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過去の話だけど、日本の家電はおかしくなった。その遠因は、国家あげての低価格戦略のためどうやっても他の国が日本に輸出したいという状況を想定できず、「国内生産量を理由にした輸入制限」ができなかったからではないか。 (JRF 6122)
JRF 2023年7月27日 (木)
○ 2023-07-26T10:14:56Z
過去の話だけど、日本の家電はおかしくなった。家電が複雑になったという側面はあると思う。基本的な機能はちゃんと動いていて、でも、テレビで売りの BS が映らないとか、レコーダーで DVD-R 焼いた後に電源を切ると失敗するとか、不満があったが使っていた。あの辺、ちゃんとメーカーに苦情をいうべきだったのか。でも、メーカーに苦情をいって、じゃあ、昭和ほどの代替品提供などのサービスとともに修理が受けられるかというとその信用はなくなっていた。そのころから考えて今はもう日本企業は「昔からおかしかった」と言えると思う。
JRF2023/7/273807
○ 2023-07-26T10:26:38Z
グローバルなサービスのために対応を統一的にし個別の修理などにリソースをさけなくなった。量販店で売るので、修理人員みたいなのが育たないみたいなのもあったかもしれない。そしてグローバルな調達で、どうしても品質劣化を包摂し低コストの理由付けをせざるを得なくなったのもあると思う。
JRF2023/7/271491
……。
この原因だが、経済学的には、輸入が国内産業を圧迫するとき、国内全体の価格を下げて利益率を薄くする(輸入した物も引きつれて)というのが日本の戦略で、そうであるがゆえに、どうやっても日本に輸出したいという状況を想定できず、「生産を理由にした輸入制限」ができなかったからではないか。それが家電の製造販売について日本が苦しんだことにつながっているように私は考える。
JRF2023/7/270413
この辺の議論は 「グローバル共有メモ」 >> 2022-05-09T15:55:08Z あたりに書いたことが元となっている。それをここに自由に引用する。
JRF2023/7/276646
「
二国間貿易を考える。「生産などを理由とした輸入制限」の話。
前期の二国の価格差によって今期の輸入量が増減するとする。この枠組みでは、価格が利益に基づき最適化されるが、相手からの輸入量が増えているとき、価格はどう調整されるべきなのか。
JRF2023/7/272782
二通りの逆の考え方がある。一つは、輸入量が増えた結果、その国での生産が圧迫される結果、利益が出にくくなる。そこで、利益を無理矢理出すために価格を上げるというもの。しかし、価格を上げると次期さらに輸入量が増えてしまうという難点がある。
JRF2023/7/278296
そこでもう一つの考え方、逆に、価格を下げる方向が出てくる。輸入量が多いと最適化の際に重み付けして価格を下げる方向に誘導する。しかし、他の分野とバランスを取ることを考えると、他の分野の利益も下げねばならなくなるのではないか。全体の利益の和を大きくするよりも各分野のバランスを取ることを重視することで全体の利益を下げるという方向になるのではないか。そうすると貿易のうまみがなくなる。
JRF2023/7/276518
輸入量のコントロールはどうすればいいのか? 輸入量を増やすところは、国内に進出しそこで輸入量に応じて生産もはじめなければならないとすればバランスが取れるのだろうか? 国内の生産量の sqrt しか輸入できないとかすればいい感じだろうか?
関税と補助金によるコントロールはありうるが、それよりは生産などを理由とした輸入制限のほうが(国によっては)現実的だろう。
JRF2023/7/278744
アメリカのような国はそれで良いとして、日本でそういう生産を理由にした輸入制限ができるのか…というと難しいだろう。
どうして日本は生産を理由にした輸入制限ができないかというと、そこまでして日本に輸出したい国がないうえに、日本が自国で生産できず輸入したいもののほうが多いということだろう。なぜ、そうなったかを問えば、全体の利益を下げる方向というのが先にあるのかもしれないが。
」
JRF2023/7/279886
……。
……。
追記。
○ 2023-07-27T04:02:46Z
「国内生産量を理由にした輸入制限」ができなかった…のは、日本企業も国外生産を増やしてたから…か。どちらかというと。
JRF2023/7/286415
(「グローバル共有メモ」と Twitter に書いたことのコピペを中心に。)
「ビッグモーター」の問題などが報道されて、あまり関係ないが、日本の家電の状況について、私の頭に思い浮かんだことがあった。
JRF2023/7/274775