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バーンスタイン&シカゴ交響楽団『ショスタコーヴィチ:交響曲第1番&第7番「レニングラード」』を聴く。サトゥルヌスかモーゼかと思わせる第1番。「共産主義」というシステムのソ連を思い出させる第7番。 (JRF 6571)
JRF 2018年3月10日 (土)
http://www.hmv.co.jp/product/detail/6464440 (日本盤)
私が買ったのは海外盤。かなり前に封を開いて聞いていたが、ネットでは評判がいいのに、私はピンと来なかったのを、オーディオ機器が新しくなった([cocolog:88958063])のを機に再視聴。それで、感動した。
JRF2018/3/108987
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第一番は、ちょっと神秘的で、なんというかユーモラス。ギリシア神話でサトゥルヌスが表しているような原始的な人間の信心を見せる、旧約聖書のモーセの姿が私には想い浮かんだ。キリスト教・ユダヤ教から見ても、少し異教的なモーセ。ヒゲを生やした老人が、儀式的な踊りを神に見せるかのように想った。
JRF2018/3/103488
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第七番は今は亡き国・ソ連(ソビエト連邦)の歴史を想った。第1楽章は、小さな行進から大きなデモに発展、やがて流血の事態と致るが、つつましやかで神聖な勝利もある…といったところ。第2楽章は、労働歌…にしては荘重だが。第3楽章は、シベリア送りにでもなったのだろうか、シベリアの広大な美しい自然が目に飛び込む…しかし、そういうのを感じられるのは体調不良である意味余裕があるからかもしれない。やがて労働にかり出され、やがて自然を振り返り、国の未来を思うのだろうか…。そして第4楽章は戦争の忙しさ…そして「勝利」というよりは「システムの構築」が訪れる…といった感じが。
JRF2018/3/108545
ショスタコーヴィチが第7番にそういうメッセージを込めたかどうかわからない。こめたとすれば体制寄り過ぎる気がする。むしろ指揮者のバーンスタインがソ連に寄せたメッセージなのではないか。第5番にも見たようなバーンスタインの「わかりやすい解釈」のおかげで、私が不得意とするショスタコーヴィチもよく聴こえたということではないだろうか。
JRF2018/3/100395
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ただ、第7番について詳しく感想を書いたが、「おもしろさ」という点では第7番より第1番のほうが今回の私にはおもしろかった。
JRF2018/3/103134
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受信: 2018-03-30 21:28:32 (JST)
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http://www.hmv.co.jp/product/detail/2669119 (海外盤)
https://www.amazon.co.jp/dp/B00ZDGPPUG (日本盤)
JRF2018/3/102672