cocolog:90801393
私的複製の「強い管理」について。DRM 解除の正規ツールで私的複製を作るときは、所有権への注意はある程度おろそかでよく、それを配る場合、所有権は後から使った分を調べてその分、買ってつじつまを合わせればいいとし、海賊版ツールを使った場合は、配るときに配る分必要としてはどうだろう? (JRF 4244)
JRF 2019年3月11日 (月)
↑は「上の記事」といって参照していく。なお、この記事の補足が [cocolog:90720537] にあり、このひとことはそれに追記することも考えたが、長くなったので独立した「ひとこと」にした。
JRF2019/3/113343
……。
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まず、「上の記事」でも述べたが海賊版の必要性について、もう少し考えたい。
JRF2019/3/119604
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知的財産の相続ということをまず考えていただきたい。これまで本があれば、それは動産でもほとんど価値がないものとして、相続がなされた。家族にとっていらないものとなることが多く、ブックオフなどに売られる現状があるかもしれないが、ひとまずは財産として相続されていたのである。
それが、DRM のついた電子書籍などの場合、個人個人でアカウントがわけられ、(現状多くの場合、)デフォルトでは相続がなされなくなった。これが問題である。
JRF2019/3/119085
相続は名義書き換えを必要とする。分割して相続する場合は、複数の名義に別のものを渡すことになる。分割相続を可能にするということは、実質、他者への譲渡を可能にするということだ(参: [cocolog:70803146])。中古売買を禁じたい著作権者側はこれを容易には許さないだろう。
JRF2019/3/118426
一方、ストレージの大容量化により、これまでのような著作物なら、多くの著作物が容易に遺[のこ]りうるようになっている。これは相続の視点からはプラスである。ここは活かさねばならない。
JRF2019/3/118498
難しい相続に対し、一度、相続されたら大量のデータが残りうる。ただ、そのデータが DRM 業者のサービス終了や絶版により読めなくなっていては意味がない。一度、読めたデータは「上の記事」に書いたように社会的共有財産なのである。これを守らねばならない。
JRF2019/3/113578
絶版などがなされた場合、これまでは中古の流通に頼ることができた。DRM はそれも難しくしている。そのような場合、所有権を移転するとともに DRM をはずした「海賊版」的データを渡すか、DRM をはずしたデータに再度 DRM をかけて貸し出してもらうか…が、将来的な対応となろう。こういったことを行えるようにするよう、「海賊版」的データを所有者が平穏に保持できるようにしようというのも「上の記事」の目的だった。
JRF2019/3/117011
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相続については、私的継承にできるだけ他者が介入しないのを是とする。社会的共有財産を豊かにするためである。そのような継承者は、家系から一人、大卒者でも出ればいいとする。所有権が不明なものも含めて大量に相続できるからである。
継承の際に DRM などを介して、著作権者が介入することは望ましくないが、介入の程度が軽い場合は、検討の余地があるかもしれない。継承者がサービスのため著作権者に連絡するのを妨げない…という程度のことはあっていい。
JRF2019/3/115964
ただ、DRM という仕組みは素人から見て強力であり、その許可を得ることが強制されると大変なことになる。DRM は数多くのものにかかっているため、その許可を一律に求めるとあまりにも支払いが過大となるおそれがある。これを牽制できなければ「介入の程度を軽」くすることはできない。
牽制のためには技術的保護手段の回避も特に初期は海賊版のようなものに頼ることになろう。遠い将来、DRM サービス責任者が実質いなくなった場合も海賊版的なものにまずは頼ることになるだろう。
JRF2019/3/118714
「海賊版」という響きは善意取得を否定しそうな響きである。だからこそ逆に、そのようなものが、不意に継承者に渡ったとき、消させないよう法・倫理を確立しておく必要がある。相続が難しいのをせっかく相続できたのだから。社会的共有財産を豊かにするためのチャンスをうまく活用すべきだから。
JRF2019/3/112285
持っている「資産」に価値があると思わせために流通を禁じることは、ある程度、あってかまわないが、実質的な罪を負わせるべきでなく、一度、流通したら消させないようにしたい。
ただ、著作権者の許可を受けたものは一定の範囲で有利にしたい。これは後述するファミコン ROM に関する例で、十分かどうかはわからないが一定の考慮はする。これにより逆に、許可のための請求が禁止的に過大になるのが防げるだろう。
JRF2019/3/117667
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FANZA などには、ストリーミングでなく DRM がかかっているファイルを一旦ダウンロードして、それを専用ビューワーで見るものがある。こういったものについて、DRM 解除キーが不法に配られる可能性がある。不意なサービス終了後などに備え、それを手に入れられるときに手に入れてはいけないだろうか?
