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ドストエフスキー『貧しき人びと』、モーパッサン『女の一生』、石田梅岩『都鄙問答』、エンデ『鏡のなかの鏡』を読んだ。 (JRF 2843)

JRF 2016年12月27日 (火)

どれもザッと読んだだけ、じっくりと読んだといった感じではない。

JRF2016/12/276976

……。

『貧しき人びと』(ドストエフスキー 著, 木村 浩 訳, 新潮文庫, 1969年)
https://www.amazon.co.jp/dp/4102010068
http://7net.omni7.jp/detail/1106270427

JRF2016/12/272065

男女による往復書簡の形をとった小説で、後に『カラマーゾフの兄弟』([cocolog:80215217])を書くドストエフスキーの処女作らしい。

JRF2016/12/274720

中年(?)男のマカールは、小心者で、小役人然として「善人」風だけど、現代のまじめな人がヘイトスピーチにちょっと染まってしまうかのごとき、うかつさ=小市民性の小悪に、リアリティがあった。若い女のワーレンカは、そのちょっとした「魔性」に驚きを覚えつつも、こちらもうかつさがあって興味深い人物像になっていた。

JRF2016/12/270704

物語は、貧困…というよりは新約聖書(マタイ 5:3)のいう心の貧しさの極までいって、そこから少し持ちなおし、そこから幸せになのかどうかわからないところに辿り着いての「完」となる。深く読めば深く読めるらしいが、私はそういう深みはわからず、その微妙に苦い終り方をかみしめるだけだった。

JRF2016/12/274436

……。

『女の一生』(モーパッサン 著, 新庄 嘉章 訳, 新潮文庫, 1951年 1971年改版)
https://www.amazon.co.jp/dp/4102014012
http://7net.omni7.jp/detail/1106188599

JRF2016/12/273401

貴族の娘の主人公のジャンヌが修道院から出てきたところからはじまって、老いて死の予感とともに生きるまでを描く小説。

JRF2016/12/279153

夫に裏切られ…実は結婚前から裏切られていたことを知り…、夫の浮気に無関心になることができるようになったかと思うとおかしな宗教家に引っかかって逆恨みされたり…、その夫が死んだあと、残された息子を溺愛するが、その息子は賭け事や起業失敗などで借金を押し付けてくるようになり…、息子は恨まないが一緒にいるらしい女に嫉妬するようになり…、その借金でついにずっと住んでいた屋敷を売ってしまう…。と、不運が主人公に振りかかってばかりの物語。

JRF2016/12/275366

途中、一番苦しいときに昔の女中が戻ってきたり、最後は孫の顔を見ることができたり…と、まったく救いがないわけではないが、救いといってもささやか過ぎる。が、それが「リアリティ」ということなんだと思う。

JRF2016/12/279668

吉屋信子の少女小説『花物語』([cocolog:86079788])の女は皆「かわいそう」だったように、この小説の女も「かわいそう」という印象がある。そして、それが美の一つのあり方なのかもしれない。こういう小説に「リアリティ」を感じたとしても、現実はもう少しマシな場合のほうが多いと思いたい、が…。

JRF2016/12/276617

……。

『都鄙問答』(石田 梅岩 著, 足立 栗園 校注, 岩波文庫, 1935年)
https://www.amazon.co.jp/dp/4003301110

JRF2016/12/276028

「石門心学」の石田梅岩の「主著」。儒教を中心としながらも、仏教や神道を否定せずに説明する江戸期の京都の「町人」の思想。「心学」と言うものの、この本では「心」の強調は思ったほどでもなかった。

JRF2016/12/271450

ただし、この本は難しくて私は「読めた」とは言えない、例のごとく、目を通しただけという感じ。途中に、論語や孟子の引用があって、その引用部を知っているところはスラスラ読めるが、それ以外だと、「ウッ」と詰まってしまう。江戸期の古語も思想を語るからか、『東海道中膝栗毛』([cocolog:82587509]) などに比べてわかりにくかった。また論語や孟子を読む機会があったら、そのあとにこの本も読み返したい。要再チャレンジ。

JRF2016/12/272502

……。

『鏡のなかの鏡 - 迷宮』(ミヒャエル・エンデ 著, 丘沢 静也 訳, 岩波書店, 1990年)
https://www.amazon.co.jp/dp/4002600033
http://7net.omni7.jp/detail/1101732630

JRF2016/12/278304

『都鄙問答』とは別の意味でわけのわからない小説。日本語は現代のもので文章もやさしいのだが、内容が「支離滅裂」とでもいうべきものだった。「神話」や「児童文学」を解体して再構成したものということなんだろうが…。寓意が読みとれたと思う部分もあったが、よく考えるとやっぱりわからない。記憶力が確かだった若いころに読めば、もっと意味が読みとれたかもしれないが、どうだろう…。

JRF2016/12/277405

Amazon 評などによると、最後まで読むと最初につながり、最初はわからなくとも全体を読めば意味がおぼろげにつかめるらしいのだが、私にはサッパリだった。確かに最後に出てくる名前が最初に出てきたり、途中で出てくる印象的な単語、言葉遣いが以前の物語を想起させることがあったが、それは記憶をくすぐる程度で、それ以上のものではなかった。とりとめのない夢を記した以上には読みとれなかった。

JRF2016/12/271308

私は理解できないのに、Amazon 評では星を多くつけてる人が多く、私の理解力のなさを痛感した。

JRF2016/12/276569

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