cocolog:92689279
未発表のものに著作権を適用する話には違和感がある。著作権は公表による商業性の確保が核にあり、商業性の利用の意図なく、証拠のためになされる他者の公表などは、著作権の守備範囲外で、報道的価値以前の自衛権的に認められるものではないのか…と思う。DRM 課税の提案も兼ねて…。 (JRF 6105)
JRF 2021年4月17日 (土)
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○ 2021-04-15T11:39:10Z
ちょっと前の文春の件もそうだけど、未発表のものに著作権法を使うのは筋違いな気がする。例えば著作権法第3条・第4条に反しているのでは?…と思う。業務妨害系の法を必要なら作るべきだ。そして一定の時間が経てば当然業務妨害ではなくなるという構成にするべきだ。どうしても一定の期間以上保護したいなら、十分な「税」を取るべきだ。
JRF2021/4/178861
《懲戒請求書公表は「著作権侵害」 ゴーン被告の元弁護人敗訴 東京地裁 - 産経ニュース》
https://www.sankei.com/affairs/news/210414/afr2104140020-n1.html
JRF2021/4/170231
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具体的に「税」を取るとは、一つは、私が以前から主張している DRM 課税がありうる。コピーやキャプチャを禁じてるなら国に税を払う。[cocolog:89103582] では米軍でも払うことを想定していた。当然、アナログで課税逃れができないようにコピー等を禁じる紙の内部文書も税を支払う必要がある。税務当局は内部文書がどれぐらいあるかで大雑把に課税するが、デジタル管理のほうが税が安くなるようにすべきだろう。
JRF2021/4/177127
もう一つは国が取る税ではなく、個人への支払い。秘密保持契約にはそれなりの報酬がないといけない。特に私が法定までしなければならないと思うのは、公益による秘密開示は当然として、その際に秘密保持報酬の返還が必要だとしても、それを一定期間(一年ぐらい)を遡っては請求できないようにすること。なぜなら、秘密を保持していた全期間とすると、上に書いたように税を払えば秘密保持を延長できることから、かなりの高額になってしまう可能性があるから。
JRF2021/4/171062
まぁ、もっと詰めるべき点はあるかもしれないが…。
JRF2021/4/177580
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↑のように考えたのだが、そもそも未発表のものにも著作権があるという意見がはてなブックマークにあった。
そこで次のメモになる。
JRF2021/4/174258
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○ 2021-04-17T00:41:45Z
未発表のものに著作権法を使うのは筋違いな気がする。…と書いたが、私の認識不足だったようだ。
はてなブックマーク - 《懲戒請求書公表は「著作権侵害」 ゴーン被告の元弁護人敗訴 東京地裁 - 産経ニュース》
https://www.sankei.com/affairs/news/210414/afr2104140020-n1.html
JRF2021/4/173543
nakex1:>プライバシー権侵害を否定して著作権侵害を認定。被害が大きいのは実名公表のほうに思われるが。懲戒請求の理由の公開には一定の公益性はあるが全文はやりすぎ?/ 公表するかどうか自体が著作者の権利(18条)< 2021/04/16
JRF2021/4/177782
それについて私は↓とコメントを書いたが…。
>いや、18条はあくまで誰にでも公表する権利があることを示すところに意義があり、公表の意図のない物の「著作物」としての保護まではうたっていないと考える。確かに未公表物は全てすでに著作物であるとは読めるが。<
JRF2021/4/173222
しかし、改めてググってみると、未公表物を著作物とみなすのは定説のようだ。なにより引用の要件(32条)に「公表された著作物」という概念があるのが決め手といえる。
はてなブックマーク - 《未公表資料の利用(2010年7月号) 著作権Q&A|公募/コンテスト情報誌 月刊公募ガイド》
https://www.koubo.co.jp/chosakuken/201007.html
JRF2021/4/176251
jrf:>なるほど。「公表された著作物」とそれ以外の区別があるのか。懲戒請求などは思想を表現したものだから著作物で、公表は基本的にコントロールできるが、あとは公益性・報道価値があれば別の判断がありうるくらいか< 2021/04/17
JRF2021/4/173632
私の認識不足だったようだ。
ただ、今回は懲戒請求だから良かったものの、数値や契約書とかならどうなのか。やはり業務妨害系の法は必要なように思う。また、著作権法 第3 or 4条も意味があるから、公表する意図が将来に渡ってもないものを、商業性などがある著作物として利用するのではなく、何らかの証拠として公表する場合は、それだけで公益性が少しはあり、そこに著作者人格権を強く認めるのはおかしな話だとも思う。