JRF2019/3/116463
DRM解除のための情報の流通規制として専門家間にそれを限ることはありえる。ただ、コンピュータはその道の専門家でなくても自動化しうるところに強みがある。コンピュータの専門でなくても、責任の付与さえあれば自由で良いのではないか。危険物取扱というよりは、資料整理に関する資格で十分とすべきだろう。上で、家系から一人、大卒者でも出ればいいとする…と書いたところとつながる。
JRF2019/3/116832
どこかで手に入れた解除キーを使うよりも海賊版を手に入れるほうが、技術的に容易である場合も多いだろう。文系の大卒者程度でもデータを保存するのを認めるのだから、技術についてはあまり期待できず、海賊版のダウンロードを好む者も出るかもしれない。海賊版はひと山、ふた山と言った単位で手に入るため、所有権のあるデータを含みながらも、所有権がないものも同時に手に入ることがあるかもしれない。通常では残りにくい大事なデータが、海賊版があったがゆえに、大容量ストレージに残っているようなこともあるかもしれない。P2P ファイル共有の正当化根拠はこの辺りにもあったのだろう。
JRF2019/3/114013
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人がかけたものでしかない DRM の回避のためだけに競争を促すのは不毛だし、逆に強い DRM を探り続けるのも不毛だと私は考えるため、その辺りを「不正競争防止法」で封じるのは理解できる(参: [cocolog:89103582])。むしろ、弱い DRM で十分なように法を整え、将来、何かあれば行政が解除できるよう促したほうが良いと私は考える。
JRF2019/3/118939
強い DRM には強く課税するまたは↓で書いた私的複製保証制度のための補償金を払わせることも必要だろう。
《消費者保護としての私的複製の骨抜き案に反対する》
http://jrf.cocolog-nifty.com/society/2007/11/post_1.html
JRF2019/3/114305
一方で、弱い DRM で十分なようにするためには、海賊版を禁じたり、DRM 解除のための情報の流通を禁じたりできないといけない。ただ、それはそれとして、実態的には、ある程度、そういうものも流通できるような穴も欲しいのである。上で書いたように、私的継承にできるだけ介入しないのを是とする…から。
JRF2019/3/113766
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DRM を使う著作権者側を未来に対するどういう罪で告発すればいいだろう?
