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cocolog:89103582

著作物の海賊サイトのブロックを許すのは悪手だと思う。あいまいに引用したら知らぬ間にブロックとか目もあてられない。どうしてもやりたいなら、要件を厳しくするのは当然だが、一方で、そろそろ引用を権利化し、DRM を使うソフトに、引用のための(劣化)キャプチャができるよう強制するべきだ。 (JRF 6974)

JRF 2018年3月26日 (月)

《政府、海賊版サイトのブロッキングを検討か | スラド》
https://srad.jp/story/18/03/20/0748232/

JRF2018/3/260188

……。

児童ポルノのブロックについては人権侵害に対する緊急避難だから、かなり特殊なケース…という定式になるのだろうが、著作権というある種の財産権のためのブロックを一旦認めると、野放図な拡大につながるおそれがある。

JRF2018/3/263725

たとえばニセ科学のサイトが、ある人の真実の発言が業務を妨害しているから、ブロックするようプロバイダに要請する…みたいなことも起こるかもしれない。政治家が特定の相手の主張をナンクセを付けてブロックさせるようなことも起きるかもしれない。また、タブーなしに言えば、ネットにとって死活的に重要なエロコンテンツについても、国内の基準に合わないからブロックとなれば影響は大きいだろう。

JRF2018/3/267999

そういう濫用を防ぐために、厳しい要件として、出版差し止めの仮処分以上の手続きをブロックに求めるべきだと思う。もちろん仮にブロックをやるとしたらの話だが。流行の言葉を使うと、プロバイダが「忖度」して好きにブロックするみたいなのは許してはいけない。

JRF2018/3/263039

……。

私は海賊サイトに少し同情的なのだが、それは現在の DRM が厳し過ぎるという印象を抱いているからだ。コンピュータではいろいろできるはずなのに DRM のために自由をはばまれている。そのため、まず自由を最大限確保したものがどこかに欲しいという感情が、海賊サイトに寛容なホンネを用意しているのではないだろうか。自由は死を賭しても守るべきものだというのが、自由主義勢力の戦争の大義でもあったのだから。

JRF2018/3/261477

かと言って人がかけたものでしかない DRM の回避のためだけに競争を促すのは不毛で、DDRM 回避を不正競争防止の観点から禁じるのは、私は理解できる。一方、DRM をかける側が、自由度で競争をするという期待された展開になってないのにも注目せざるを得ない。おそらく、電子化が不十分でラインアップを揃えることのほうが重視されるために著作者側の意見が通りやすく、さらに寡占傾向が強いソフトウェア分野では、自由度を競っている隙がないということだと思う。自由度に関する競争をあまり期待できない以上、政治が何らかの介入をする余地はあると思う。

JRF2018/3/260395

だから、もし海賊サイトに強い対応をとるというなら、返す刀で DRM についても切り込む必要があると思う。

そこで主張したいのが「画面キャプチャ」を可能にすること。これは昔(少なくとも2012年)から私は言ってる([cocolog:72808649])。前は、キャプチャソフトを一般に可能にすべきだと思っていたのだが、今は、それぞれの DRM 付きビューワーがキャプチャ機能を提供すればいいと思っている。PS4 のゲームとか、Twitter などに動画を投稿する機能があったりするが、ああいうのを想定している。

JRF2018/3/262104

……。

「引用」という行為には、昔決められた要件があるんだけど、それは文章を想定していて、動画や画像などをネットでユーザーが自由に「引用」できる時代に正直言って対応していない。その辺りはあいまいなままになっている。ネットが広まって 20年ぐらいして、それでもまだその状況というのは信じられないのだが…。

JRF2018/3/263101

それで、著作物のブロックを認めるとなったとき、この「引用」をブロックできるとなれば、他人がコメント欄に何か書いてそれでブロックさせる攻撃とかが可能になる。それはダメだ。ここは上で述べた厳しい要件が特に必要となるところ。

この引用を単に「できる」という話から、それはユーザーの権利として確保しなければならないもの…とするとすると、それに必要な「画面キャプチャ」ができないとダメですね。…ということになって、上の「画面キャプチャ」に法的な整理がつくことになる。

JRF2018/3/262920

安易に「引用」を認めれば、デジタル化の時代だから、いくつかのサイトのデータをまとめることで、劣化のないコピーが得られてしまうことがありうるという心配はもっともなものだ。だからまずキャプチャは劣化したもので十分であろうとはする。

そして、違法なサイトへのリンクを集めたリーチサイトだけでなく、合法なサイトへのリンクを集めたリーチサイトでも、集め方によっては著作権侵害を認めないとフェアじゃないだろうと思う。私はそのようなユーザー側の譲歩はしかたないと考える。もしかするとこれである種の P2P ファイル共有ソフトはさらに非合法の色を濃くするかもしれないが。

JRF2018/3/264830

(なお、私は P2P ファイル共有ソフトについては間接侵害を認めるべきという方向だが…。)

keyword: 間接侵害

JRF2018/3/260378

……。

画面キャプチャを許すことで、とにかく商売敵を倒すために違法は承知で「引用サイト」を大量に作る…といった「不正競争」が起きる可能性はある。それについては、>ゲームで、リリースしてすぐにラストを大っぴらに語っちゃうのは業務妨害にする<([cocolog:87888734])のと同様の論理で、やむをえないことを認め、画面キャプチャを雑誌とかだと1週間&ゲームとかだと1ヶ月、できなくするようにするのはしかたないかもしれない。

