cocolog:92784154
図書館がゲーム ROM を収集し、その ROM を吸い出したものに DRM を付けて所蔵数量分だけ貸し出したりできないものか。 (JRF 8482)
JRF 2021年5月31日 (月)
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キッカケは、著作権法の改正。
《改正著作権法が成立:図書館関係の権利制限規定の見直し等 | カレントアウェアネス・ポータル》
https://current.ndl.go.jp/node/44070
これに次のようにコメントした。
JRF2021/5/311597
○ 2021-05-26T11:11:27Z
これを解釈して、図書館が DRM で保護された電子書籍等をキャプチャしてそれを保管し、必要に応じて紙のコピーや再電子書籍化したものを貸し出せる…補償金さえ払えば…となったならよいのだが。他に必要なものは何?
JRF2021/5/312467
図書館から電子書籍のマンガを貸し出す…とかはいらない…または、電子書籍をスマホで見るより「利用料・補償金」を高く払う必要がある…でいいと思う。が、これまで以上にマンガなどのこれまで図書館では避けられてきた書籍もデータとして「保管」するようになって欲しい。著者の地方には必ずデータが残るとかになって欲しい。
JRF2021/5/312848
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今回の改正前からも、おそらく DRM がかかったもののキャプチャも「公表された著作物の一部分」であるから対象にはできると思われる。複製という枠で一人につき一部コピーみたいなことは普通の図書館でもできるが、改正後も、再 DRM 化は、国会図書館しかできないように読める。再 DRM 化されたものの送信自体は、特定図書館でもできるようだが。(特定図書館は「公衆送信に関する業務を適正に実施するために必要な措置を講じた」もの。)
JRF2021/5/313207
ただ、基本は、本の一部で、政令で定められたもののみ全部が可能という建て付けなので、残念ながら、私が望んだものとは微妙に違うのものようである。個々の図書館の判断で、任意の本を、電子化して所蔵する冊数分だけ再 DRM 化して貸し出す…みたいなことにはかなり遠そうだ。そういうことをわざわざ国会図書館の絶版等資料について定めるということは、他の図書館が一般の図書で今やれば違法である可能性が高いのかな…とは思うが難しい。
JRF2021/5/316897
あと微妙な問題として、国会図書館から流れてきたものを受信装置で受け取る者から料金を取っていはいけない…というのは、この先、ネックになるかもしれない。
JRF2021/5/312976
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まぁ、それはそれとして、ここ以降では、「私が望んだもの」を前提として話を進める。
マンガの貸し出しはいらない…と書いたが、あってもよく、もう少し考えて、ゲームの貸し出しもアリではないかと考えた。
そして次のメモになる。
JRF2021/5/318111
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○ 2021-05-28T14:45:09Z
図書館がゲーム ROM を収集し、その ROM を吸い出したものに DRM を付けて所蔵数量分だけ貸し出し、専用(?)のエミュレータで実行できるようにする。…とかできないものか。エミュレータと DRM を含めたフレームワークがオープンソースで作られてたらいいのに。
JRF2021/5/310862
昔、「貸出アフィリエイト」というのを考えたことがある。貸出アフィリエイトは、貸出された物の再生のあとに購入を促す宣伝などを表示するなどして、それが購入につながれば、その利益の一部を貸主にキックバックするというものである。[cocolog:89675814] とかでも紹介しているが。
「貸出アフィリエイト」ってできる気配がないから、図書館での貸し出しができないか…と思う。
JRF2021/5/319580
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keyword: 貸出アフィリエイト
よさそうなアイデアなので、詰めて考えてみる。連投。
JRF2021/5/314668
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○ 2021-05-29T16:24:39Z
貸出アフィリエイトはアフィリエイト自体がオワコンで広まりそうもないけど、DRM 付きのレトロゲームの「貸し出し」は Project Egg とかで実現している。でも、それには問題があって、中古でゲームが出回ってゲームができるよりは、そういうのができなくなるほうが DRM 商売にはうまみがある…ということ。中古のアーカイブを大事にしたいという方向とは合致しない可能性がある。
JRF2021/5/317082
そこで、収蔵数=貸出数となるような図書館のほうがアーカイブの充実という方向にはプラスなのかな…と思う。Project Egg とかは独占配信を目指しがちで、サービスがなくなるとヤバイのに対し、オープンソースで図書館だと、複数館が別のシステムを使って、どこかには残るという可能性が出てくるから。
JRF2021/5/312810
図書館の DRM は強固なものにするより、見透しの良いものにすることができる。Project Egg とかだと、DRM が解かれたら大きな問題になるが、図書館の場合は、そこからさらにアップロードされなければ、サービスができなくなって困るみたいなことはないから。だから、サービス終了時、暗号化されたデータだけが残る状態から、復活させやすいのではなかろうか。
JRF2021/5/312208
サービスをいろいろなところで失敗があっても復活・継続できるようオープンソースであることが望ましいが、オープンソース性が十分なくてもよいかもしれない。OS の Virtual Machine みたいなものをオープンソースで作りながら、エミュレータは非オープンソースでみたいなことも可能かもしれない。 Virtual Machine で DRM の暗号を解いてエミュレータに渡す…みたいな。Virtual Machine の一時ファイル形式は秘密なので(暗号化されてるので)、弱いがいちおう DRM になってる。…みたいな感じができればいいのになぁ…。(夢想)
JRF2021/5/311563
ただ、エミュレータがなぁ…。ファミコンとかの時代はいいんだが、Xbox とかの時代になると、かなり苦しい感じだし、未来になんとかなるレベルのものなのか? PS4 時代になれば、アップデートの配信が残ってなければ意味ないとかもあるわけで…。スマホだと、まったくデータが残ってないとかもある。
JRF2021/5/315618
その辺の映像をキャプチャして残す…とか、YouTube とかで「違法」にアップされたキャプチャ映像とかを、国の図書館とかが集めておく…ぐらいしかできない…ってことなのかな…。それも法律ではできるようにはなってるんだろうか、予算がつくようにはなってるんだろうか?