まず、ユーザーが期待してよい本の機能(貸出・相続など)を使えなくした、損壊したということで器物損壊が考えられる。ただ、これは「期待できる権利・機能」についてまで器物とは普通は考えないのが問題になる。
JRF2019/3/113246
「知る権利」の侵害あたりも言えそうだが、政治的な「罪」で仮に賠償を問えたとしても刑法上の罪ではなく、また、本来の「知る権利」は政治的な情報に関するもので、マンガや小説などについてもそれが問えるかとなるとあやしい。
JRF2019/3/112863
「上の記事」では、>未購入の者にもそれを(有償であっても)いずれ視聴できるよう開かれているということが、社会の共有財産<…と述べた。社会的共有財産を不法占拠してその利用を阻んでいるという見建てはできるかもしれない。ただ不法占拠そのものの罪というものはなく、住居侵入罪等が使えるわけではない。あえて言えば、できることを阻んでいるのだから、業務妨害罪を挙げられるが、偽計でも威力でもなく、一般ユーザーの購入期待については業務性もあやしい。
JRF2019/3/119499
あとは、「上の記事」に似た論理で、そのような取引を強要されたという強要罪、期待すべき義務を行ったからという背任罪、占拠自体は合法でも他人の得るべき利益をむさぼったという横領罪あたりが、原理的には考えられるが、実際の罪とするにはあまりにも弱い。
JRF2019/3/115546
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右派的な見地にあえて立ってみよう。
国家に都合の悪い本を出回らせないようにする。…というのは過去あった。現在では憲法で検閲の禁止があったり、その方向には一定の歯止めがあるが、この先、戦争があったり、憲法改訂などがあれば、どうなるかはわからない。
JRF2019/3/110285
しかし、もしそういうことがしたいということであっても、海賊版のダウンロードを法的に認めながらも、ブロッキング等で国を締める形にすれば、十分、実効あるようにできるだろう。私的領域にある PC の中まで管理することは不可能ではないかもしれないが、そこで完璧を期し資源を割くのは、効率的ではあるまい。
JRF2019/3/115155
海賊版などがネット以外の環境には存在しうるとすることで、ネットにつながっている PC をすべて支配下に置くような無茶な検閲・無謀な財政的支出に歯止めがかかるだろう。
JRF2019/3/112401
国家が検閲しようとするのとはある意味逆に、国際ネット企業から発展した者が、国家を攻撃してくるという形に近いことも遠い未来にはありえるかもしれない。その場合、文化を PC 上で、またはネット接続外で守ることが、国を守ることになる。その備えを現在、疎かにするのは、あのころ国を売ったと評価されることになるかもしれない。海賊版との関わりをある程度今から・その必要がない今からでも整備して民間防衛を期すのは意味があることと私は思う。
JRF2019/3/116624
その備えがあることで、国際ネット企業が安易にその方向にいくのにも歯止めがかかるかもしれない。
JRF2019/3/112043
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ここからはブックマークしたことを中心に見ていく。
JRF2019/3/119741
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はてなブックマーク - 《DL違法化「必要な議論尽くされた」「バランスの取れた内容」…文化庁の説明資料入手 - 弁護士ドットコム》
https://www.bengo4.com/internet/n_9306/
jrf:>>著作権法が目的とする「文化の発展」は、適法な著作物の流通を前提<。前提でなく法の結果、文化の発展に寄与することが求められる。適法な範囲で十分な文化の発展を目指すために適法の範囲を狭めすぎてはいけない。< 2019/02/28
JRF2019/3/118359
こういうのを「トートロジー」って言う人もるのだが、私は言わない。記号論理学を専攻したこともある私にとって「トートロジー」とは「恒真式」のことで、それは「意味のないこと」ではなく「意義深いこと」。上のような場合は、だから、ちゃんとロジカルに反駁しなければならないと考えてしまう。
…と、これはこの「ひとこと」のトピックには関係のないことだった。
JRF2019/3/117334
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《ダウンロード違法化の対象範囲の見直しに関する意見として|お知らせ|一般社団法人コンテンツ海外流通促進機構CODA》
