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オペラ『ヴェルディ:リゴレット』『プッチーニ:蝶々夫人』『サン=サーンス:サムソンとデリラ』『ヴェルディ:椿姫』『モーツァルト:後宮からの誘拐』『R.シュトラウス:ばらの騎士』を観た。イッセルシュテットのベト8、五嶋みどりのヒンデミット、ゴルデラーゼのカプースチンのCDを聴いた。 (JRF 5765)

JRF 2021年4月15日 (木)

3月から4月にかけてオペラを観たり CD を聴いたり、放送の公演を観たりした。それを「グローバル共有メモ」に感想…というには短いメモを書いていたのを、この「ひとこと」にコピペしておく。

これ以前にも、このところ、『ワーグナー:ニーベルングの指環』([cocolog:92239059])や、『ドビュッシー: ペレアスとメリザンド』など([cocolog:92288097]) や、バレエ『ストラヴィンスキー:火の鳥・春の祭典』([cocolog:92619030])を観ていた。

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なお、『ヴェルディ:リゴレット』はメディア違いの再視聴、『R.シュトラウス:ばらの騎士』は演奏が別のものを視聴している。

あと、上の題には書かなかったが、「再放送」されたファビオ・ルイージ&N響の『ベートーヴェン: 交響曲 第7番』には感銘を受けた。

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○ 2021-03-22T10:20:24Z

NHK BS P プレミアムシアター『ミラノ・スカラ座2020/2021シーズン 開幕ガラ公演』を途中から少し観たんだが、背景のスクリーンが高精細なテレビ・どでかいテレビのようだった。

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あれって、ディスプレイを曲げられる技術とかで、デカいディスプレイを運べるようになったからできた…とかそういうことだったんだろうか。プロジェクションマッピングのころは、いまいち見栄えが良くないと思っていたが、この巨大テレビはキレイで明るくとてもよかった。おそらく平面でなく立体でもディスプレイを構成できるだろうが、プロジェクションマッピングより見栄え良くいろいろできそう。まぁ、無理に構造を作らず、平面のほうが、小規模の実験を大きくできたり、工夫を積み上げることができてよいのかもしれないが。

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背景が透明になるディスプレイとかあったけど、あれも舞台で石像とかを表示したりするのにはいいんだろうな。

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○ 2021-03-27T09:04:28Z

シャイー指揮ウィーン・フィル&ポネル演出『ヴェルディ: 歌劇「リゴレット」』(制作: 映像 1982年 音楽 1981年) を再び観た。

前(2020年12月)は、[cocolog:92619030] に書き残したように 2010年2月ぐらいに LD (LaserDisc) を PC のキャプチャカードを使って DVD-R に自分でダビングしたものだったが、今回は 2021年3月25日になる深夜に NHK BS プレミアムで放送があったのを3倍で録画したもの。

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3倍で録画したものにもかかわらず、映像・音声とも圧倒的に良かった。最近聴いた DVD と比較しても大きく違いがあり、映像・音声とも圧倒的に良かった。低音も良く歌に迫力があった。

やはりブルーレイ品質は伊達ではないのだな…と痛感した。…というより、きっと私のオーディオがそういうのに敏感なんだと思う。きっと、そういうのに敏感じゃないほうが…つまりいわゆる「ハイレゾ」じゃないほうが… CD とかが良く聴こえるのではないかとか思った。

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オペラ自体の感想については、[cocolog:92619030] で書いたのと変わらず、とにかく胸糞悪い話で、そこにすばらしい音楽がついている…といったところ。

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○ 2021-03-27T13:44:28Z

ポネル演出カラヤン指揮ウィーン・フィル『プッチーニ: 歌劇「蝶々夫人」』(制作: 1974年) の NHK BS プレミアム 放送を録画で観た。

とりあえず、叔父の僧侶が出てきたシーンで爆笑するしかなかった。ここで爆笑できる特権は日本人のもので、日本人で良かったと感じることができる。まぁ、その他の小物も合わせて「本物」にし過ぎない配慮もあるのだろうが。

