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cocolog:93683700

中立進化で広まっている主因となる遺伝子が、副因の遺伝子(変異)が現れることで有用になるというシナリオを考える。主因は、中立進化なので、それがあることが害(死産)になりにくい。まず副因が、そして主因が、形質重畳になっていく…。 (JRF 3064)

JRF 2022年8月19日 (金)

[cocolog:89358180] で…>突然変異により表現形がいきなり有用になるのは私には信じ難い。とても有利だが死産が多い「陽性変異」と、有利さは自己修復に消されてしまいがちで、有利さが出るかどうかが本質的にランダムであるという「陰性変異」があると考えてみた。<…ことがある。そこを中立進化をもとにちょっと違う考え方をしてみたい。

JRF2022/8/196004

中立進化で広まっている主因となる遺伝子が、副因の遺伝子(変異)が現れることで有用になるというシナリオを考える。主因は、中立進化なので、それがあることが害になりにくいことが確定している。副因は主因を有効にするが、それが害をなすときは副因として発現しにくくもなるのだろう。

JRF2022/8/197947

このような副因が同時に(逐次に)複数出てくることも考えられる。むしろ、そうなることで、主因と副因の組が遺伝子浮動で消えずに生き残りやすくなるのではないか。逆に言えばそうでないと消えがちになる…と。そして、複数の副因は、形質重畳になっていく。

JRF2022/8/193877

一方、主因が消える事態もありえ、これには対応がなされるはずである。個体で主因が消えるような傷があるとそれをカバーできる個体のほうが有利になるため、そういう修復機能がだんだん蓄積し、それが生まれるときに主因がないことも修復できるようになる…ある意味、主因が形質重畳される…というのは、原始的な生物ではありうるだろうが、動物クラスになると、一般的な遺伝子修復の力のほうが強くそういうことは起きにくいはず。

JRF2022/8/197030

動物クラスだと、主因が欠如した個体は不利になるが、それでもカバーできた個体の遺伝子が残りやすくなり、それが主因を持つ個体と再び交尾することで主因を回復する。カバーできる個体の遺伝子が残りやすくなり、そのように主因を回復するまでの期間が長くなるように進化する。…のではないか。

JRF2022/8/197682

ただ、こういったことは最低ちゃんと数理モデルを作って言えなければならない。そしてできれば、フィールドワークや動物実験などで確認して示さないといけない。私にそこまでできるか…という話で、ここで「アイデア」出ししても意味ないよな…とは思う。

JRF2022/8/193285

……。

……。

追記。

○ 2022-08-20T17:36:31Z

中立進化と主因・副因遺伝子の話のつづき。

遺伝子の特定のニュースがしばしばある(例えば↓)が、私の説によればそれが主因遺伝子であった場合は、それが表現型として発現してないことが多いため、その遺伝子があるのに表現型がないものが多数いるはずになる。

JRF2022/8/233356

《小林哲:Twitter:2022-08-19》
https://twitter.com/kbts_sci/status/1560601323305074689
>「英国の15万人以上のDNAデータから、食べ物の好みと遺伝子の関係を調べた興味深い研究。特定の食べ物の好みとリンクする401個の変異が見つかり、魚好きや野菜好きといった特徴に混じって、なぜか「サーモン好き」一点張りの遺伝子変異が見つかる。なんだそれ?とても気になる。

JRF2022/8/235948

https://www.technologynetworks.com/neuroscience/news/a-taste-for-weird-food-may-be-written-in-our-genes-364801#.Yv997Tcl-K9.twitter <

JRF2022/8/232499

副因と主因を組として一つの遺伝子と見た場合、副因が形質重畳を起こしているなら、あれかこれかという選択型の遺伝子組が得られ、その中で共通の遺伝子(主因)があるという話になるだろう(そして主因を取り出しても上で述べたように「特定」にはいたらない)。さらに主因まで形質重畳を起こしていた場合、共通遺伝子がないにもかかわらず、形質が同じという遺伝子組(主因と副因の組)が特定されることになるだろう。そうなっているのだろうか?

JRF2022/8/235483

遺伝子を持っているものが必ず表現型を出し、その表現型を持つものが必ず遺伝子を持つとなっているとすれば、それは私のモデルでは副因を持たないものが死滅した場合に相当するだろう。このとき(ノックアウトによる)主因遺伝子の有無は表現型の有無とほぼ一致しよう。副因がないものはないのだから。ただし、実は副因を特定できればそれをノックアウトすることで、主因があっても表現型のないものはできるはず…ということになる。

JRF2022/8/233134

……。

○ 2022-08-21T08:28:18Z

柄や味覚は、広い部分の遺伝子についてちょっとした変動を「解釈」してそれっぽい表現型にする OS 的なものが発達している…ということではないか。遺伝子的試練は OS 部分を作るときに経ているため、柄や味覚の遺伝子による具体的な変化が他に影響をしない(死産とかをうまない)。

JRF2022/8/234116

主因・副因モデルだと、複数の副因が遺伝子的試練を得て並び立ちそれは「形質重畳」しているといっても試練にはかかりにくいわずかな差があり、それが体調などの差によってどちらの副因の特徴が現れるかが決まる。そのわずかな「体調」の変化をもたらすのが柄や味覚の遺伝子ということになるのではないか?

JRF2022/8/238203

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