JRF2021/5/311875
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○ 2021-05-30T04:04:36Z
Virtual Machine ほど本格的なものはいらないか。ePSXe で異なる ROM 形式を読み込むプラグインとかあるけど、ああいうので、DRM の暗号化されたファイルをプロセス間通信を通じて読みこむものがあればいいんだろうな。
エミュレータアプリ作成者と契約し、プロセス間通信を許すパスワードをアプリ作者に発行し、それを使ってプロセス間通信する。アプリ作者に渡すパスワードと、暗号化されたファイルごとのパスワードは別で、その両者を結びつけるソフトがバックグラウンドにある感じ。
JRF2021/5/319138
もちろん、動的リンクのプラグインだと、そのプラグインだけを使って ROM の吸い出しが簡単にできるから静的リンクとかにはしてもらうけど、その程度で、前書いたようにそれ以上に強い暗号化は必要ないと思う。ただ、吸い出しソフトとかが広まれば、一旦、アプリ作者に渡したパスワードは BAN し、パスワードを発行しなおす。…とかするのだろう。
個人的には、専門家が時間をかければ吸い出せるぐらいの強度のほうが、アーカイブとして拡散して残る意味があっていいかな…とすら思う。
JRF2021/5/311694
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○ 2021-05-30T16:00:32Z
民間が所蔵にもとづく貸し出しのサービスができるというとき、個人もそれができるはずである。有料での貸し出しが簡単にできるなら、過当競争になりやすい。また、なぜたいてい安い中古を個人が買うのではなく、わざわざ借りるのか…が問題となる。吸い出しなどの技術が難しいから買わないのだ…とすると、中古で買う意味がなくなり、やがて中古市場がなりたたなくなり、アーカイブとしての市場がなくなる懸念がある。さらに著者へのキックバックが難しく、それゆえにエミュレータなどが理解されないという問題もある。
JRF2021/5/313252
それに対して図書館の貸し出しでは、公的収蔵に特別な意味を見出せる。過当競争の心配がない。公的収蔵がある安心感から借り、借りた結果、気に入って安い中古を買うという流れを想定できる。補償金も設けやすく、アーカイブだということでゲーム産業も納得しやすく、エミュレータを誰が買うか…という問いに主に図書館(国・地方)と答えられる。まぁ、そこまで予算が付けられるかの問題はあるが。
JRF2021/5/312247
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補償金は、DRM を付ける過程で、配信類似行為を行うので、それが私的複製を超える公衆送信権の侵害にあたるから、払う…という感じになるのだろうか。
だとすると、一般の図書の再 DRM 化貸し出しの際も、補償金がいるという建て付けになるかもしれないなぁ…。
JRF2021/5/316861
修正 「送信自体は、特定図書館でもできるようだが。」→「送信自体は、特定図書館でもできるようだが。(←この辺り間違い。追記した。)」
JRF2021/5/313172
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追記。
見過ごしていて私にはさきほど改正案から読み取れなかったが、次のようなことが可能になっているらしい。
《令和3年著作権法改正と見え始めた潮流。 - 企業法務戦士の雑感 ~Season2~》
https://k-houmu-sensi2005.hatenablog.com/entry/2021/05/28/233000
JRF2021/5/318643
>「図書館関係の権利制限見直し」においては、これまで限定的ながら無許諾での公衆送信が認められていた「絶版等資料」*2に加えて、通常の「公表された著作物」についても、一定の要件の下でその全部又は一部についての無許諾での公衆送信が認められることとなった(新31条2項)。(*2:なお、ここで公衆送信が認められる範囲も今回の改正で大幅に拡大されている。)<
JRF2021/5/315822
私は新旧対照法案を最初のほうだけ読んで特定図書館に関する部分を読めてなかった。
どうも、著作権者の利益を不当に外しない範囲で、公衆送信ができることから、特定図書館であれば再 DRM 化(「任意の本を、電子化」)が可能で、利益を不当に害しないよう「所蔵する冊数分だけ貸し出す」…ことも不可能ではないように見える。補償金等いろいろ条件はあるが。
JRF2021/5/319223
(直近の知的財産に関する「ひとこと」は、[cocolog:92747538]、[cocolog:92777748])
「グローバル共有メモ」で書いたことのコピペを中心に。
JRF2021/5/318290