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さて、「現地妻」という言葉がなくなって得をするのは誰か、「master」という言葉がなくなって得をするのは誰なのか、日本語の「主人」と「master」を同じ言葉として意味をずらすことで得をするのは誰なのか、なくそうとしている側は私より頭が良い人・若い人ばかりなので、わかっていてやっているのだろう。それをなくそうとするのが仲間を売ろうとしているように見る人がいるのもわかって、逆にそれでも得られる信頼が大きいと計算できているだろう。そう見る人の周囲からどう見えるかも当然わかって、なくそうとしているのだから、一部の人にとって大変屈辱的なことだというのもわかっているはずだ。

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もちろん、信用しあうことは大切で、なくそうとする人が信頼する人は実際信用できる人だが、その人が信用を得ようとしている(あなたでない)相手方も当然いる(もちろん、その相手方にもその上の相手方がいる)。そして賢い若い人達はそれをわかってついて行っているのだろう。「民主党」かなんかは知らないが、「食い込ん」でいるといってもその実態は知れたものだが、それでもかまわないだろう。この先の時代が恐ろしい限りだ。

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物語は、先の「リゴレット」と同じく胸糞悪いものだが、「リゴレット」のジルダに何のキズがなかったのと対称的に、蝶々さんには蝶々さん側の問題が描かれているのが、人間理解が深まったのか、潔くなくなったのか…。

蝶々さんの思い込みの激しさは、没落から来ているだろうことで責められないものだが、その性格的問題以上に問題なのが、子供ができたことを領事にも知らせてなかったことだろう。蝶々さん側は、最後の切り札として、切り札を使わなくても「支援」が得られるものとして、取っておいたということかもしれないが。

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最後、死んで憂いをなくすのが、どう虚飾をほどこしても、都合がよい。それが蝶々さんの問題を許すのにつながる構図にもなっているのだろう。

第3幕で糊塗されない、第2幕で感じていたものを、日本人はこの作品を観るとき忘れてはならないだろう。

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○ 2021-03-28T14:08:06Z

レヴァイン指揮 モシンスキー演出 メトロポリタン歌劇場『サン=サーンス: 歌劇「サムソンとデリラ」』(収録: グラモフォン 1998年, 発売: ユニバーサル クラシックス&ジャズ 2009年・2020年) の DVD を観た。

プラシド・ドミンゴがサムソンで、彼のメトロポリタン歌劇場出演30周年の記念公演でもあったらしい。

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レヴァインが2021年3月9日に死去された。そのニュースを受け、ちょうど貯まっている DVD にレヴァインのものが多いので、追悼にでも何か観ようとして選んだのがこの DVD。ただ、私は特にオペラについては演奏のよさとかよくわからないので、その辺りには言及しない。

物語は、『旧約聖書 士師記』に基づく。聖書は、概ねサムソンのヘブライ人側から見た物語なのだが、復讐のため男をさかしらに騙した女性が、(別の)神の怒りに触れる…というデリラの単純な物語のほうが元型に近く、それが聖書に取り込まれたのかな…と思えた。

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有名なデリラの「あなたの声に私の心も開く」の歌は、あんな文脈で歌われるものだったんだね。おそろしい。

ちなみに、第一幕、デリラ登場時のスレンダーな長い黒髪の美少女達が収穫のために歩いてきて踊るシーンが、私のツボだった。そこが大変良かった。

あと特筆すべきは、これまでの DVD と比べて 1998年の比較的新しい録音ということもあって、音が良かった。もちろん映像もクリアだったが、音が良いのが何よりすばらしかった。指揮のおかげもあるのかもしれないが。

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○ 2021-03-29T14:25:27Z

ショルティ指揮 エア演出 コヴェント・ガーデン・ロイヤル・オペラ・ハウス 『ヴェルディ: 歌劇「椿姫」』(制作: Decca・BBC 1994年, 発売: ユニバーサル クラシックス&ジャズ 2008年・2020年) の DVD を観た。

主役ヴィオレッタのアンジェラ・ゲオルギューの美しい顏・姿・声が一番の観どころ。第2幕第2場の黒いドレス姿が私にはとても美しく観えた。

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物語も、悲劇ではあるが、このところ観た『リゴレット』や『蝶々夫人』と違って救いがある。もっとも、最後の再会が朦朧としたなかでの妄想だとしたら目もあてられないが。(今回の演出は少なくともそのようなものではなかった。)

