« 前のひとこと | トップページ | 次のひとこと »

cocolog:89579896

最近、Twitter での海賊版写真のリツイートのトリミングが同一性保持権侵害だとされた。また、EU で誤報とも言われる「リンク税」の議論がある。今さら、そこが変わろうとしているのは、最近話題の AI がらみの何かがあるのだろうか? (JRF 8819)

JRF 2018年7月 1日 (日)

……。

「引用」は(特に Web 時代の消費者にとって)ある種の権利だと私は考えるのだが、その安定性を脅かす話がここのところ上がっている。SNS での利用はもう少し前からあり、なぜ今のタイミングかと考えるに、深いところで人工知能(AI)に関する動きなのではないかと私は直感した。その直感を少し言葉にしていきたい。

JRF2018/7/14814

……。

いくつかあるニュースを先に取り上げる。まず、写真の海賊版のリツイートが、Twitter 社のシステムの機能であるトリミングのせいで、同一性侵害であるとされた裁判。

《リツイートは著作者人格権(同一性保持権)侵害だとした知財高裁判決に対するTwitterユーザの反応 - Togetter》
https://togetter.com/li/1236554

JRF2018/7/17867

《知財高裁、写真のリツイートに対し一部が見切れることから著作者人格権侵害との判断を下す | スラド IT》
https://it.srad.jp/story/18/06/14/0920244/

JRF2018/7/16404

コメント(匿名):>本屋の平積みで、表紙の一部が見切れる並べ方したら著作権的にアウトになる? 回避しようとすると雑誌の陳列とか無理が出る。<
コメント(匿名):>雑誌の例は、雑誌を出す時点でそのように並べられる事を想定してて、暗黙的に同意していると見做されるので問題はない。一方で、この件は盗用された状態だから、何もそのような暗黙的合意があったとできるような状況がないんだから話は別。<

JRF2018/7/13350

少し似た事件がアメリカであって、海賊版の「リツイート」が著作権侵害になるとの判決が出ていた。

JRF2018/7/14083

《米地裁、ツイートのエンベッドが著作権侵害にあたりうるとの判決を下す – P2Pとかその辺のお話R》
https://p2ptk.org/copyright/771
>ニューヨーク連邦地裁は、数年前に確定した判決を否定し、単にウェブページにツイートをエンベッドしただけで著作権を侵害しうるとの判決(…)を下した。<

JRF2018/7/16828

日本でも、その影響を受けて、これまでの裁判例を大きくくつがえさない範囲で判例の変更を試みた結果、トリミングに同一性保持権侵害を認めるというアクロバティックなことになったのかもしれない。最高裁でちゃんと整理されることが前提となっていると見るべきで、この判決は過渡的なものとして、今後に注目していくべき案件なのかもしれない。

JRF2018/7/19169

……。

もう一つこの「ひとこと」で取り上げたいのが EU の「リンク税」の議論。

《ハイパーリンクを貼るだけで著作権料がかかる通称「リンク税」がEUで導入されようとしている - GIGAZINE》
https://gigazine.net/news/20180621-eu-link-charge-copy-right/

《EUによるデジタル著作権法の改正は、インターネット全体にとって「大問題」になる|WIRED.jp》
https://wired.jp/2018/06/26/europe-new-copyright-law/

JRF2018/7/12413

EU の「デジタル単一市場における著作権指令」の改正案において、主に Google や Facebook などの SNS で、新聞社の記事のリンクを利用する際に、著作権料すなわち「リンク税」を徴収するようにしたいという第11条と、アップロードの際に必ず事前のフィルタリングを行うという第13条が、話題になっている。

JRF2018/7/10889

Facebook や Google の新聞社へのリンクがどのようなものかは私はあまり知らないのだが、それらだけを規制するようなことはできるのか、一般の、記事全体ではなく一部の引用についてはどうなのかがよくわからない。

JRF2018/7/11952

新聞を一つの書物としてみた場合、一つの記事は、書物の一部でしかない。だから、記事全部の引用も必要最小限の引用とする余地があった。それを今回、記事一つで書物一つと考え、記事の全部引用を今後は許さなくなる…という話なら、まぁ、「さもあらん」という感じなのだが、リンクがあるからダメというのは、出所の明示がはっきりし過ぎているからダメというようなもので、少しおかしいという印象を抱く。

JRF2018/7/11621

……。

……。

まず、リツイートのトリミングの問題について。

私のファーストインプレッションとして、Twitter 社の今回のトリミングが「やむを得ない改変」であるなら、さらに、ユーザーが情を知らずにシステムを使ったということなら、ユーザーにはやはり違法性はないように思われる。

