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セルダム・セネ・リコーダー五重奏団『バッハ: ゴルトベルク変奏曲』を聴いた。操作音らしき雑音が気になる。それを超えて聴くと素朴なリコーダーの音が、「宇宙」ではなく「ヨーロッパの田舎の家々」を想い起こさせる。 (JRF 6431)
JRF 2017年11月30日 (木)
2017年11月発売の新譜。私が新譜を聴くのは珍しい。HMV で他の CD を求めるとき、この CD がランキング上位になっていて興味を持った。ちなみに、発売後思った以上に売れ過ぎたのか、発送が遅れるということもあった。
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CD を聴く。聴きはじめてからしばらくして、リコーダーの操作音などの雑音…プチノイズみたいなノイズがかなり聴こえてきて気になる。慣れれば大丈夫かと期待したが最後まで気になったままだった。クラシックファンは、モノラル録音のノイズなどに慣れているので、ノイズ耐性はあるほうなはず…私もそのはずだが、気になったのであった。
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最初に聴いた機器から再生機器を変えて再度聴く。するとプチノイズらしき音は目立たなくなったが、操作音はやはりはっきり聴こえる。ただ、ずっと気になるほどでもない。さすがに二度目ともなれば慣れたか。
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高音で音が割れないのはさすが…なのだろうが、高音で早く吹くところで、りきみがあるように思える…まぁ、それは音を小さくしないテクニックとして評価すべきところなのかもしれないが、楽器に関し素人の私にはよくわからない。操作音は当然、低音の笛から出ているということもあって低音も気になると言えば気になる。
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ただ、そうした部分を超えて聴いていると、リコーダーの素朴な音色が心地いい。『ゴルトベルク変奏曲』と言えばグールドの CD が有名だが、あれもいろいろ「雑音」が入っていた。あれよりはヒドいが、それも愛嬌かもしれない。曲のよさがリコーダーにマッチしているように思う。キーボードの早い部分が笛では苦しいのではないかと思うが、「苦しさ」は上の力みとなっている以外には、感じなかった。現代の奏者のテクニックはすごいということだと思う。もちろん、曲をたがえれば、もっと素朴…古雅な吹き方というのはあるのかもしれないが。
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バッハには「宇宙」を感じることが多い。例えば、グールドの『フーガの技法』([cocolog:74855721])では「宇宙生成」を感じた。しかし、今回の CD からは「宇宙」までは感じない。素朴なリコーダーの音が、中世ヨーロッパの村の屋敷か近代ヨーロッパの田舎の白壁の家を想わせる。
JRF2017/11/308031
雑音がなければ末長く聴ける CD となったかもしれない。その点が残念。雑音があっても魅力はある。『ゴルトベルク変奏曲』が好きな人は、一度、聴いてみるのがよいと思う。
JRF2017/11/300548
……。
バッハと言えば、最近やってる日清紡の CM …犬がチェロを弾いてる横で女の人が聞きようによっては調子っぱずれな歌を歌う CM が私は好きだ。あの歌、元ネタないのかな…あったら欲しい。チェロが弾いてるのは『バッハ: 無伴奏チェロ組曲 第1番』のようだけど…。
JRF2017/11/304287
《日清紡ホールディングス 企業CM 「ドッグシアター/チェロ」篇》
https://www.youtube.com/watch?v=Rx7OHm8DEeA
クラシックファンにはあまり好評価はないっぽいのだけど、私は好き。まぁ、そういう人の評なので、上の CD 評もあてにしないでください。
JRF2017/11/301937
typo 「Godlberg」→「Goldberg」。
JRF2017/12/194117
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受信: 2018-12-30 11:47:38 (JST)
SELDOM SENE『Bach: Godlberg Variations』(録音: 2017年, 発売: Brilliant Classics 2017年)
https://www.amazon.co.jp/dp/B074JQHY2M
http://www.hmv.co.jp/product/detail/8279442
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