あと、妹の結婚相手が体裁を気にしているから、父が別れろと迫ったことになっているが、それで別れてしまうのは、納得いかなかった。まぁ、現代的な感覚かもしれないが。

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お金が足りないという描写は、高い家賃をヴィオレッタが払っていたことに田舎者のアルフレードが気付かなかったとかなんだろうか? でも、アルフレードもある程度パリで生活していたはずでわからないはずはない。そしてそれをすぐに取り戻せるというアルフレードの仕事はなんだったんだろう?…と物語外のことが少し気になった。

演奏のよしあしについては私は判断基準を持たないが、とにかく知ってる名曲のオンパレードで、大変満足できた。

音・映像の質は98年の『サムソンとデリラ』に比べ、明らかに劣るものだが、87年の『トゥーランドット』に比べればマシだった。

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○ 2021-03-30T13:57:09Z

ハンス・シュミット=イッセルシュテット指揮 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団『ベートーヴェン: 交響曲 第7番・第8番』(日本盤, 録音: Decca 1968年・1969年, 発売: ユニバーサル クラシック&ジャズ 2001年) の CD を聴いた。

第8番の評価の高い CD で、第8番が好きな私はそれを目あてに買った。

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ただ、2月にオーディオを更新して、その設定が十分かどうかわからない段階。しかしながら、そろそろ CD を聴いても良いかと思い、聴いてみた。

新しい CD を聴くときのいつも通りに、まずは、母の部屋の ジャパネットたかた で買ったテレビ台付きスピーカー(CAV ジャパン THRF-90) に Xbox 360 を CD プレイヤーとしてつないで聴き、次に、自分の部屋の YAMAHA CD-S300 + A-S501 + NS-B330 で聴いてみた。

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チェロの黒さや分かりやすさでは、母の部屋のほうが良く感じる…慣れているせいもあるだろう。が、迫力や深みは 私の部屋のほうが良く、負けてないので、ひとまず一安心。

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演奏については、第7番は、低音に注意して聴いたからか低音がしっかり入っていてイイと思った。それに比べて第8番は低音は弱いが、テンポの取り方がゆっくりめでわかりやすく、特に第3楽章のつながりがとてもスムーズで、良いと思った。第4楽章も最初は、トスカニーニとかの迫力ある演奏に負けるな…とか思ったが、最後は、丁寧な処理で、これはこれですばらしいと感じた。(ただ、この感想は、母の部屋で聴いたものを元にしていて、私の部屋のものだとまだ比較できる感じじゃない。)

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今回は、新しい CD 視聴の復帰第一段で、曲からイメージがわくようなことはなかったが、この先は、調子が戻ってくると信じたい。

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○ 2021-04-09T14:35:36Z

ベーム指揮 エファーディング演出 バイエルン国立歌劇場『モーツァルト: 歌劇「後宮からの誘拐」』(制作: グラモフォン 1980年, 発売: ユニバーサル クラシックス&ジャズ 2009年・2020年) の DVD を観た。

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グルベローヴァのコンスタンツェは、悲しみや反抗の歌が印象的で、以前聴いた『リゴレット』のジルダに比べて魅力的でなかった。対称的にグリストのブロンデは、かわいくよくない境遇にもかかわらず陽気で、よい役だと思った。男性陣では何といってもタルヴェラのオスミンがわかりやすい悪役と低音で良かった。

物語は、女性の操が守られたとか破るとかに関心が強くそれはどうなの…と思うのと、パシャ・セリムの重要な役がセリフで語られるのみ…とあって、オペラとしてはあまりドラマティックではないな…と感じた。

歌が長めなのは鑑賞するにはわかりやすいな…とは思った。

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○ 2021-04-12T04:51:15Z

五嶋みどり&エッシェンバッハ指揮北ドイツ放送交響楽団『パウル・ヒンデミット 作品集』(輸入盤, 録音: 2011年・2012年, 発売: Ondine 2013) の CD を聴いた。

これまで、ヒンデミットは断片的でわけがわからなく不安だけど、不思議な魅力のある曲を作るというのが私の印象。

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しかし、今回、最初の『ウェーバーの主題による交響的変容』は、まとまりのあるメロディーに不穏な響きがあるという印象で、それはウェーバーの主題によるのかと思っていたら、CD 全体を通してそういう印象になった。

不穏さは第二次大戦をはさむからだと理解するのだが、その不穏な響きがだんだん楽しくなってくるから驚いた。「弱者男性」である自分の中にある「希望は戦争」(by 赤木智弘)みたいなものなのかとも思ったが、少し違う。原初的な感情のように思った。