JRF2018/7/13389

Twitter に限らず、どんなサイトでも、画像の投稿があるサイトでは、縦横の比率があまりにもおかしい画像はありうるから、トリミングはどこかでしなければならない。しかし、氏名が表示されているならその除去を避けるようにしたり、元の比率をできるだけ守ったり大きさをできるだけ大きくしたり、投稿時にトリミング方法を指定したりできるようにすることはできるかもしれない。そういった、同一性保持権を守る努力を促すために、普通は「やむを得ない改変」とするとしても、場合によっては、同一性保持権侵害を認めるという指揮はありえるだろう。

JRF2018/7/17582

しかし、その場合の同一性保持権侵害の主体はあくまで Twitter 社である。投稿する者が自分の意図に沿わない変更を強制されにくいことが、広く表現の自由を担保することになる。

JRF2018/7/12714

仮に投稿者がトリミングされたくないと思いながらも、人に見て欲しいと願ってトリミングされうるサイトに投稿したことがあったからと言って、同じようなトリミングが将来の展示において必ずなされることを認可しているとみなされるべきではない。なんらかの事情で明示の許可なく展示がなされる際は、トリミングのない状態の表示のほうが同一性保持権を侵害しないとみなされるべきだろう。

JRF2018/7/10535

上で、今回のトリミングを本屋の展示に比す意見があったが、絵画をトリミングしたり、トリミングして出版したりした場合と違い、今回のトリミングは一時的・非破壊的で、輸送時のパッケージングに近い。トリミングのない状態を簡単に復元でき、そちらが投稿者の意図であることは明白で、運送時に無許可で公開するのは確かに同一性侵害かもしれないが、破壊的なものほどヒドくはない。

JRF2018/7/10596

また、サーバー上にある自動化のツールを使ったら、サーバーを管理する者だけが侵害の可能性があって、使った者に侵害の可能性は常にないとするのは公平を失する。しかし、今回の場合は、トリミングの範囲をユーザーが指定できるというものでもなく、自動化の責任割合は、Twitter 社のほうがかなり重いとすべきだろう。

JRF2018/7/16296

今回のものを同一性侵害と認め、プライバシーの強制開示を認めれば、今後、他のリツイートは難しくなる…すなわち表現の自由を萎縮させる効果がある。責任はまったくないとは言えないが、非破壊的であること・自動化へユーザーの寄与の少なさなどと、プライバシーの保護・表現の自由とを、利益衡量して、今回のものは、同一性保持権の違法性を阻却するのが妥当だと私は考える。

JRF2018/7/17168

……。

ただし、リツイートしたユーザーが、海賊版であることを知って、リツイートしていた場合は、微妙だ。共同正犯ならば、単純に処罰すべきと言えるだろう。共同正犯とまで言えないが、日ごろ、海賊版をリツイートして、自分のところのアクセスを増やそうとしている「常習犯」の場合は、今処罰できる法はないが、今後、違法にしていくべきではないかと私は考える。今処罰できる法律がないので、かわりに同一性侵害を認めるというのは、ありうる指揮(知的財産権がらみではよくある指揮)なのかもしれないが、スジが悪いと思う。

JRF2018/7/11308

今回の事案と離れて、仮に、トリミング方法を投稿時にあらかじめ指定できるようにしたとしよう。すると、Twitter 社はトリミングの責任からかなり逃れることができ、同一性侵害をしたのは投稿者だけに限られるように一旦は思う。しかし、演劇において脚本を書くのに相当するのが投稿者で、リツイートしたのは人気のある演者であるとした場合、↓に問題が似てくる。

JRF2018/7/17170

《文化祭と著作権の問題から私的翻案を考える》
http://jrf.cocolog-nifty.com/society/2007/11/post_2.html

JRF2018/7/13096

トリミングされた写真の載る海賊版の本を買ったあと、(そうと知ってまたはそうと知らずに)古書店に売った者が、同一性侵害で裁けるかという問題にも似ている。ドラえもんの同人誌に関する考察(↓)で、>公けの認知を狙った投機<…普通は見過ごされるべきだが、量が大きくなったりすれば問題となるようにすべきと考えたこととどう釣り合いをとるべきか。

JRF2018/7/16871

消費者の同人サイトにとやかくいうべきでなく、アクセスの少なさの認識に証拠が一定程度あるなら、責めるべきでないことがある。アクセスの少なさを誤解させた者がいるなら、その者の責である…という議論を以前した(はずだが見つからない…)。

