cocolog:86393544
英語の経済学の本を読もうとしたが、ダメだった。ほとんどというより全々、数式が理解できなかった。情けない。 (JRF 2235)
JRF 2016年11月26日 (土)
今、Amazon で見ると日本語訳があるみたい。そっちを買えば良かった。が、買ったのはずいぶん過去のことなのでしかたがない。なんとなく買った(というか、なぜか買ってしまった)英語の本のうち、目を通してない最後の本がこれになる。「ついに目を通した」という感じ。
JRF2016/11/264516
が、しかし、数学が難しくてまったくついていけなかった。第5章の連続関数で確率微分方程式を使うようなところがわからないだろうとは予測していたが、最近、確率解析に関する本を読んだ([cocolog:86301445])ので、わかる可能性は今が最大でこの先これ以上になることはないだろうということもあった。そこがわからなくてもしかたがないと思っていたが、それ以外の離散数学に属する話も難しくて理解できなかった。
JRF2016/11/261364
最初(p.19)に、リスク資産への「最適」な配分を、ポートフォリオの平均収益率と分散の差で表現した式の max を求める形で求めようとしていて、ああ、それは「最適」というだけで「最適」の根拠というのは薄いんだよな。…と上から目線していたら、すぐに(p.24)、その求め方を否定して、効用関数をまず定義し、相対リスク謙悪(relative risk aversion)が一定になるようにして、先の「最適」とほぼ同様な式を求めたところで、すでに参ったとなった。
JRF2016/11/260077
効用関数を数学的に定義していろいろ求めれたらカッコいいだろうな…という私の大昔の妄想を地で行っていて、スゴイと思った。しかし、「離散数学」のみと言いながら、効用関数の微分などは平気で出てきて、log や exp を複雑に使っていく計算は私にとってはそんな「簡単」なものではなかった。さらに進むと、再帰的定義を含む Epstein-Zin 効用関数が出てきて、カッコイイんだか、わけわかんないんだか…。
JRF2016/11/260327
そして、まだ最初のほう(p.52)で、E_{t+1} という記号が出てきたとき、私は理解ができなくなった。E_t が t 時点での平均を求める演算子だというのはわかる。しかし、E_{t+1} は単に t+1 次点の平均で、E_t とはまったく関係なく決まるのか、それとも E_t の t を t+1 に単に置き換えたものと解釈するのか(それでも細かい部分がどうなるのかわからないが)が、わからなかった。(また、そこに出てくる未来に向かって無限に足し合わせるという考え方も、どうしてそういうことができると考えられるのか、とか違和感を感じたりした。)
JRF2016/11/267473
それ以降も E_t や共分散を求める Cov のところの導出で私は引っ掛かりまくり、わけがわからなくなった。連続関数の微積分で dZ と dW の積をどう考えるかとかがわからないのはあたり前としても、それ以前のところでつまづいていた。
JRF2016/11/263533
結局、ほとんどの数式の意味をつかむことができなかった。情けない。orz
JRF2016/11/269402
一応、全部の英語に目を通しはしたが、私が読めたのは、各章末にあるその章の要約をまとめた「結論」部分ぐらいと言っていい。そこだけを読んだ人と私の理解はそれほど遠いものではないだろう。
効用関数の様々な形を知ったり、動的計画法(dynamic programming)のベルマン方程式という考え方を知ったりできたのは収穫と言えなくもないが、この本の経済学的結論からは離れた部分だ。
JRF2016/11/261305
経済学的結論といっても、若い人はよりリスクをとって長期投資すればいいとか常識的なもので、そこに理論的根拠を与えたのがスゴイんだろうが、その理論が私には理解できなかったので、何を勉強したんだとむなしくなる。
JRF2016/11/264203
ただ、だいたい何が書いてあるかはわかったつもりなので、必要になることがあったら、…ってもう私の人生においてありえない気がするが、再度、この本に挑戦して真剣に向きあえばいい…と前向きに考えることもできるかもしれない。(でも、40歳を超えたとはいえまだ若い今、理解できないものが、将来、理解できるようになるとも思えないが。)
JRF2016/11/263386
…こういう本は、応用数学科を出たような人が経済学を勉強するという場合にのみ、うまく読めるのではないか。それとも現代では、経済学科を出るような人はこれぐらいの数学はこなしてしまうんだろうか。…こなすんだろうな。甘えん坊の私とは違って。厳しい社会だもんね。
JRF2016/11/261406
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目を通したのはいちおう↓。
『Strategic Asset Allocation - Portfolio Choice for Long-Term Investers』(John Y. Campbell and Luis M. Viceira 著, Oxford University Press, 2002年)
https://www.amazon.co.jp/dp/B006SF3PLC
https://www.amazon.com/dp/0198296940
https://www.amazon.co.jp/dp/4492731784 (日本語訳)
JRF2016/11/264392