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エリザベス・M・フェラリーニ『インフォマニア』を読んだ。アメリカで「パーソナルコンピュータ」と「パソコン通信」がはじまった時代の貴重な一証言だが最後はロマンスでまとめている。レトロPCに興味ある方や、当時を懐かしみたい方にオススメ。 (JRF 4806)

JRF 2023年2月23日 (木)

『インフォマニア』(エリザベス・M・フェラリーニ 著, 竹本 隆 訳, 工学社, 1986年)
https://www.amazon.co.jp/dp/4875930798
https://7net.omni7.jp/detail/1100498430

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原著は、 Elizabeth M. Ferrarini『Confessions of an Infomaniac』(1984)。

「グローバル共有メモ」である方が「Informania」というキーワードを使っていて、ググったときにこの本が出てきたので買って読んでみた。Amazon の解説からは SF のように思っていたが、そうではなく、「パソコン通信」がはじまった時代の貴重な一証言であった。ただ、まったくの史実というよりは、作中の女性の言のように虚実入り交じったものなのだろう。

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著者が主人公であるということになると思うが、著者は、パーソナルコンピュータが出て来る時代に「結婚適齢期」を無為に過ごし、30歳に到達して昔はありがちだった独身女性が働く壁に遭遇して、大学に入り直して、その時期にパソコン通信と出会うというのが、この「物語」のはじまりになる。

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そして、この本の副題は「パソコンで男を求めた女性の全告白」だが、その通り、主に電子メールやチャットで虚実使って欲望のままもときにさらけだして、男との出会いを求めて、(男を狂わせて、) 「炎上」も経験したのち、都合よくロマンスで「物語」をしめくくる。

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当時はそのロマンスが、パソコン通信に数少ない女性を呼び込む役割が期待された面もあるのかもしれないが、今となっては、その時代の証言がとても貴重に思える。レトロなコンピュータに興味のある者や、当時を懐かしみたい方にはオススメできる作品だと思う。

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……。

著者のゴシップなどをからめた軽口には舌をまく。こういう表現力は私にはない。スゴイと思う。思えば、父はゴシップを勉強し、話題作りをしていた。そこを見習うことは私にはもう無理そうだが、そこが私のダメさが今以降も続くだろう理由になろう。

そういう軽口にはちょっと差別的な部分も含まれるかもしれない。こういうのを得意とするタイプの女性は確実にいたものと思われる。最近のポリコレはそういう女性の力を削ぐ意味もあったのかもしれない…とか少し思った。

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