JRF2018/7/14980

Twitter ではアクセス数を知ることができない。代替的にフォロワー数がある。RT そのものは、元のツイートへのアクセスを増やすが、RT した者自身へのアクセスは増やさない。ただし、情報源として信頼を得ることで、フォロワー数を増やすことはありうる。

JRF2018/7/13629

フォロワー数が多くても個人なので「間違い」を起こすこともあろうから、フォロワー数が多いから、侵害を認めるというのは(まったくないわけではないが)あまりやるべきではない。一方、>公けの認知を狙った投機<に近い、フォロワーを増やすために継続的に海賊版をリツイートする「常習犯」については、個々の海賊版については違法性は問わないが、トリミングされやすい人が集まるメディアを選んだことにつき、同一性侵害を認めるという余地はある。…とちょっと考えたが、やはり、すべきではないように私は思う。

JRF2018/7/16107

常習性を問題視するなら、罪を法定するべきだ。罪としては著作権法違反を煽った罪ということで、教唆犯や破壊活動防止法の煽動罪に比すべきものとなるが、破防法を適用するほど重大な犯罪ではなく、一方、通常の教唆犯では曖昧になりがちな部分がリンクとして明確な証拠として残ることがあるため、特殊教唆犯・煽動犯として法定した上で、罪には問う形にすべきだろう。

JRF2018/7/16088

その際は、リーチサイトの問題とあわせて法定することになろう。私は、[cocolog:89103582] で>違法なサイトへのリンクを集めたリーチサイトだけでなく、合法なサイトへのリンクを集めたリーチサイトでも、集め方によっては著作権侵害を認めないとフェアじゃないだろうと思う。私はそのようなユーザー側の譲歩はしかたないと考える。<と述べている。

JRF2018/7/14728

……。

ファンによる同人誌的イラストもある意味同一性保持権を侵害するものであるが、多くの場合、黙認されているものと思われる。黙認されていることを前提として、リツイートで紹介していたものが、ある日、突然、常習の特殊煽動犯としてあげられるというのは、あまりにも法の安定性を失する。元のイラストが黙認されず削除が命じられたような場合には(違法な場合には)、リツイート者に通知をして注意を促す義務が Twitter 社にはあるとすべきだろう。その注意に順えば、罪に問うべきではない。

JRF2018/7/15354

ただ、削除するだけでは、十分でないという法理は必要かもしれない。氏名表示権を後から行使するためなど、リツイートしたページで、情報を載せねばならない場合もあるだろう。しかし、それで、住所開示にいたるというのは異常であろう。もし、Twitter 社がシステムの改善を拒否するがゆえにしかたなく住所開示というなら、Twitter 社をプライバシー侵害で(行政的に?)締め上げるべきかもしれない。

JRF2018/7/11521

……。

EU の第13条とのからみになるが、イラスト投稿はデフォルトでは合法であるという前提に立つが、将来的に、AI による判定後に投稿されたものならば、リツイートしても罪に問われにくいという法制にすることもできるだろう。AI 判定を義務付けるのではなく、それをインセンティブで促すという方向である。

JRF2018/7/16936

ただ、このとき、関係ないものまで巻き込んでしまう過剰規制が問題となる。それは表現の自由の権利を不当に侵害するもので、あえていえば権利に対する器物損壊罪あたりになるのだと思う。たまたま過剰になるのはしかたがないとして、常習的に過剰にする者がいた場合は、罪に問うべきだろう。そのとき、誰が訴えるかが問題となる。

JRF2018/7/15199

損壊を統計する主体がどこかにいて、そこに権限を渡すのが望ましいだろう。その者は捜査として、プログラム(データ)を参照できる権利を持たなければならない。このとき、プログラムが秘密で知られたくないというのは、上の同一性保持権について住所を知られたくないというのに似ている。専門家以外プログラムがわからないし、秘密を知るのを少なくしたいというのは、特定の専門家集団以外に住所を知られないようにしたいというのと同じである。

JRF2018/7/16804

今、弁護士を通じてでも住所を開示するなら、将来、プログラムをたまたま侵害がなされただけの個人に開示するのも拒否できないとせねば公正を失する。日本では、住所開示にしばし道を開いた以上、プログラム強制開示がしばし有効になることに道を開いたと知るべきである。

