« 前のひとこと | トップページ | 次のひとこと »

cocolog:86056369

今野緒雪『マリア様がみてる』を既刊(39冊)全刊読んだ。オッサンである自分がニヤニヤしながら読むのはキモいだろうなと時に我にかえりつつ、楽しんだ。 (JRF 7558)

JRF 2016年10月 3日 (月)

『マリア様がみてる (39巻まで)』(今野 緒雪 著, ひびき 玲音 絵, 集英社コバルト文庫, 1998年-2012年)
https://www.amazon.co.jp/dp/408614459X (第1巻)
http://7net.omni7.jp/detail/1101495937 (第1巻)

JRF2016/10/32937

オリジナルの文庫では『マリア様がみてる ~』と『~』のところにサブタイトルを付けてあって、巻数の連番は付されていない。ただ、電子化(Kindle化)されたときに番号が付されたようで最後の『マリア様がみてる フェアウェル ブーケ』には 37 の番号が付いている。上で「39巻まで」と書いたのに差があるのは、カラーイラスト集である『マリア様がみてる イラストコレクション』とアニメ・ムック的な『マリア様がみてる プレミアムブック』が数に入っているかどうかの差のはず。

JRF2016/10/30053

『マリア様がみてる フェアウェル ブーケ』のあとがきを読むと以下続巻の含みを持たせているが、2016年10月現在、続きは出ていない。いちおう、『マリア様がみてる ハローグッバイ』で「祥子・祐巳 編」に「了」の字が打たれていて、その後は外伝的短編集ふうなものしか出ていない。だから、いちおう今現在、完結している作品と数えるべきで、あとは外伝的なものが出ているだけと考えるべきなのかもしれない。

JRF2016/10/31699

2004年1月から何度かに分けてアニメ化されて 2009年に 4thシーズンが作られた。また、2010年には実写版の映画化もされている。私はアニメは一部、見た記憶がある。

JRF2016/10/38088

2004年のころは、私は税理士試験の勉強をしていたと思う。現実逃避的に、店頭でアニメ化にあわせてフェアをしていたこの小説を見つけて最初、数巻買って読んでハマって、そのときに出てた既刊全部を買って一気に読んだことを覚えている。その後は、1巻ずつ発売するごとに買っていたが、買っても何となく時間が作れず読まない状態が続き、そのうち新刊で買わなくなり、時間がたってから中古で買って揃えたものの、全巻を読むには致ってなかった。

JRF2016/10/36756

それを今回、最初(第1巻)から読みなおし、全巻読み切った。昔は一冊 45分くらいで読んだこともあったように記憶しているが、今は、そんな早読みの能力を失ってしまったようで、何(十)日もかけてゆっくり読んだ。これぐらいの冊数になると、少しの時間で読むというのは不可能だろう。どういった人物なら読めるのか、私みたいな暇人以外、どうやって物語を味わうのかと少し疑問に思ったが、ここまでの人気作となれば、まぁ、とりこし苦労だろう。

JRF2016/10/35999

なお、全巻読んではいなかったけど、私は『マリア様がみてる』をこのブログサイトで何度か言及している。

keyword: マリア様がみてる

JRF2016/10/31262

……。

内容は、カトリック系女子高校を舞台にした学園物で、といっても宗教性やリアリティを追及したわけではない、おはなし・ファンタジー。いわゆる百合系なんだけど、ドロドロしたものはほぼなく、さわやか。吉屋信子『花物語』のようないかにもな「香り」はないけど、平成の世らしい男女とも広く楽しめる少女小説となっているといえるだろう。

JRF2016/10/35341

ベースはドタバタ・コメディなんだと思う。もちろん、ホロリとする部分もある。ただ、瞳子が祐巳のロザリオを受けとらなかったあたりから、(コメディのままなんだけど)物語が長調から短調になったような気がした。瞳子が自分のことを「瞳子」ではなく「私」というあたりで、かなり印象が違う。シリアスな短編が増えたり軽いホラーをまとめた短編集があったことがそういう印象につながっている面もあるとは思うけど。

JRF2016/10/33966

物語は「正伝」のほかに「外伝」的短編を挟む形で進行していって、その「外伝」で主人公達を別の側面から見たりするところが楽しい。小説を書く上で、参考になるところか。主張や人生訓みたいなものは見当らなく、エンターテインメントに徹しているように思う。生々しい話はまったくないわけではないが、少ない。女子高生どうしのイチャイチャを(キモいオジサンたる私は)ニヤニヤ読んでいける。

JRF2016/10/37688

主人公である祐巳が一年生の二学期のときの学園祭から物語がはじまって、そのお姉さまの祥子が三年生となって卒業するところで上に書いたように「了」の字がある。そして、祐巳が三年生となっていくわけだけども、それまでの卒業した三年生と違って「重み」を出すのが苦しいのか「正伝」的物語は(今現在)続いていない。

JRF2016/10/33620

続きを読みたいかと言われれば難しい。続きが出れば買うように思うが、このまま終っても美しいと思う。無理に続けてせっかくの完結感が薄れるのがもったいないように思うからだ。

JRF2016/10/32445

……。

私はここしばらく(一ヶ月ちょい)「ライトノベル」を読んできた。この『マリア様がみてる』全巻を読むことで、買ったままで未読の大きなものはなくなった。成果みたいなものはないが、楽しめたのでヨシとしよう。人生、楽しむことも大切だ。楽しんでばかりで申し訳ないというのはあるが…。

JRF2016/10/34916

この先の予定は未定だが、小説を書くか、その前に少し数学の復習をして何か成果を出せないかとか考えている。それをして「何かやった」「仕事をした」と思えないかもしれないが、そういう方向以外、今は考えられない。(自分に甘い…とは思う。)

JRF2016/10/37612

« 前のひとこと | トップページ | 次のひとこと »

トラックバック


トラックバックのポリシー

他サイトなどからこの記事に自薦された関連記事(トラックバック)の一覧です。

» cocolog:86079788 from JRF のひとこと

吉屋信子『花物語』を再読した。物語の完成度はいまひとつと思うこともあったが、雰囲気がすばらしい。 続きを読む

受信: 2016-12-28 17:22:48 (JST)