http://www.coda-cj.jp/news/detail.php?id=186
jrf:>一見害しない場合でも海賊版業者の利益となる場合があるから、それが海賊行為を助長することも言わないと。その反論としては、その利益をみすみす許すのも不当に利益を害するとし、許さない管理をすればよいとする< 2019/02/28
JRF2019/3/113365
jrf:>でも海賊版業者にまったく「支払い」をしないタダ乗りも(海賊業者に対する)小さな海賊行為か…。利益をむさぼらせないようにはしても、コスト分が出るぐらいはいいのかな? 難しい。合法的将来への距離感の問題か。< 2019/03/01
JRF2019/3/117994
「上の記事」にあるように私は所有権を持っていれる場合または公正な場合は海賊版をダウンロードしてもいいとしたい。それを「不当に害する場合」としたときの差は、こういうところ…海賊行為を助長することも不当に害するに含めるようなところ…に現れる。それを私の側に寄せるには、海賊業者の利益をみすみす許すのも不当に利益を害するとし、許さない「管理」をすればよいとすればよいという見建て。
JRF2019/3/110061
「許さない管理」とは、ポップアップ広告を見ないで済むよう有料のウィルス対策ソフトを入れることをだいたい指している。ウィルス対策ソフトがいろいろな交渉を代理してくれないかというのを昔は考えた(例えば [cocolog:72808649])。海賊にもタダ乗りをしない…というのは、ダウンロードのためにお金を払うことまで想定している。そこも、ある程度、是にしないとそれはそれでフェアじゃないかな…と思って。
JRF2019/3/113896
私は海賊版のチャンネル自体はそれほど悪くないと考えている。合法に事業をするようになったからと言って悲しまないが、何か「こと」があれば昔を思い出して海賊的行動を(影で)とってくれることを期待してしまう。だから、他の論者と違って、海賊業者が存続できるのは意味があると考えている。存続した上で、合法なところに落ち着くほうが良いとは思うが。
JRF2019/3/119547
ダウンロードをある程度犯罪化し、逮捕者も出るようになれば、それなりの萎縮というか効果は限定的でも抑制はされると私は思う。そうすればアップロード側もマスを相手にできなくなり、つぶれるか、合法化しようとするところが出てくるのではないか。
JRF2019/3/113769
……。
《「ダウンロード違法化の対象範囲」の具体的制度設計のあり方について - 明治大学知的財産法政策研究所 (PDF)》
http://www.kisc.meiji.ac.jp/~ip/_src/sc1465/20190219seido.pdf
jrf:>>当該有償著作物等の提供又は提示により著作権者等の得ることが見込まれる利益が不当に害されることとなる場合に限る<。これだと upload が違法ならその時点で不当に害されているので所有権ありでもDLが犯罪と読める。< 2019/03/03
JRF2019/3/112551
《「ダウンロード違法化の対象範囲の見直し」 に関する自由民主党文部科学部会・知的財産戦略調査会合同会議(平成31年2月22日)配布資料の検証レポート | 明治大学知的財産法政策研究所 部会資料検証WG》
http://www.kisc.meiji.ac.jp/~ip/20190303kensyou1.pdf
jrf:> >海賊版のダウンロードのような著作権者に深刻な経済的打撃<。Upload が深刻なのはそう。でもDLはそれほどの悪でないという意見も昔は広くあり闘争があった。所有者でも私的複製除外はしかたないが刑法犯は慎重にすべき< 2019/03/03
JRF2019/3/113274
「海賊版のダウンロード」ならすべて犯罪だとしたい強い意志を感じ、いや、公正な場合、許すべき場合もありうる…ということを主張したいためにブクマした。明治大学知的財産法政策研究所はユーザーの側に立っているという体裁だが、私は「それほどでもないぞ」と感じたのだった。
JRF2019/3/114081
実体のある本の場合、通常は、海賊版を買って利益に貢献したからと言って共犯とはされない。(禁制品を手に入れたがゆえに違法とされることはありうるが。)正規品が買われなくなるのが問題であって、そこを解決しているなら、むしろ、歴史的資料として残るように手に入れさせたほうがいい。
JRF2019/3/117794
DRM をかけるのにはコストがかかる。それをかけてでも儲かるからかけるわけだが、ユーザーは DRM に価値を見出すことは現状ではできない。
