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ケルテス指揮 LSO 『ドヴォルザーク:交響曲 第4・5・6番』を聴く。4・5番は、ブラームスとチャイコフスキーの地理的中間といった感じで HMV 評のように高評価とはいかなかったが、6番は、ベートーヴェンとマーラの個性の中間といったていで、がぜんおもしろくなった。 (JRF 1233)

JRF 2017年12月10日 (日)

Istvan Kertesz (cond) and London Symphony Orchestra『Dvorak: The Symphonies Nos. 4-6』(CD 2枚組, 録音: 1963年・1965年・1966年, 発売: Decca 2003年)
https://www.amazon.co.jp/dp/B00008Y4II
http://www.hmv.co.jp/product/detail/141567

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ケルテスの全集とこの CD 2枚組と迷ったが、ケルテスの全集は(ものによると?)5番が二つの CD にまたがるような編集がされていて、こちらのほうはちゃんと一枚に収まっているということで、こちらを求めた。(なお、全集は別にペシェク(Pesek)のものが安かったのでそれを求めた。) そういうの、新しい CD を封を切ったあと何度も聴きたい私にとってはとても大事。

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……。

HMV のユーザー評で評価が高く期待して聴いたが、4・5番はあまりおもしろくない。ブラームスとチャイコフスキーの中間といった感じで、メロディーも後年のドヴォルザークほど美しいとは思えない。ところどころ、ヨーロッパの鬼であるオーガが歩いているような勇壮な…というよりはやや野蛮なイメージがあってまったく楽しめないわけではなく、細かい処理がファンタジー風で「ロマン」派らしいといえばそうなのだが…。

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それが、CD 2枚目の 6番の第1楽章になって、ベートーヴェンとマーラーの中間…4・5番はブラームスとチャイコフスキーの地理的な中間といった感じだったのが、ベートーヴェンとマーラーの時代的という以上に個性の中間というふうに思えて、聴いていて、がぜんおもしろくなってきた。

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第2楽章は、シューベルトからブラームスのドイツ・レクイエムを経て少しマーラーにつながる…といった感じ。花園のイメージ。第3楽章で、『スラヴ舞曲集』や『交響曲 第8番』を書いたドヴォルザークがやっとでてきて、第4楽章は『交響曲 第9番 新世界より』を書いたドヴォルザークだ…と感じた。

JRF2017/12/102866

CD で続きに入った序曲『自然の中で (V prirode), Op.91』と序曲『謝肉祭 (Karneval), Op.92』は、スラヴ舞曲集を思い出すような出来で楽しめたが、評価が高いらしい『Scherzo capriccioso, Op.66』はあまり楽しめなかった。これまでの言い方を踏襲すれば、ベルリオーズからリヒャルト・シュトラウスに向かう途中の作品といった感じだが…。

JRF2017/12/109499

ただ、全 CD を通じて、緩余楽章がまだ後年のドヴォルザークほどおもしろくないと思った。ケルテスの指揮の影響?…ではないと思う。曲の問題…もしくは私の鑑賞能力の問題だと思う。

JRF2017/12/101263

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