JRF2018/7/10036

ただ、いくら巨大なデータベースが使えるからと言って、現実的な時間ですべての著作物について「事前判定」ができる AI というのは、どういうプログラムになるのか私には検討もつかない。将来のプログラム開示といってもどうすべきかはよくわからない。

JRF2018/7/15790

……。

著作物が載るメディアまで人格権で制限する動きがある(↓)ようだが、視聴の環境を遠い将来まで制限するのは公正でないと私は考える。どこかで人格権は制限されなければならない。

《寺院が秘仏などの写真を無断使用した写真家を訴えていた裁判、寺院らの主張が認められる | スラド YRO》
https://yro.srad.jp/story/18/06/27/0853216/

JRF2018/7/19878

宗教体が人格権を持つ方向自体はありだと思うのだが、その効力が強過ぎてもいけない。Twitter などの公開度が高いところに関しては制限できても、検索エンジンにひっかからないようにしている少人数の同人サイトなどでは、通信的な共有があってもよいとすべきだと思う。そして、そのような限られたリソースしか使えない場所では、著作者が望むような展示ができないことも多かろう。今回は、「秘仏」ということだから、非公開が原則であるというメタ情報が知られているようなもの。ローカルな公開でもメタ情報を付し、適切に削除などに応じれば、ある程度は免責されるようにして欲しい。

JRF2018/7/11851

……。

……。

リンク税の議論に移る前に、私のハンパーリンクに関する過去のアイデアについていくつか紹介しよう。

JRF2018/7/17811

……。

まず、無断リンク禁止の禁止について。昔、「無断リンク禁止」をうたうサイトがあったが、消費者が普通にリンクする場合は「無断リンク禁止」はできないとするのが結果妥当だろうと考えて、[aboutme:122086] では、無断リンク禁止をうたうのは消費者契約法 第十条の「消費者の利益を一方的に害する条項」にあたり無効であると考察した。

JRF2018/7/12259

大手サイトと大手サイトが無断リンクを禁じあうのはかまわない。商標権なども援用しながら、「ロゴ付きリンク」(クリック単価あり)に、すべての提携リンクを変更するなどしても良い。消費者の同人サイト同志が連携して勝手リンクを許さないというのもアリ。同人サイトへのリンクが大手サイトの掲示板に載らないように禁ずるのはアリ(この場合は削除を要求できる)。しかし、消費者が大手サイトのリンクを大手サイトの掲示板に書いたり、連携してない同人サイトに書いたりするのまでは禁ずることができない。…としたかった。

JRF2018/7/19359

つまり、リンクを禁止できる場合があるわけだが、引用まで禁じれるとは考えない。引用する場合、リンクがあるほうが明確だが、リンクによる流入が同人サイトの安寧を害することも考えられ、その場合は、リンク以外の方法で出所「明示」(暗示に近い)すれば良いと考えた。

JRF2018/7/10823

……。

次に、[cocolog:76692463] の No Ad URL について紹介する。これ自体は、広告を非表示にするための Greasemonkey スクリプトだが、期限付き広告非表示を「買った」という小切手・手形の振り出しのような使い方を想定している。

JRF2018/7/10401

no_ad_url.ujser.js は、指定により特定の DOM 要素を非表示に(表示すべきところに「×」(バッテン)を表示)する。その際、リンクした者が誰か(linker)、リンクを使うべきものと想定しているのは誰か(linkee)、リンクの有効期限はいつか(mature)を指定できる。

JRF2018/7/15294

これは、リンクにパラメータとして情報が付され、リンクがクリックされたあと、普通のサイトではパラメータは保存されるので、ページに移ったあと、その情報を下に No Ad の処理をする。linker や linkee の情報もサイトには開示される。もし、サイトの側が拒否するならパラメータを削ればよい。逆に、もし、サイトの側が望むなら linker や linkee などが適切にあれば広告を非表示に最初からすればいい。

JRF2018/7/11182

no_ad_url の情報を含んだリンクが確かに linker の発行したものであることを確かめるには、Tweet Sig (↓) のような機構で、リンクの乱数鍵とハッシュを記録し、広告非表示を要求したことにつきサイトに支払うべき上限額をハッシュの横か元々のリンクに amount パラメータとしてでも付けておけばいい。

JRF2018/7/10413

《Tweet Sig》
http://jrf.cocolog-nifty.com/archive/tweet_sig/README_ja.html

JRF2018/7/15607

つまり、読ませたい記事がある linker が金を払って、linkee に読んでもらうというモデルである。linkee、amount、mature はサイトが求めないなら指定しないでもいい。支払いをどこでするかなど今後とくべき問題はあるが、すぐにはじめられる実験的なものとしてインプリメントした。