海賊版を定価以上で手に入れるような状況は、自由に手に入れられないから起こるため、それだけで公正と考えられる。「自由」のために必要だからこそ金を払っている。
JRF2019/3/114164
新品所有権に金を払いながら海賊版も手に入れる場合、DRM はコスト高のはずのため、海賊版を手に入れるのに、本来の価値以上に払っているとみなせる。「自由」のためにリスクを払っているのだ。
だから、所有権を持ちながらの海賊版のダウンロードは犯罪とすべきではない。
JRF2019/3/115434
所有権が買われているなら、著者の心配は、不注意などで再アップロードされないか、海賊の存続に手を貸していないか…であろう。そこは少し後述する。ダウンロードが違法な状況で数が減るのになおやっているなら、所有権を持っている者のみが残っているのかもしれず、合法的サービスへの可能性があるのかもしれない。
JRF2019/3/119164
ちなみに、私は「所有者」であること強調するが、その言葉は「ブルジョワ」という言葉を連想させるかもしれない。その点で、私は、時代認識が古く、少し身分制に親和的なのかもしれない…。
JRF2019/3/117723
……。
《【ご意見募集】海賊版漫画DL、刑事罰は重いのか?|筒井 恒(日本経済新聞社社会部)》
https://comemo.nikkei.com/n/n4421167d14c6
jrf:>犯罪とするなら、明白な海賊版のDLは不当に害すると推定して逮捕までいくのはやむをえない。が、所有等害しない証明があれば即釈放されるべき。逮捕・PCの押収は重大なので、それを経ずに証明できる手続きが欲しい。< 2019/03/04
JRF2019/3/113529
逮捕の単純な否定は、探知の強化につながる。警察の紹介で、ユーザーの知らないところで、電子書籍業者などが情報を警察に渡すのを是とすることになる。むしろ、逮捕もやむなしとした上で、そういう情報の渡し方をさせないほうがいいんだということを明確にすべきだ。その上で、プライバシーの侵害がひど過ぎるということで、手続きを整えたほうがいいというのが、私の主張だ。
JRF2019/3/115887
逮捕の前に警察からまず照会させる。他であれば証拠隠滅のおそれがあるとするところだが、電子書籍などの場合は、あとで買ってツジツマをあわせても誰かが損をするわけではなく、そうさせることが著作者の利益になる。だからそうさせる。その上でダウンロードできるもののハッシュを提出させたり、デジカメで画面を映しただけのものの提出させたりすればいいだろう。デジカメは捏造の危険があるが、デジカメで映させた画面に捏造がないかだけ、警察に電子書籍業者へ照会を許すのはかまわないだろう。ユーザーが知っていることが担保された状況でなされるそのほうが何倍もマシだ。
JRF2019/3/112969
……。
《ダウンロード違法化の対象範囲の見直しについての意見(詳細版) - 明治大学知的財産法政策研究所 (PDF)》
http://www.kisc.meiji.ac.jp/~ip/20190304ikensyosai.pdf
jrf:>所有権があっても upload が違法なら不当と読めないよう30条1項全体に「…場合で不当に害するまたは不注意なときを除き」とできないか。119条3項、他の条文と文が変わるが「利益が「受信により」不当に」とできないか。< 2019/03/06
先に 119条3項について。例えば、次のようにする。
JRF2019/3/119868
>第百十九条第三項(案) 第三十条第一項に定める私的使用の目的をもつて、著作物又は実演等(著作権又は著作隣接権の目的となつているものに限る。)であつて有償で公衆に提供され、又は提示されているもの(その提供又は提示が著作権又は著作隣接権を侵害しないものに限る。以下「有償著作物等」という。)の著作権を侵害する自動公衆送信のうち原作のまま行われるもの又は著作隣接権を侵害する送信可能化に係る自動公衆送信(国外で行われる自動公衆送信であつて、国内で行われたとしたならば著作権の侵害となるべきもの又は著作隣接権の侵害となるべき送信可能化に係るものを含む。)のうち
JRF2019/3/115175
(…)
原作のまま行われるものを受信して行うデジタル方式の複製であり、かつ、当該有償著作物等の種類及び用途、当該複製の態様及び使用目的その他の事情に照らして、当該有償著作物等の提供又は提示により著作権者等の得ることが見込まれる利益が受信により不当に害されることとなる複製(以下この条において「有償著作物等特定侵害複製」という。)を、自ら有償著作物等特定侵害複製であることを知りながら行つて著作権又は著作隣接権を侵害する行為を継続的に又は反復して行つた者は、二年以下の懲役若しくは二百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
