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アルバン・ベルク四重奏団&シフ(vc)『シューベルト:弦楽五重奏曲 D.956』を聴く。チェロの厚みが『死と乙女』などに比べて悲劇性を増しているように思う。 (JRF 5148)

JRF 2017年2月23日 (木)

Alban Berg Quartett & Heinrich Schiff (vc)『Shubert: String Quintet, D.956』(録音:EMI 1983年, 発売:EMI 1998年)
https://www.amazon.co.jp/dp/B00000I7WA
http://www.hmv.co.jp/product/detail/5720193

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アルバン・ベルク四重奏団のシューベルトの弦楽四重奏曲『死と乙女』『ロザムンデ』の CD は私の愛聴盤。メロス四重奏団の『シューベルト:弦楽四重奏曲 第15番 D.887』も気に入っている([aboutme:134302])。今回の曲ははじめて聞いたが、そういう私が、この曲を嫌うはずがない。

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ただ、この曲は『死と乙女』に比べるとメロディ性は薄く、どちらかというと第15番 D.887 に近い印象を持った。そして、それよりはチェロ一つ分やや構想が大きい(逆に言うと大ざっぱ)かなと思った。

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第一楽章は、不安感を抱かせる。第15番に比べてチェロの厚みの分だけ悲劇性が感じられた。

第二楽章は、海のような伴奏に乗るピッツィカート、特にチェロのピッツィカートが(このアンサンブルならあたり前にありうることなのだが)意外性があっておもしろく、心地良い。

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第三楽章は勇壮にはじまる。そして葬送行進曲を思わせる中盤。と、この楽章だけでベートーヴェンの「英雄[エロイカ]」が凝縮されているように思った。

第四楽章は、明るさに狂気を含んでいるように感じるシューベルトらしいフィナーレ。

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演奏については、私のような楽器もできない素人が、論じるわけにはいかない。が、よどみなくゲストのシフが目立つわけでもなく、ABQ らしいすばらしい演奏だったのではあるまいか。

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……。

この CD を聴くまで他にも二組ほど CD を聴いたのだが、ちょっと家庭の事情があって「ながら聴き」がやりにくくなったこともあり、感想を書くのはこの CD が久々(と言っても前は [cocolog:86506591] の12月だが)となった。他の CD のうち一枚は、中古でわざわざ買い付けたものだが、思ったほど感動しなかったため書くことはないだろうが、もう一組については、機会をみて感想を書けたらと思う。

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