JRF2018/7/18993

……。

次に、はてな社に関して私がアイデアとして送った「空スター」を紹介する。空スターは記事を特定の誰かに読んでもらうために金を払うというシステムである。

現在、ログも見れなくなった「はてなアイデア」に 2009-06-03 に投稿したもの。

JRF2018/7/14651

《はてなアイデア - ポイントバック予約付き空スター。読んで欲しい人が読んでスターを付けてくれたらポイントを渡すよう、はてなに予約する機能。》
http://i.hatena.ne.jp/idea/24534

JRF2018/7/17085

>社会人の弟子が師匠の指導を受けるとき、契約等にもとづきこの機能「空[から]スター」を使うことなどを想定しています。

JRF2018/7/16706

(…)

手順を想像すると… (1) カラースターを選ぶところに新たに設置された「空白のスター」を選ぶと別のダイアログに飛ぶ。(2) そこで読んで欲しい人とポイントを指定する。(3) 元のページをリロードすると普通のスターより大きい空白のスターが現れ、そこにマウスオーバーすると読んで欲しい人の id と予約ポイントが表示される。(4) 読んで欲しい人がそこに訪れたとき、空白のスターをクリックするとカラースターを選ぶポップアップが表示されスターを選ぶ。(5) 普通のスターより大きいカラースターが表示される。(6) 読んで欲しい人のところにポイントが送られる。(終)

JRF2018/7/14209

(…)

読んで欲しい人は、複数の空スターを使って複数指定できるべきですが、それとは別にグループやOR指定で「その内の誰か早い者勝ち」を指定できるようにして欲しいです。読んで欲しい人を指定したとき、id コールが発せられると良いと思います。指定された人はスターフレンドでないときでもスターコメントができるようにして欲しいです。

JRF2018/7/12073

(…)

少し微妙なトピックも書いておくと…。ページの著者でない「紹介者」が、読んで欲しい人を指定するのもありかもしれません。その場合、スターコメントは、そのページには付けられるのか、付けられないとするか、紹介者がスターフレンドである場合付けられるとするか、実装時の選択の余地があります。また、予約の期間を定めたり、長期確定されない予約に応じて「証拠金」を予約額より少なくできるようにしたり、といったこともありかもしれません。

JRF2018/7/14512

(…)

逆に、師匠が、いつか弟子に読んで欲しいものをそれとなく指定したい…といった用途にも使えると思います。その場合は空スターができたことを通知する必要はありません。よって、上記の id コールは選択制にするか手でやればよいとして必要ないかもしれません。


JRF2018/7/15858

つまり、普通は、ブログを書いた者が読んで欲しい相手を指定して「空スター」を設置し、読んで欲しい相手が読んでスターを付けたとき、読んだ者にポイントが与えられる…となる。進んで、自分が書いたわけでもない記事を、誰かに読んで欲しい場合にも「空スター」を設置できるようにすれば、上の No Ad URL のようなことになる。

JRF2018/7/11725

スターを付けるのは読んでなくても付けられるわけであるが、「プロ読者」がそういうマナー違反をしてると、だんだんポイントバック付き読者に指定されなくなるだろうと想定している。

JRF2018/7/19062

……。

記事が新聞社のものである場合、No_Ad_URL の場合は新聞社に金が入るはずである。一方、空スターの場合は新聞社の前を素通りして金が入らない。Greasemonkey などで空スターシステムを使うことに対しては、そこから一定額のキックバックがないかぎり、新聞社が No と言えるようにすべきかもしれない。つまり、空スター設置にサイトごとに税金を課せるようにする必要があるかもしれない。

JRF2018/7/19014

……。

読む者が読むために金を払うのではなく、読んでもらう側が金を払うという「パラダイムシフト」なわけだが、理系の論文誌への投稿は読んでもらうために金を払うとも言えるといったように、これまでにないモデルとも言いがたい。ただ、普通の人にはなじみがなかった考え方ではあるかもしれない。

JRF2018/7/14227

……。

……。

「リンク税」と言われる EU の第11条についてはよくわからない。リンクそのものではなく、特定の(SNS)サイトの引用が付いてくるような特殊なリンクのようだが…。しかし、上の No Ad URL と空スターの議論を考えると、やりたいことは見えてくるかもしれない。

