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結城浩『数学ガール』と『数学ガール フェルマーの最終定理』を読んだ。ライトノベル風に数学を紹介できたら間口も広がるだろう。そういう小説をかけたら…と思った者は幾人もいただろう。しかし、それをモノにして「売れた」のは著者ぐらいで、スゴイと思う。 (JRF 4709)
JRF 2018年4月20日 (金)
これらは『数学ガール』シリーズの1巻目と2巻目にあたる。3巻目の『数学ガール ゲーデルの不完全性定理』は [cocolog:88125718] で、4巻目の『数学ガール 乱択アルゴリズム』は [cocolog:88278251] で読んでいた。過去に読んでいたシリーズがおもしろかったので、是非シリーズを最初から読みたいと思っていて、今回、この 1巻目と 2巻目を読んだのだった。ちなみに、最近、6巻目の『数学ガール ポアンカレ予想』が出たらしい。それは偶然。
JRF2018/4/207294
……。
1巻目、調和級数が発散するのはどこかで知っていた気がするが、その証明は知らなかったと言っていい。バーゼル問題とか、オイラーって天才だな…と改めてわかる。
また、フィボナッチ数列を漸化式ではなく n を使った一般項で表す方法を求め方から書いているのには参った。すごい。
確率で母関数の話はあっても、数列で母関数というものを考えるというのを、恥ずかしながら、私ははじめて知った。
JRF2018/4/202254
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2巻目、整数論の細かい議論を避けずに説明しているのはスゴイと思った。「互いに素」って強力なんだね。無限降下法…カッコよすぎる。
フェルマーの定理を雰囲気がわかるぐらい説明しているのもスゴイ。こんな説明ができるということに別の才能を感じる。著者がスゴイ。
JRF2018/4/200093
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パッと開いて読んだときはわからなかった数式が、最初から続けて読んでいくと理解できたことが何度かあった。…ということは、関係なさそうに見える物語も理解の役に立っていたということで、その辺の構成も考え抜かれていたのだと思う。
JRF2018/4/205582
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数学を小説風な何かで説明して間口を広げられたら…というのを考えた人はそれなりにいると思う。私もできればカッコイイぐらいには思ってた。しかし、それを実際して、商業的にも(ある程度)成功するというのは著者をしてはじめてできたことじゃなかろうか。
簡単な「算数」ではなく、高校レベルから大学レベルの内容まで書いているのに、全編、わかりやすいのはスゴイことだと思う。「スゴイ」をいくらいっても足りない!
JRF2018/4/206054
森毅とか矢野健太郎とか、数学に関した著者で有名な人はいた。兄はそういうのを読んでたらしいけど、私は今いち食指が動かなかった。でも、この『数学ガール』はそういう私向けに書かれているな…という気がする。
続くシリーズもいつか手に入れたい。
JRF2018/4/203796
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受信: 2018-06-29 14:33:54 (JST)
『数学ガール』(結城 浩 著, ソフトバンク・クリエイティブ, 2007年)
https://www.amazon.co.jp/dp/4797341378
https://7net.omni7.jp/detail/1102446567
『数学ガール フェルマーの最終定理』(結城 浩 著, ソフトバンク・クリエイティブ, 2008年)
https://www.amazon.co.jp/dp/4797345268
https://7net.omni7.jp/detail/1102582322
JRF2018/4/202056