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クレーメル&アルゲリッチ『バルトーク: ヴァイオリン・ソナタ 第1番 他』を聴く。秋の林で狩衣[かりぎぬ]を着て待ち伏せしていると、後ろをいつの間にか異形のものが通り抜けていた…。 (JRF 9494)
JRF 2019年1月 7日 (月)
最近、バルトークのピアノ曲が良く聴こえた([cocolog:90434449])ので、気になっていたこの CD の海外盤を中古で購入し、聴いてみた。
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バルトークの第1楽章、秋の霧の中の野または林の中で、狩衣[かりぎぬ]を着て待ち伏せしている男の姿が想い浮かぶ。待っている間に後ろをいつの間にか異形のものが通り抜けていたかのような幻想につつまれる。第2楽章は、それを俯瞰[ふかん]的に和紙に絵で写しとったかのよう。この第2楽章のこすれるようなヴァイオリンの音が、今のオーディオだと出にくいようでモヤモヤする。
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第3楽章は、待ち伏せしていた相手か獲物かが現れたのか、それを追い求めることになる。しかし、道が険しいのか獲物が手ごわいのか、足が止まったり進んだりギコチない。
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ヤナーチェクのは、日本の風景を思わせる。えらく和風。第1楽章は夜桜が目に浮かぶ。弦のピッツィカートが、ししおどしの竹の音に聴こえる。第2楽章は、5月にのどかな村に小川が流れるかのよう。第3楽章は、手鞠歌[てまりうた]に悲しい背景が描かれる。第4楽章は、町家の障子から通りを眺めているようすか。全体を通して、うらがなしい。
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メシアンのものは、他のメシアンの曲からの連想になるが、「祈り」の曲なのかな…と思う。ただ、「遊び」だとすれば、上二者の和風のイメージと違い、ヨーロッパの石畳みの階段の上、広場の上でのものを想像する。
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……。
演奏は最高水準のはずで、どれも曲はすばらしく今の私の好きそうな曲と言える。が、申し訳なくも、たぶん私のオーディオのせいで、エッジが心なしか取れて「今一歩」という印象になっており、少し残念。
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Gidon Kremer (vn) & Martha Argerich (pf) 『Bartok: Sonata for Violin and Piano No.1 他』(録音: 1985年・1988年, 発売: Grammophon 1991年)
https://www.amazon.co.jp/dp/B00000E4DO (海外盤・私の持っているほう)
http://www.hmv.co.jp/product/detail/6364564 (国内盤・現在入手困難)
JRF2019/1/73790