JRF2018/7/10068

SNS サイトには、読んで欲しい記事を広告する機能があるものがある。SNS サイトは広告料をとるわけだが、もし読んで欲しい記事の実体が他サイトの例えば新聞記事であった場合どうなるか、それは上の空スターと同じ問題が出てくる。SNS は新聞記事で独自の広告料を得るのに、新聞社にキックバックがないのが問題となるのだ。

JRF2018/7/16427

新聞記事の引用にすぎなくて SNS 記事のメインは他のことでも、それが広告に使われるなら、話題を提供した新聞社は広告料の一部が欲しいということではないだろうか。

JRF2018/7/15126

それについては No Ad URL みたいな機構で SNS 側から流入については SNS 側から金を払って新聞社で広告を表示させないという取り決めがあればいいのではないかと思うが、現状そうなってないということは問題があるのだろう。パラメータを付すのも、Tweet Sig 的に証拠を残すのも SNS のシステム的には簡単なはずなのだが…。記事を読むために別途サブスクリプション=有料契約が必要なような新聞社については、SNS からのパラメータ付きの流入について一定額まで契約なしで見られるよう SNS と交渉することもできそうに思うのだが…。

JRF2018/7/12714

私の知らない問題があるからといって、広告などに関係なくリンクがあればダメだという「リンク税」がスジワルなのは、リンクを示すのは引用の出所の明示に必要なことで、実質リンクを制限するというのは、引用の制限…表現の自由の制限になるからである。逆に、サイト流入が増えるのをおそれてあえてリンクしないということがあると私は認めるから、リンクを付さなくなるのが税逃れだとする議論もあやしいと考える。

JRF2018/7/12473

ユーザーの側では、限られた者だけが記事を推薦できるようにしたいというニーズもあるのかもしれない。変なヤツに記事の推薦を許したくない…と。しかし、これは、ニコニコがやっているようなスポンサー表示で代替する方向にして欲しい。または、最初から同人的に記事を作成して、限られた人にしか記事を公開しないシステムを作ればいい。

JRF2018/7/16977

……。

SNS が広告として記事を広めることについては、その自動性に何らかの歯止めをかける必要があるかもしれないと思う。

JRF2018/7/19280

SNS の広告は普通、詳細な linkee を指定できない。SNS は読む者を SNS (のシステム AI 側)で自動で決める。また、ニュースサイトの「引用」の並びなどは自動で決められる。この自動で決められたユーザーの選び方・記事の並び方に、引用元が想定していなかったメッセージを載せることができる。

JRF2018/7/11360

このメッセージもある種の「広告」であるとして規制できないか? 注目を操作する者に担税力を見出したい。

JRF2018/7/15471

[cocolog:89103582] では目をひく画像引用を増やすことによる不正な競争が起きないよう注目を集めるサイトでは画像の引用は必要最低限のものでないとみなせばよいとした。あるページおける複数の広告は、一つ一つが独立して主訴を持つとし、その主訴のためになされた引用は、必ず必要最低限でないとみなしてはどうだろう。いや、むしろ主従のうちの主であるとみなすべきか。上の並びという「メタな構造」にこめられた「メッセージ」も一つの広告でそこで用いられる引用は必要最低限でないまたは主従のうちの主なので、独自の支払い義務があるとすればよいのではないか。

JRF2018/7/13264

そうすれば、SNS などから新聞社に支払いをする理由ができるのではないか?

ユーザーが特定の新聞社とのみ契約している場合、リンクの別の新聞社の記事と同等の契約新聞社の記事を SNS が紹介したりすることも今後出てくるかもしれない。その場合、SNS は仲介料を取っていいとして、契約新聞社はサブスクリプションで金を得られるし、元のリンクの新聞社についてはメタ構造のメッセージ(広告)に関して著作権料を要求すればいいと私は思う。

EU の今後がどうなるかはわからないが、日本は、上のような方向で行けばいいのではないか。

JRF2018/7/17345

……。

……。

リツイートのトリミング問題でみたように、アクセスをためる段階では、違法物などの利用などが行われやすい。違法物かどうかの事前判定に AI を使おうというのが 13 条の考え方だった。それぞれの専門分野に特化したサイトができて、それらが事前判定を外注するとき、単純に丸投げするのではなく、ある程度、判定してから、詳細の判定を分散して外注し、責任の軽減をはかる…ぐらいのことはなされるかもしれない。ただ、それは集中して管理を行いたいとか、「責任の軽減」をしたいとかいう政治的な動きで、AI の本質ではないように思う。13条に関する議論は AI に関しては疑似問題なのではないか。