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演奏家の影響もあるのかも。きっと旧世代の演奏家に比べて、新世代のほうがヒンデミット的感情を自らによく統合できてる…ということがあるのかもしれない。

この CD は低音がしっかり入って迫力があるのに、いかがわしい響きもあり、アルプス山脈にニューヨークの高層ビルとネオンがあるかのようなイメージが浮かんだ。

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○ 2021-04-12T06:58:32Z

昨日(2021年4月11日)放送の『クラシック音楽館』。2008年のファビオ・ルイージ指揮N響『ベートーヴェン: 交響曲 第7番』。熱かった。

3.11東日本大震災前の映像…。熱い裏には厳しさがある。震災後は通ってた一本の筋が抜けてしまった気がする。微妙に心ここにあらず…というか、以前のように全体を信じ切れず、どうしても個人のことが・子供のことが気になってしまう感じ。

JRF2021/4/153603

まぁ、気のせいか。気のせいだな。今もN響は高い水準にある。

気のせいでないのは、私の心の問題。私は震災後に変わってしまった。エリートが逃げ腰な気がするようになってしまった。

JRF2021/4/151892

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○ 2021-04-14T19:58:15Z

メータ指揮 ヘラー演出 ベルリン国立歌劇場『R.シュトラウス: 歌劇「ばらの騎士」』(収録: 2020年2月, 放送: 2021年4月11日 NHK BS P)を録画して観た。

1月に C.クライバー の 1979年の「ばらの騎士」を観ていた。それと比べるとオックス男爵のセリフが変わっていたりして、音楽が付いてるのにどうしてそういうことができるのだろう…とは思った。

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物語は、やはりオックス男爵に感情移入しがち…というか、そのできの悪そうな息子が私の父に対する私みたいに思えて申し訳なくなる。

オクタヴィアンとゾフィーのその後を考えると、ゾフィーは元帥夫人ほどの権力をもたないだろうか、淋しい生活を送るようになるのだろう…子ができれば違うかな…といったところ。オクタヴィアンは、時代がそのままなら浮気をするのだろうが、貴族に厳しくなる社会の中で、どのように生きるつもりなのか…とは思った。

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あと、さすがに録音は C.クライバーのころにくらべてすばらしい。私のオーディオは録音に敏感なようで問題があるのだが、今回は、かなりイイ音で聴けたのが、私のオーディオ熱をさますには良い感じ。

さて、ここからはオペラとは関係ない話。

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これは NHK BS プレミアムの「プレミアムシアター」枠での放送。この1年くらい「クラシック音楽館」は聴くようになっていたのだが、5時間の「プレミアムシアター」まで手を出すとさすがに時間がなくなると思い、手を出していなかった。

しかし、このところオペラをいくつかみて興味が出ていたのと、番組改変で、NHK交響楽団の演奏のいくつかが「クラシック音楽館」ではなく「プレミアムシアター」でしか聴きけなくなることがあって、試しに「プレミアムシアター」を観てみようとしたのであった。

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ただ、やはり時間がつぶれる。今後は、N響のものなど興味のあるもののみ観て、あとは流し聴きする感じにしようかと考えている。

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○ 2021-04-14T23:41:10Z

カテリーネ・ゴルデラーゼ『カプースチン: 8つの演奏会用練習曲/24の前奏曲』(録音: 2010年2月, 発売: NAXOS 2011年) の CD を聴く。

きっかけは、2020年10月4日 NHK Eテレ放送の『クラシック音楽館』で取り上げられた川上昌裕のピアノによるカプースチンの追悼特集が良かったから。

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この CD の曲は、作曲者自身の演奏も出ているが、こっちのほうがかなり安くお得なのでこちらを買った。

CD を聴いたイメージとしては、現代の昼のヨーロッパの街並みが浮かぶ。アメリカでも近代でもなく。ウィーンやパリよりは、それ以外の都市の何でもない風景。NHK BS 1 などで放送される『ヨーロッパ トラムの旅』の映像がピッタリくる感じ。そしていろいろカッコイイ。

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西洋音楽は、『ジョプリン: ジ・エンターテイナー』のような流れも取り込んで発展していくんだなぁ…と、少し上から目線だけど、感心した。

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