<
JRF2019/3/116730
はてブに書いたように、明治大学知的財産法政策研究所の案のままだとアップロードが違法ならその時点で不当に害されているので所有権があってもダウンロードが犯罪と読める。それを封じるには「受信により」という文を挿入するだけでよい。
JRF2019/3/116868
次に30条1項について。例えば、次のようにすれば良い。
>第三十条第一項(案) 著作権の目的となつている著作物(以下この款において単に「著作物」という。)は、個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用すること(以下「私的使用」という。)を目的とするときは、次に掲げる場合で権利者等の利益を不当に害さないとき、または、不注意なときを除き、その使用する者が複製することができる。
<
JRF2019/3/114290
注意も不法行為をしないこともデフォルトの第30条でも求められている。「不注意」や「不当に害しない」はそれを超えたところを求めているとしたい。
これらを語る例として、ファミコンの ROM の吸い出しをして、それをミニスーファミに入れて遊べるようにしたものを配ることを考える。
JRF2019/3/118042
ROM について、公式エミュレータがサービスしだしたとしよう。この場合、PC でエミュレータを使うことは「不当」とまでは言えないかもしれないが「利益を害する」となるかもしれない。自分で ROM を吸い出したも場合、利益を害するような形態となっても「不当」でないことは明らかなので、使用を続行できる。海賊版をダウンロードしていた場合は、謙抑的なユーザーは「不当」かもしれないとして、ダメだと判断すべきとなる。
JRF2019/3/110656
ただし、海賊版をダウンロードしていた場合も、[cocolog:89631025] のように高齢者が、公式エミュレータの操作は難しくて使えないが、ミニスーファミならば使えるという場合は、利益を害するとは言えないので OK となりうるとする。
JRF2019/3/119586
「不当に害する」は以上、次に「不注意」について。
「上の記事」や [cocolog:90720537] では「応分の管理」より「強い管理」を求めているが、不注意でないというのはそのあたりの管理を求めるということである。
そして、ファミコン ROM の吸い出しについても考えよう。この点、レトロゲームの経済について考えた([cocolog:89675814])ことと矛盾しないようにしたい。
JRF2019/3/111026
まず、一旦トピックから離れる。紙のコピーは他人のためにやってよいだろう。特に所有権がある場合はそうで、なくてもある程度はかまわない。ある意味、所有権についてあまり注意してなくてよいからそういうことができるとここでは解釈する。
JRF2019/3/110308
それを敷衍して、ROM を自分で吹い出せる(者に依頼した)者は、ミニスーファミに ROM を入れて配るとき、所有権は後からつじつまをあわせればいいとする。つまり、まず、ROM を入れておいて、その利用実態の報告をなるたけすみやかに受けてそれに応じて実 ROM の所有権を実売分買えばいいとする。
JRF2019/3/110886
通常を超える「注意」を必要とする海賊版ダウンロードだった場合は、配るときに所有権に注意し、実 ROM の所有権が配るとき配る分だけ背後にないといけないとする。
…としてはどうだろう?
JRF2019/3/116101
この「ひとこと」のはじめのほうで、DRM 解除ツールなど「著作権者の許可を受けたものは一定の範囲で有利にしたい」と述べた。
DRM 解除の正規ツールを使って私的複製を作るときは、その所有権への注意はある程度おろそかでよく、それを再度 DRM を付けて配るなどした場合、所有権は後から使った分を調べてその分、買ってつじつまを合わせればいいとする。DRM 解除に海賊版ツールを使った場合は、配るときにその分だけ所有権が足りてないといけないとする。
JRF2019/3/117654
こうすることで、許可を受けたものが有利になるし、有利になり具合が限定されるため許可に無茶な支払いが要求されることもなくなるものと私は考える。
JRF2019/3/113501
……。
↓という記事を書いたが、それの続き。主に、その記事のあと、はてなブックマーク(はてブ)したことを中心にここでは、ひとことしていく。
《受託者責任と違法ダウンロード拡大》
http://jrf.cocolog-nifty.com/society/2019/02/post.html
JRF2019/3/115357