのにも贖いが必要なのに、それ以外の過度の節約はなんで埋め合わせられるのか、という論を載せている。

JRF2016/7/291582

>Concerning all these and similar matters, King Solomon, peace be upon him, said, "Do not be excessively righteous, nor overly wise, why destroy yourself."<(29-7, p.203)

JRF2016/7/294476

ここは聖書の『コヘレトの言葉』7:16 からの引用。基本的に節制を呼びかけることが多い章で、このような議論があったので驚いた。

JRF2016/7/292611

……。

王様の行動を制約しそうな規則もある。

JRF2016/7/290741

>If a non-Jew cooked or roasted something which cannot be eaten in its raw state, and is fit to be served on the table of kings, as a relish or dessert, it is forbidden as Bishul Akum.<(38-6, p.257)

JRF2016/7/299789

この直前に、豆で作ったパンは王様の食卓には上がらないだろうから、OK という話がある。

JRF2016/7/295199

こういう規則があると、心ある王様は逆に下々の食べ物を食べられなくなる。王様が制約されるという話になる。これは慇懃無礼に似たある種の不敬ではないかと思う。

JRF2016/7/291961

同様なことが神様に対しても起こっているのではないかと疑う。例えば、「子山羊をその母の乳で煮てはならない」(『出エジプト記』23:19) から、ハムチーズサンドウィッチを食べてはならない(参照 46-12, p.307) を導くようなのは行き過ぎではないか。それは人がハムチーズサンドを喜ぶのを見て神様が喜ぶのを不当に抑圧しているのではないか。人間が神様をある種の喜びから疎外しているのではないか。清貧の度が過ぎるのがダメなように、そこまで類推適用したらダメなのではないか。…と「異教徒」の私は思う。

JRF2016/7/299755

まぁ、食べ物の恨みは怖いので、この辺にしておくが、食い意地の張った私にはこういう部分がユダヤ教に従うことは不可能だと感じる部分になる。(祈りの細かい儀礼などは慣れてしまえば何とか従えるのではないかと思わなくもないが。)

JRF2016/7/292917

(ちなみに、ユダヤ教では豚はダメなので、ハムが豚のハムなら、はなから食ってはならないとなるんだけど。だから、スライスミート・チーズ・サンドウィッチとでも書くべきところなのかな…長くなるけどね。ああ、そういえば「チーズバーガー」というのがあったか…。)

JRF2016/7/295946

……。

良いニュースを個人的に喜ぶときや新しいフルーツを食べるときなどは Shehecheyanu と祈る。

JRF2016/7/292279

>You should not say Shehecheyanu when you smell a fragrant scent, for only the soul senses delight from the scent and the soul is eternal.<(59-18, p.385)

JRF2016/7/290901

(新しい)香りについてはそれを言わなくていいという。食べ物を食べるときと同様に香りをかぐときも祈りを言う規則があるが、新しいものには適用がないという。それは、香りは味と違って肉体ではなく魂が「感じる」ものとされている(参照 58-1, p.373)が、魂は永遠(eternal)で「新しい」ことは関係ないからだそうだ。

この the soul is eternal を理由に持ってくるのは、この本でははじめて見た。珍しいタイプの議論。

JRF2016/7/290240

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……。

読んでて、とても細かい規定で、私には関係ない、というか、関係あるようになるのを拒絶されてるのが痛切にわかる。これを読んで何になるんだという思いは強い。が、生活に関する英語で知らない英単語がたくさん出てきて、そういうのは学術書とかネットとかでは出会わないタイプの単語だから、英語の勉強にはなる。

JRF2016/7/296097

ヘブライ語英語対訳で、ヘブライ語の勉強のために買った側面もあるのだが、今回はヘブライ語のほうはまったく読まなかった。ヘブライ語の勉強は、今、ヘブライ語英語対訳の(旧約)聖書を週一回(1章に満たない分量を)読んでいて、ヘブライ語部分は意味をとらず頭の中で音読しているだけだが、それでしばらくはヨシとしたい。

JRF2016/7/299454

他にやりたいことはないことはないけど、それもどうせ無駄なことで、焦ろうともこれまでのように、どうせ暇な人生でしかないんだから、この本を II巻、III巻と読み続けるとは思う。こういう読書感想文にも満たない「読んだ」というだけのエントリは、ネットのゴミ、スパムみたいなものかもしれないが、私の行動の証、自己満足の証として残させていただきます。

JRF2016/7/292740

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追記。

目次。

『Kitzur Shulchan Aruch』を読んでいる。

《第I巻を読んだ。生活に関する英語が勉強になる。》
http://jrf.cocolog-nifty.com/statuses/2016/07/rabbi.html

JRF2016/8/174346

《第II巻を読んだ。非ユダヤ人(non-Jew)の扱いに困惑する。》
http://jrf.cocolog-nifty.com/statuses/2016/08/rabbi.html

《第III巻を読んだ。読み終った。「呪い」に少し関心を向ける。》
http://jrf.cocolog-nifty.com/statuses/2016/08/rabbi-1.html

JRF2016/8/173572

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