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ミケランジェリ『ショパン:マズルカ集 他』とカラヤン『ブラームス:ドイツ・レクイエム』のCDを聴いた。 (JRF 7950)

JRF 2016年10月22日 (土)

……。

まずはミケランジェリのショパンから。

Arturo Benedetti Michelangeli『Chopin: 10 Mazurkas・Prelude op.45・Ballade op.23・Scherzo op.31』(録音: 1972年, 発売: Grammophon 2008年)
https://www.amazon.co.jp/dp/B001JJX7L0
http://www.hmv.co.jp/product/detail/3308824

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ミケランジェリのドビュッシー([cocolog:76485922])が私にとっては衝撃的だった。私は貧乏症もあってクラシックのピアノ・ソロに関心を向けてこなかった。器楽曲は楽器経験者のものという頭もあったかもしれない。そこに衝撃を与えたのがミケランジェリのドビュッシーだった。

ミケランジェリのものだとドビュッシーと並んで高評価なのが、このショパン。早速、手に入れたが、聴くのに少し時間がかかってしまった。

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聴いた結果、確かに「衝撃的」なショパンなんだろうなというのはわかるが、今ひとつピンと来なかった。ライナーノートに「Don't listen here for echoes of Polish folk dances」とあるが、ピアノ曲初心者で同時にショパン初心者である私にはダンスを感じさせるようなショパンへの期待があった。しかし、この CD にはまったくそういうのとは別の物、現代音楽(クラシックの現代曲ね)の響きか、ベートーヴェンの響きかといったようなもの、前衛的な何かがあった。

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後半の Prelude と Ballade と Scherzo に関しては、ショパンへの歩みよりのようなものもあったように思う。ドビュッシーのときに感動したミケランジェリの「実験」をうかがうこともできた。しかし、前半の Mazrka はこういう演奏から逆に楽しさに気付くこともあるのかもしれないと思うこともあったが、この曲への出会い方としては間違っているような気がした。ショパンをよく聴いてきた人が新しい発見をするにはよいのかもしれないが…。

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ショパン初心者の私にとって、この CD は聴くのが早過ぎたようだ。

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……。

カラヤンのドイツ・レクイエムについて。

Herbert von Karajan『Brahms: Ein deutsches Requiem op.45』(録音: 1964年, 発売: Grammophon 2002年)
https://www.amazon.co.jp/dp/B00BHFXVSK
http://www.hmv.co.jp/product/detail/339908

Gundula Janowitz (sopran)
Eberhard Waechter (bariton)
Wiener Singverein
Berliner Philharmoniker

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カラヤン自身は何度もこの曲を録音している。そのうちの一枚。私もこの曲が好きで、バレンボイム盤([aboutme:60110])とクレンペラー盤([aboutme:105825])を買って聴いてきた。宇野功芳(2016年6月没)の影響でカラヤンを遠ざけてきた面が私にはあるが、それが逆に最近になって貯金を取り崩すようにカラヤンの美しさに感動する機会を多くもたらしてくれている。

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聴きはじめの第一楽章、何かバタバタした印象がする…。これは、私の再生装置と過ごした経験からすると、音がいっぱい鳴っててうまく再生できてない徴候…。案の上、聴き終ってから別の再生装置にかけると違う印象、ゴージャスな響き。その再生が終ってから液晶テレビの音を聴くとものすごくよく聴こえる。これは、CD がアナログ時代の良い録音だったときによく起こる現象…。このアナログ・レコードを高級器材で聴いたら、さぞやすごい音がしたんだろうと想像する。

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ゆったりしたテンポ。この曲の歌詞を追うのにいつも苦労していた印象があるが、なぜか今回は、ドイツ語の歌詞カードがよく追えた。ドイツ語はいつもの通りわからないはずで、母国語にしてる人が歌ってるかどうかはあまり関係ないと思うけど…。もしかすると、女声と男声の合唱のバランスがとれていると感じたこと、クレンペラー盤のような叫ぶような声がなく落ち着いていたことが、歌詞を見失っても再度見つけやすいことにつながっていたかもしれない。

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先日 [cocolog:86147057] でグラモフォンのある録音について、ソリストのヴァイオリンが前に出過ぎていると批判したが、この CD でもソプラノ歌唱については、それを前に出す演奏がなされていた。グラモフォンは当り前のことをしたまでだ。私の無知を反省すべきだと痛感した。

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バリトンはワーグナー歌手らしいが、この CD のゴージャスな響きは、カラヤンはワーグナー的ブラームスを狙ったのか…とか思った。クレンペラー盤のフィッシャー・ディースカウは別格だからアレだが、私はこのバリトンも結構好きだ。

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これまで聴いた盤と比較すると、デジタル録音の再生のしやすさからか、(安い装置でも)響きが美しかったバレンボイム盤が、第一楽章・第二楽章はよかったように思う。第六楽章については、クレンペラー盤の盛り上がりがすごい。クレンペラー盤は、他でも勢いがすごい。第五楽章のソプラノ歌唱は、クレンペラー盤のシュワルツコップか、カラヤン盤のヤノヴィッツか、甲乙つけがたいというべきだが、個人的な好みでヤノヴィッツに軍配。ヤノヴィッツ&カラヤンは、私にとって R.シュトラウス『四つの最後の歌』から好印象。

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宗教曲としてみると、バレンボイム盤が一番「らしい」のかな…と思うが、劇的なクレンペラー盤がアクセントがあってたまに聴くには良いように思う。カラヤン盤は、ちゃんとした視聴環境を作れるなら、これに勝るものはないのかもしれない。

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録音といい、ドイツ語に関する印象といい、ひょっとして、総じて文化資本の高い人にはこのカラヤン盤がオススメなのかな…とか、ひがみつつ、思った。

あと、今回、歌詞をよく読めたが、最近、ブラック企業とか「日本人の働き方」が批判されがちだが、この宗教的歌詞で救いを得られるのは、そういうワーカホリックな人間であるように思う。ドイツ人は現代では「仕事」とは別に「働き」の場を見出したりしているのかもしれないが、この曲に本当に感動できるのは天に与えられた職に生きる喜びを見出せる人であろうと、うらやましく思った。

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