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cocolog:90957873

キット・アームストロング(pf)『バッハ、リゲティ、アームストロング』を聴く。祈りと美の中道を誠実に行く。 (JRF 0233)

JRF 2019年5月 2日 (木)

Kit Armstrong (pf)『Bach Ligeti Armstrong』(録音: 2013年, 発売: Sony 2013年)
https://www.amazon.co.jp/dp/B00DBQ0EYW
http://www.hmv.co.jp/product/detail/5474881

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少し前に [cocolog:90712129] で、2009年のキット・アームストロング&シャイーの『バッハ: ピアノ協奏曲 第1番』の演奏([aboutme:113523])に言及した。そのとき、ググって調べたところ、キット・アームストロングが 2013年にバッハのピアノのアルバムを出していることを初めて知った。とりいそぎ購入。

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入っている曲は、バッハのコラールのピアノへの編曲と、パルティアータ 第1番 (BMW825) と、Ligeti の小品と、アームストロング自身が作曲した現代的な曲になる。

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……。

私の今のオーディオ([cocolog:88958063])には、イコライザー的設定として、PM.Bass ON と Direct ON の設定がある。PM.Bass ON は低音を強調していて、Direct ON はできるだけそのままの音を出すという設定。とはいうものの、PM.Bass ON のほうが私は自然に聴こえ、普段はそちらで聴いている。

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例外的に、ピアノ曲や合唱曲で、Direct ON のほうがよい CD がいくつかあるのだが、今回の CD もそれにあたる。

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高音や低音を強調してキラビヤカさを出すような演奏ではなく、中音に音をまとめている印象がある。ゴシック装飾的なものはなくし、かと言ってグールドのような20世紀的わかりやすいメリハリということもなく、太い木の柱と白壁でできた教会のような、誠実な雰囲気で通す。

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リヒターのような祈りを第一にして、それを追及していればやがて美もそこにある…というのとは少し違うように思う。祈りと美の違いはあるとして、しかし、その中道をいくような演奏のように感じた。

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曲としては、バッハは、期待していたコラールよりもパルティアータ 第1番のほうがわかりやすい深みがあって良いと思った。リゲティは聴きやすいが、演奏はしにくそう。アームストロングの曲は、難しいが美しいと思った。この CD の良いアクセントになっていると思う。

JRF2019/5/23206

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