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cocolog:93224725

スクリーンショットによる「引用」が引用と認められず、発信者情報開示の請求が通るという「事件」があった。判決文にある当該 Tweet を読むとヒドイやり取りがなされており、これに開示請求が通るのには違和感が強い。が、それをおいて、引用について考える。 (JRF 2076)

JRF 2022年1月 1日 (土)

この件を知る発端となったのは↓のブログ。そこに判決文へのリンクもある。

《スクリーンショットによるツイート引用は著作権侵害との判決(栗原潔) - 個人 - Yahoo!ニュース》
https://news.yahoo.co.jp/byline/kuriharakiyoshi/20211229-00274965

JRF2022/1/10538

判決文を読んで思ったのは、当該 Tweet を読んでのやり取りのヒドさ。喧嘩両成敗をよしとすれば、これに開示請求が通るのには違和感が強い。誰かも書いていたが、濫訴としてしりぞけても良かったのではないか。ただ、それをおいて考えていこう。

JRF2022/1/15794

……。

○ 2021-12-30T00:17:24Z

被告が Twitter 社だけであれば Twitter の規約に沿う判決を求めた被告の適格性の問題とできるが、NTT ドコモも絡んでいるとなるとどう考えるべきなのか…。プロバイダに開示の際、被開示者の忠実義務のようなものが必要なのか。でも、そもそも裁判官もおかしいか。

Twitter 社は引用に関する規約違反を理由に削除したり最悪 BAN したりできるかもしれないが、規約を理由にプライバシーを開示する自由までは与えるべきではないのではないか。

JRF2022/1/15247

そして Twitter 社が必ず規約違反の引用を削除するような運用をしていないかぎり、合理的な期待があり、Twitter 内でもスクリーンショットによる引用は公正な慣行と認められる余地があるのではないか。URL がなくてもユーザー名があればほぼ出所は明示されてるし、多くの Tweet の中の一つなら主従もあるし。

Twitter の外なら、引用元が Twitter 内であることが明示され、あとユーザー名と日付があれば出所明示はクリアされ、他の要件が満たされればスクリーンショットによる引用は当然認められるべきである。

JRF2022/1/11878

……。

……。

「裁判官もおかしいか」は読み方によってはちょっと言い過ぎの面がある。補足しておくと、これは、はてなブックマークへの投稿が元になっており、かなり文字数に制限がある中書いたもので、こういう強い表現になってしまった。もう少しくだくと「今回は裁判官の判断にも疑問はある」…程度のことである。

上では多くの Tweet の一つなので主従はある…と論じているが、実は、判決ではそれを否定する部分もあり、そこも私は納得のいかないところである。

JRF2022/1/10825

……。

[cocolog:92067609] では、Twitter 社がやはり被告となり、発信者情報開示がなされた例がある。

[cocolog:92067609]
>Twitter社による自動的なトリミングが著作権同一性保持権侵害とされ、それをリツートしただけの者も、侵害があるとする最高裁判決があった。侵害していても責任がない者については、発信者情報開示から除外し、被侵害者のために代替手段を設けるようプロバイダ責任制限法を改めるべきだろう。<

JRF2022/1/18849


どうすればリツイート者の利益がはかられたか…というのを考えると、メールアドレスの開示がなされる替わりの手段があればよかったのではないか…と考えた。

そのような代替手段をやらせる…というのは、ブクマで書いた>プロバイダ責任制限法において、侵害情報の発信者に責任がないとき被侵害者がそれでも権利回復ができるよう、発信者情報開示に替わる人的仲介または代替的通知手段を提供しなければならない。…などと法改正<するという方向だと思う。

JRF2022/1/16263

そのためには、Twitter社をリツイート者が訴えて勝ち、何がしかの賠償を得た上で、その賠償を免責するために、プロバイダ責任制限法を上のように改める…という流れが、思い浮かぶ。

JRF2022/1/11776

今回の例も、やはり、発信者情報ではない別の「人的仲介または代替的通知手段」があるべきだったという印象はそれはそれである。

あと、今回の重要な注意点として、著作権侵害で損害賠償が確定したというのではなく、あくまで発信者情報の開示がなされたに留まるという点がある。発信者情報の開示については緩めの侵害認定がある…という可能性もなきにしもあらずといったところ。

JRF2022/1/12061

……。

……。

○ 2021-12-31T03:01:43Z

Tweet のスクリーンショットが公正な引用と認められなかった件。少し考えを改める。

すでに訂正したミスをあげつらうなど名誉毀損に近いものがある場合などは、「公序良俗に反する」なり「公正でない」と判断する余地が、SNS の場合、印刷物に比べて広い…受忍限度が狭いのではいか。…と。

JRF2022/1/14161

もちろん、スクショでさらされても名誉を毀損するというよりはおもしろいミスがあったという程度で、受忍すべき場合も多いように思うし、どんなミスもむしろ一定程度は証拠保全されるべきだ。

ただ、SNS は勢いが大事で、過去のことを多く詮索されにくいことがその価値となっている部分もある程度は認めないといけない。一方、完全クローズドな SNS を選ぶこともできたのだから、公開した責任はある程度ある。そこで受忍限度を狭くする程度の運用が適当ではないかと考えた。

JRF2022/1/15856

……。

……。

ただし、上の名誉毀損の話は判決文を読むかぎり今回の件にあてはまるわけではない。

JRF2022/1/13215

……。

あと、[cocolog:92777748] で Twitter と引用に関する議論をしている。

[cocolog:92777748]
>「無断転載」は通知を受けて公開停止すれば錯誤の取消しで問題なくなるのではないか。慣習による日本法的 Notice and TakeDown 的なもの…。<

>引用であるが、ここでは引用の要件をキッチリ満たしてはいないと仮定しよう。その上で、著作権法 第41条 時事の事件の報道のための利用 と、第42条 裁判手続等における複製 (参: [cocolog:92689279])を主張する余地がありうる。<

JRF2022/1/10387

また、そこでは、>「ログインしないと閲覧できない」「イラストに報酬を出している」「サイトが削除の代行をしている」<…の三条件のいずれかを満たさないと、報道的・証拠保全的・引用的な「無断転載」が一般に認められるべきと考えている。

JRF2022/1/19861

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