JRF2018/7/11748

リンク税の問題でみたように、たまったアクセスを利用する段階では、すでにある信用を崩さないよう合法物を使いながら、その半自動的な選択による目的が(外部からは)不明の操作が問題となる。「外部からは不明の操作」というあたりで「制御できない AI」の問題につながるように私は思う。最近になってここが注目されるのは、「制御できない AI」にどう「枝」を付けるかという話なのかもしれない。

JRF2018/7/14400

……。

……。

追記。

「メタ構造のメッセージ」について、引用が用いられるのは新聞社だけとはかぎらない…か。

そして、新聞社だけがそれに著作権料を要求できるとなれば、SNS 側は、新聞社の記事を使わないようにして対抗できる。それが、ユーザーにとっては最善でない情報の提供につながり、ユーザーが損をすることになる。…これは望ましい結果ではない。

JRF2018/7/12962

一方で、すべての引用についてどこかの協会に金を払い、それを新聞社などに分配する…という場合、どういう引用が選ばれたかを監視する意味がなくなり、「枝」としての機能がなくなる。「枝」としての機能を残すには、注目を操作しているとある程度言える場合のみ、協会がそれに応じた金を受け取るとすればいいのかな? しかし、その場合、新聞社などに注目の操作を行いやすい記事を作らせるインセンティブを与えることになるだろう。それは「魔術」的だ。

JRF2018/7/11842

あまりいいアイデアではなかったかな…。

(ちなみに「枝」というのは、『攻殻機動隊(GHOST IN THE SHELL)』用語から来ていて、私は「制御ポイント」みたいな意味で使っている。)

JRF2018/7/16530

……。

……。

追記。

その後、EU の著作権新指令案は一旦は否決された。そして、上記 11条と13条について、より正確でわかりやすい記事が出た。

《ネットの自由と著作権はもっとうまく両立できる? 物議を醸すEUの著作権新指令案 - ITmedia PC USER》
http://www.itmedia.co.jp/pcuser/articles/1807/08/news013.html

JRF2018/7/201030


問題になっているのは第1章「出版の権利」の第11条「デジタル利用に関する報道出版の保護」と、第2章「オンラインサービスによる保護されたコンテンツの利用」の第13条「ユーザーがアップロードした大量の作品や素材を保存してアクセス可能にする、情報社会サービスプロバイダーによる保護されたコンテンツの利用」の2つ<

JRF2018/7/206920

(…)

第11条は、「Link Tax(リンク税)」と紹介されることもあり、あたかも「リンクを貼っただけで著作権料を払わなくちゃいけないのか」と思わせる報道もありますが、そんな極端なものではありません。

JRF2018/7/203746

(…)

第1項に「加盟国は、加盟国で設立された報道出版社に対し、情報社会サービスプロバイダーによる報道出版物のデジタル利用について、2001/29/EC指令の第2条および第3条第2項に定める権利を付与しなければならない。上の権利は、報道出版物の重要でない部分の利用には適用されない」とあります。(…)「定める権利」というのは、複製権と公衆に利用可能にする権利、です。

JRF2018/7/203903

(…)

ポイントは「重要でない部分の利用には適用されない」ということです。どこが重要でないかは各加盟国が決めることですが、さすがにただのリンクの表示を重要だとする国はないでしょう。要は、ただのリンクではなくて、リンクが「スニペット」(記事のタイトル、サムネイル画像、記事概要など)として表示される場合についての指令です。

JRF2018/7/208890

(…)

例えば、TwitterでITmediaの記事のURLをツイートすると、以下のようにタイトルと短い説明テキスト、画像が1つ、自動的に表示されます。(…)インパクトのある画像が表示されれば、もしかしたら記事に興味を持ってもらえて、タップして記事に飛んできてくれるかも、とメディアは期待します。でも実際にはこのツイートを見ただけでリンク先にわざわざ来てくれる人はそう多くないものです。

JRF2018/7/207233

(…)

メディアは「TwitterやFacebookでタダで記事の宣伝ができているんだから何の文句があるんだ」と思う半面、記事を読みにサイトに来てもらえなければ「TwitterやFacebookを充実させるためにタダでコンテンツを提供しているようなものだ」と思うかもしれません。

JRF2018/7/204701

(…)

リンクが全て1990年代のように青い文字だけになったら、Twitterのタイムラインはだいぶさみしくなります。

JRF2018/7/201767

Twitter や Facebook などの SNS 会社は、ユーザーのためにスニペットにしてわかりやすくしている。青い文字だけのものに比べて、より「読んだ気」にさせているということは基本的にはないと思う。よりユーザーの注意を惹く工夫をしている者が、工夫のゆえに「担税力」を見出されるというのはフェアではないと私は考える。