JRF2021/4/175487
あと、上では懲戒請求に思想を表現したものと私は認めたが、本当はこれはかなりあやしく、契約書のたぐいなのではないか。完全な契約書的なものじゃなくても、それと浅い公益性とのあわせわざで「一本」とできるのではないか。
JRF2021/4/175230
また、公表されてない手紙の「引用」がたとえば公表されてない著作物…日記などでなされた場合、問題となるとは思えないし、問題とされるべきではない。アクセス数の少ないブログなどは公表されてない日記に準ずる可能性があるともできるかもしれない。アクセス数がある程度増えた時点で、公表をやめれば、問題はないとできるかもしれない。…とか思った。今回のは違う感じだが。
JRF2021/4/176925
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ここで強調したい…というか、時間を使って考えたのは、>著作権法 第3 or 4条も意味があるから、公表する意図が将来に渡ってもないものを、商業性などがある著作物として利用するのではなく、何らかの証拠として公表する場合は、それだけで公益性が少しはあり、そこに著作者人格権を強く認めるのはおかしな話だとも思う。<…という点。
JRF2021/4/178835
まず、第3 or 4条に関しては私に誤解があった。あくまで第3条は「発行」について、第4条は「公表」について定めたものであり、発表を著作物の要件とする記述ではなかった。ここはお詫びして訂正したい。ブックマークコメントもみっともなくも訂正した。
JRF2021/4/171076
その上で、しかし、著作権は公表による商業性の確保が核にあり、商業性の利用の意図なく、証拠のためになされる他者のものの公表などは、著作権の守備範囲外で、著作権法 第41条にあるような「報道」的価値以前の自衛権的に認められるものではないのか…と思う。
つまり、「証拠の開示」であって、著作物の利用ではない。…ということはあるのではないか。…と私は思う。
JRF2021/4/172622
で、この視点に立って、最近話題の文春の事件について。
《文春の五輪開会式企画報道に関する著作権法関連の論点(栗原潔) - 個人 - Yahoo!ニュース》
https://news.yahoo.co.jp/byline/kuriharakiyoshi/20210403-00230757/
>週刊文春および文春オンラインの記事において東京五輪の開会式・閉会式の演出内容の一部が公表されたことについて、組織委が厳重抗議し、記事削除や書籍の回収を求めたことは周知と思います<
JRF2021/4/171918
これについて、はてなブックマークをしようとしたものの、一旦してみて何度も書きなおすはめになってしまった。
まず、公表されていない物だからとして、先の間違った論理で著作権法 第3 or 4条を適用しようとがんばった。
しかし、いずれオリンピックで公表しようとしていたもので、先の懲戒請求とは違うとなった。
JRF2021/4/175222
次に、開会式の内容そのものを使って商業展開する意図がなく、また、開会式の作家本人の意図に反するとは言いがたい…というところから攻めようとしたが、しかし、開会式だからこそ文春は商業的利用の可能性があると判断したのだし、作家個人は別としても団体としての作家性において、それを公表するかどうかの権利はあるかと思いなおした。
そこで次のようなブックマークをした。
JRF2021/4/174879
jrf:>何らかの証拠として公表されていて公益性が高く、著作者人格権を強く認めるのはおかしいと思う。ただ、微妙なズレがあるものの、著作物の商業的価値を利用し、団体的「作家性」を貶めている…と一応はいえるのか。< 2021/04/17
JRF2021/4/179859
結局は、先の「証拠の開示」または今度は「報道の公益性」も使えるとなるか…といったところと思う。
個人的には「証拠の開示」の特別性が認められて欲しいが、難しいかもしれない。
それ以前に、これまでの私の混乱からわかるように、私の理解が全々足りてない可能性も十分にある。
…ということで、ググってここに来た人などは、できれば、ご自分で考えるなり本物の専門家に相談するなりしていただきたい。ここの私の意見は「フェイク」ではないが、無価値のものであることは認めざるをえない。
JRF2021/4/177758
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あと、蛇足的に、上とは関係ないが、著作権と DRM に関して、「グローバル共有メモ」で少し前につぶやいたことを二つコピペしておく。
あと、参照のためのキーワードとして…。
keyword: DRM 課税
JRF2021/4/174362
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○ 2021-03-29T05:50:04Z
電子書籍のスクリーンショットや動画のキャプチャ(録画)を可能にしてくれという話。FANZA とかだと、アプリではスクショが取れず、Web 版だと取れるみたいになってる。