JRF2018/3/265124

この期間を1ヶ月&3ヶ月に延長したければ、死後の著作権を 70 年から 35 年に半減させろみたいなバーター取引はあって良いかもしれない。(似たいような論理は↓で展開している。)

《無コピーの占有デジタルコピーの譲渡の自由:記録保全主義》
http://jrf.cocolog-nifty.com/society/2007/11/post_3.html

JRF2018/3/266175

この DRM の規制は、メディアだけでなく、書類についても考えている。夢は DRM への課税で、この規制はそれへの一歩と私は位置付けるから。

日本ではもっとも厳しさが求められる米軍の機密書類についても、DRM を使うのならば、画面キャプチャはできるようにしないといけないと考える。ただし、1週間はキャプチャは禁止できるし、契約でキャプチャさせないと意志を縛ったり、機器の管理を徹底してコピーや送信をさせないという運用まで排除するものではないが。

JRF2018/3/269754

その、DRM だけで機器の持ち出しができる状況で、1週間もあれば、アナログなカメラで撮影もできるわけで、それをありえないとみなすほうが逆に不健全だろう。

ちなみに書類と公開するメディアとの違い(の一つ)は、引用を契約で禁じれるかどうかとすると整理がつくかもしれない。そして、たとえ契約で禁じられても、技術的には可能でないといけないとしたい。メーリングリストやクローズドサイトにおいては、微妙なところになるが…。(無断リンク禁止に関する過去の考察 [aboutme:122086] が参考になるかも。)

JRF2018/3/267394

……。

あと、新聞社等が著作権料を支払いやすくするために、客寄せページ(まとめサイトやブログのトップページを含む)については引用を禁止できるようにしてもいいかもしれない。ただし、その場合は、適当な額を払えば必ず利用できるようにもしないとダメだろう…とは思う。

JRF2018/3/267465


……。

蛇足だが、私は DRM や暗号通信に課税することには積極的なほうで、最近の http から https への流れは苦々しく思っている。HTTPS (昔は SSL) について、サーバーのプロバイダからユーザーのプロバイダまでの間は郵政局のネットを使わねばならない…みたいな規制をすべきだと昔考えたこともあったり([cocolog:72609069])した。

JRF2018/3/269084

HTTPS じゃない HTTP は中間者攻撃みたいなのは可能なんだろうけど↓で述べた>国家や信託銀行など合法的な「正義の味方」はブログのプロバイダを味方に付けられるのだから、最終的に有利なのは「正義の味方」だろう。<ということは今も変わらないと思う。HTTPS を使ったとしても、相手方の内部事情がどうなっているかの問題は残るし、その辺りは結局同じなのではないか。

JRF2018/3/265197

《電子署名の替わりに Loaded Magic》
http://jrf.cocolog-nifty.com/software/2011/05/post.html

JRF2018/3/264440

Web ページへの電子署名なら、ユーザーが、自分のところに来たデータに誤りがないことを簡単に示せるようになるけど、HTTPS じゃそういうのもできない。コストの割りにメリットが少ないように思うのだが…。P2P 派じゃなくクライアントサーバー派なら、サーバーに金がかけてもらえるというので HTTPS を推したい気持ちはわかるんだけど…。

JRF2018/3/268328

ああ、あと、暗号通信に課税するというのが、暗号通信の衰退につながるというのは早計だと思う。「担税力」には「ペナルティとしてコスト上昇させ減らすべきところにかける」という経済学的考え方の他に、「当局が税を取れるところを広げようとするから増やそうとするところにかける」という行政的考え方(地租的な考え方 [cocolog:86756868]?)もありうる。暗号通信に関しては基本前者的で、全部を HTTPS にするという思想に比べれば減るけど、後者の考え方が要所で活きてしっかりとした需要も残ると思う。だから心配ない…と思う。

JRF2018/3/269091

……。

追記。

なんで、画像の「引用」が客寄せページやまとめサイトではダメなのか? …引用を多くして派手にするような(不正な)競争が行われることで、「必要最低限」ではなくなりやすいから…かな。逆にいうと、まとめサイトなどでは「引用」を必要なものとは見なさない…ということだろうか。そう擬制する…と。

JRF2018/3/272784

ただ、ニュースのトップページで、意見記事で使っている画像を「引用」するというのは通常の行為だと思われる。意見記事で引用があった場合、その記事の「写真」ということで、再引用することまでは排除すべきでないかな? ただ、それは記事内容がわかるという最低限に留めねばらない…とするか? でも、この場合もできれば「擬制」を強く見て、支払いをするならしたほうがいいと思うけど。

JRF2018/3/277692

意見記事の側で、必要最低限に留めないような契約ができて(簡単にできて)、その契約内容にはトップページでの紹介に写真を出すことの許可も含まれるのが「業界の慣習」となれば、ベストのように思われるけど…。

JRF2018/3/275481

typo 「DDRM」→「DRM」。

JRF2018/3/270488

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