JRF2018/7/205689

が、しかし、この案にまったく支持する余地がないわけではない。ちょっと前、人工知能による自動要約というのがはやったが、もしスニペットにこの自動要約を用いるといった場合、その自動性に介入したいというのは、私はある程度意味があると思うからだ。この先は、自動要約のようなものがあるという仮定の話を進めていく。

JRF2018/7/209551

もし、自動要約が、SNS 会社にとって有利になるような操作がなされているというのであれば、上で書いた広告に対する支払いのセンでよいと思う。

JRF2018/7/202449

そうではなく、あくまでユーザーのために要約がなされているときは別の考え方が必要になるだろう。この場合、ユーザーは新聞社の記事について、「誰か」に代わりに読んでもらい、自分のために必要な情報をピックアップして要約してもらうことに相当すると考える。この「誰か」が今回の場合 SNS 会社なわけだが、要約の対価として、プライバシー情報などを引き渡すという関係になるか。

JRF2018/7/201207

ただ一方で、SNS の外で、勝手に新聞記事を自分のために要約してブログ記事等に載せ、別の人がそれを読んでいるという場合は、これまでと同じように問題とすべきではない。上の場合が特別なのは、ユーザーのために要約を「委任」する契約的関係があるとみなせるからとするべきだ。そこは厳しく見なければならないと思う。

JRF2018/7/207883

その上で、複数人がある一者に委任して、その一者が複数人にそれぞれに適当な要約を与えるとすると、その受任者が新聞社に一ユーザーとしてサブスクリプションを持っているだけでは不十分で、複数の委任者一人ごとに一サブスクリプションがある状態でなければフェアではないと私は思う。とはいえ、そのサブスクリプションは委任者が新聞社にとって匿名となるように受任者が代理して複数分を取得してもよいだろう。(記事要約サービスは従来から可能で、法令か判例がありそうなものだが…。)

JRF2018/7/203399

ただ、この「要約委任」は引用と区別がしにくく違いが明確でないことをもって、SNS 会社は新聞社と交渉する余地があり、完全なサブスクリプションを常に必要とはしないという契約をしてもよいと考える。

JRF2018/7/202632

上のメタ広告の議論とあわせ、サブスクリプションのない要約委任は著作権侵害であるとするだけで十分だろうか? 上の「常習犯」の議論に似て、一つ一つの記事要約は侵害と言いにくいが、様々なフォローを通じて全体の「引用」で満足して新聞を読んだ気になり、SNS によって記事というより新聞全体の要約を得ているのに相当するとすべきかもしれず、そこの「侵害」は法定すべきかもしれない。そういう意味では、11条そのものでなくてもそのような法理は必要なのかもしれない。

JRF2018/7/201154

「要約委任」を新聞社が認めたとあれば、その時点で、引用の要件の必要性はなくなるだろう。SNS 会社は、サブスクリプションをすでに持ってるユーザーとそうでないユーザーとで別の要約(引用)を表示することも通常の業務の範囲となる。ユーザーが同じリンクなのに別の情報を見ている…自分のみが一方的に不利な情報を見ている…可能性も是認されることになるのではないか? その事実もその理由もわからないままに差別される恐れがある。人工知能がブラックボックス化すればするほどその傾向は強まるだろう。

JRF2018/7/202612

それを防ぐためには、例えば、他者の要約を覗き見れるようにすべきかもしれない。ただ、それは、いろいろな偏向を持つ新聞が市場で買えるということがこれまで担ってきた役割に似ているかもしれない。その点をかえりみると、新聞社はある程度、要約をコントロールしたいと思うのは自然なのかもしれない。新聞社が自動要約から利益を得て満足してしまうのは、新聞のカラーを塗りつぶして SNS 会社の色にするということなのかもしれない。

JRF2018/7/205161

それらの点については、自動要約の他に要約されないスクリーンショット画像などによる引用も(晒し上げる等でなければ)ちゃんと守られる社会でないといけないということぐらいしか私は指摘できない。(画面キャプチャについて最近は [cocolog:89103582] などで言及しているが…。)

JRF2018/7/205384

« 前のひとこと | トップページ | 次のひとこと »

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/93568/66888545

トラックバックのポリシー

他サイトなどからこの記事に自薦された関連記事(トラックバック)はまだありません。

このころのニュース