JRF2021/4/179872
なぜアプリでもスクショを可能にすべきかというと、何か問題があって、Web 版が即時 BAN せざるを得ないとなっても、ダウンロードしたアプリ版までは BAN できないということはありうる。そして BAN されたのだから、アプリ版もあぶないということで、全部のスクリーンショットがしたいとなったときにできないというのはやめて欲しいから。アプリで観れても BAN された以上、おそらく今のままだと相続もできなくなるから。
JRF2021/4/176175
違法アップロードを禁じて誰がわざわざ全部のスクリーンショットをして、後世に残そうとするのかと疑問があるかもしれないが、上のようなことができれば、BAN されたときにわずかなスキをついて全部のスクリーンショットをする者が現れうる。自動で全部のスクリーンショットができるのは禁止してよい。しかし、一ページずつのスクリーンショットを全部のページに行うというのは技術がなくても可にして欲しい。BAN されるようなものを後世に残そうという人間は多くなく、せっかく現れた奇特な者を技術がないという理由だけで排除するのは正しくない。
JRF2021/4/174831
いつの日か大量 BAN がなされるかもしれない。そのときでも後世にわずかながらも資料が残るようにしておくことこそ、民主主義的な構えとして今やっておくべきことではないか。
JRF2021/4/171159
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○ 2021-01-17T10:29:08Z
アップロードの規制がどこまでも強くなり、DRM に法の網がかからないよりは、ブロッキングを認めて、それらに対策を打つ方がいい。ヒドイやつをブロッキングできるという前提にたてば、SNS へのスクリーンショット・1週間以内の放送のキャプチャ動画のアップロードを認めることもできるだろう。
JRF2021/4/179886
ストリーミングとダウンロードを分ける議論(確か小倉秀夫 弁護士とかがそうだったと思う)からボタンの掛け違いが生じていると思う。技術的にストリーミングというものができて、それを活かす必要があったんだと思うが、しかし、ストリーミングは録画しても問題ないという立場を守ることが Sony VTR 訴訟の Sony をかかえた日本がやるべきことだったのだと思う。それをやらなかったことで日本という国が世界の消費者から信用をなくした面もあったのではないか。
JRF2021/4/177583
ストリーミングの DRM を有効にしたいという誘惑は、軍事情報がらみでは欲されると思うが、すでにビデオカメラがある社会では、むしろそれはおかしな強制とならざるを得ない。軍事では PC への移動時に制限をかけることも可能であるように、PC 内で禁じることも不可能ではないのだから、「ダウンロード」「キャプチャ」を禁じることに実質的な意味はない。
JRF2021/4/171190
ストリーミングは帯域の確保が容易であるなどの技術的特性にうったえるべきであったのであって、法的にダウンロードと分けるべきではなかったと私は思う。ストリーミングが実際にはほとんど録画されなくなるとしても、その判断はユーザーにまかせるべきであった。(流出対策は必要になるが、ウィルス対策ソフトを入れるぐらいで十分となるべきであろう。)
JRF2021/4/172881
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追記。
「証拠としての開示」は、第42条なのかな。「裁判手続のために必要と認められる場合」とまでは言えないかもしれないが、自分に正義があることの証拠としてなされるものは、公開が許されるべきように思う。「著作権者の利益」を害するかもしれないが、「不当に」ではない…と。
でも、やっぱり著作物を「著作物として利用」するわけではないのなら、許されるべきという直感があるなぁ。
JRF2021/4/174157
作家の手紙を価値があるからといって公表するのが「利用」にあたる…というところで争うつもりはない。しかし、ごく個人の手紙について、その一部を「紹介」するのが、剽窃等にあたるかというと違うと思う。それは「証拠としての開示」でなく、良いから「紹介」というのでも。
それに対して、権利を主張するのは「権利濫用」で済むのかもしれないが、それではやはり落ち着かない。「公正利用」のようなものが欲しいところである。
JRF2021/4/171499
第32条の引用が「公表」されたものに限られているのが、それは「利用」すらしてもよいということを示すことにある。…「公表」されていないものについては何も言っていない…プロトコルが定義できるはずもないし、「利用」に満たないものについても何も言っていない…「ことづて」を紹介することについては「本を読む」などの「使用」に近く問題ない…と私は考えたい。
JRF2021/4/179933
逆に当然あるべきこのような公表されてない著作物に対する引用の規定がないことから、そのような「引用」は当然できる…と解するか、できないと解するかは決まっていない…と考えることもできるのかもしれない。
JRF2021/4/172648
「グローバル共有メモ」に書いたことから。
JRF2021/4/171861