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結城浩『数学ガール ゲーデルの不完全性定理』を読んだ。おもしろい。私のかつての専門分野だが、私の不完全性定理の理解は不完全なものだったのだな、と気付かされた。 (JRF 9517)

JRF 2017年9月22日 (金)

『数学ガール ゲーデルの不完全性定理』(結城 浩 著, ソフトバンク クリエイティブ株式会社, 2009年)
https://www.amazon.co.jp/dp/4797352965
http://7net.omni7.jp/detail/1102817553

JRF2017/9/222616

形式論理は私の大学院時代の専門分野。ただ、ほとんど独学なので粗い理解しかできていないといわれればそうかもしれない。それに今では細かいことはほとんど忘れているし…。文系的な理解をしばしば開陳することはあったけど…。

JRF2017/9/221722

keyword: 不完全性定理

《不完全性定理: 「真」「偽」「わからない」》
http://jrf.cocolog-nifty.com/column/2006/02/__33e0.html
>ある「命題の真偽」は証明できないが、「ある「命題の真偽」が証明できない」ことは証明できることがあるというのが不完全性定理の骨子である。プログラマならば、すべての真偽を証明するプログラムを書こうとすると必ず無限ループに陥るプログラムになることが示せると言えばわかりやすいか。<

JRF2017/9/228408

この本は、そういう専門分野からの興味から、ずっと以前に買っていて、いつでも読めると思って読んでいなかったもの。それを買って読んでいないものがほぼなくなってきつつある現在、読んでみた。

ネタはある意味知っているので、最初のほうの数学クイズから「本質」をついているのがわかる。おもしろい。

JRF2017/9/220865

……。

まず、第4章で 0.9999… が 1 に等しいという解説が、私の盲をひらいてくれた。以前 [cocolog:76226522] で 1.000…1 は「実数」ですらないのではないかみたいなことを私は言っていた。

この本では、「0.999…」という表現が 0.9, 0.99, 0.999,… の「極限」の表現ではあるかもしれないが、0.9 や 0.999 とは本質的に違うことに気付かされる。

JRF2017/9/222820

0.9, 0.99, 0.999,… の先にある暫定的なものを表すために 「0.999…」という表記を使うが、その「極言」は結局のところ 1 なのだから 「0.999… = 1」 なのだということになる…と説明する。

私の書き方では今いちかもしれないが、この本では丁寧に説明していて大変わかりやすい論だと思った。

JRF2017/9/220434

……。

次に、第7章の対角線論法については、以前、[aboutme:137129] で>定理証明器上では、(二重)否定を含む命題を帰納法でどう解くかとしか感じられないのではないか?<と書いたが、どうもその認識は間違っているように思った。

JRF2017/9/220382

……。

第10章の不完全性定理の説明は読むのがハードだ。10.9.2 の表現定理から q を出すところで、q がよくわからなかった。後に q の「解釈」も説明されるが、いまいちピンと来ない。>q は《x は、y の対角化の形式的証明ではない》を表現する<というが、「対角化の」という限定がどこででてくるのか? p.348 の subst(y, y_1, y~) からか…。A3、B3 が不思議な定理でそれがキモなのだろう。そして、それらが言えるように q を作ったということなのだろうが…。

JRF2017/9/226433

ここでは、対角線論法を使おうとしているというが、私は不完全性定理は停止性問題に関連付けて覚えている。対角化と停止性との関連は、7.1.2 の言葉でいうと、対角線から作った B がたまたま A_m になるような m が存在するというのが丁度、m で停止するということに相当するのかな。でも、そこからどう言えばいいのか…。Wikipedia によると、実際、停止性問題から不完全性定理が導けるようだが…。

JRF2017/9/229051

《停止性問題 - Wikipedia》
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%81%9C%E6%AD%A2%E6%80%A7%E5%95%8F%E9%A1%8C

JRF2017/9/220970

>この証明は直観的には次のような意味である。もし T が任意の文を証明または反証するならば、Tの定理を枚挙するプログラムを走らせて halt(M,x) または ¬halt(M,x) の形の定理が現れたらYESかNOを出力して停止する、という方法で停止性問題が肯定的に解けてしまう。(このプログラムの正当性は T のΣ1健全性とΠ1健全性、プログラムの停止性は任意の文を証明または反証するという仮定によって保証される。)これは停止性問題の決定不能性に反するので、 T では証明も反証もできない文が存在しなければならない。<

JRF2017/9/222756

Wikipedia に Σ1 と Π1 についての説明がない…。よくわからない。

不完全性定理は、ある種の停止性問題であるという私の考え方は完全な間違いではなかったようだが、詳しいところを詰めていない不完全な理解であると言わざるをえないようだ。

JRF2017/9/222230

……。

私は結局、研究者になれなかった。こんな基本的なことも理解できていなかったのだから当然か。

でも、今の(40歳オーバーな)ニートな自分としては、「研究」以外にできそうにないと考えてもいる。そんな素人の「研究」なんて無意味であるとしても。いつもいうように、親に社会に申し訳ない限りだが…。

JRF2017/9/229359

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