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cocolog:95054550

楽天Koboライティングライフで作品を出版してもらおうとしたところ、外部リンクがあるために出版できないと言われた。いくらなんでもその慣行はヒドイと思う。 (JRF 6320)

JRF 2024年9月17日 (火)

楽天Koboライティングライフでも作品(EPUB)を出版してもらおうと、ユーザー登録しようとしたところ、そこでまずミソが付いた。

JRF2024/9/173549


○ 2024-09-05T05:41:46Z

楽天 Kobo Writing Life に登録しようと思ったら、国に「日本」または「Japan」が指定できない。また、何度か最初からやりなおしてると英語になったり日本語になったりめちゃくちゃ。Firefox でも Chrome でもダメ。商売やる気あるんだろうか?


カスタマーケアに連絡したところ、プロバイダーが国内か渡航歴があるかと聴かれた上で、どうも特別対応で、国を「日本」に指定できるように案内してもらって、この問題はひとまず解決した。

JRF2024/9/179592

……。

そして意気揚々とかつて作った『道を語り解く』の EPUB を出版してもらおうと登録作業をして、審査を待っていると、出版できないという。それは外部リンクが商品説明や本文にあるからダメなのだという。

私は商品説明の最初に次のような文を付したのでそれが問題かとまず思った。

>(Booth に少しお高い DRM なしバージョンがあります。Kobo の DRM があえて欲しい方向けに Kobo 版をご用意しました。)<

JRF2024/9/175281

そこでこれを削って、

>著者のブログで無料公開中の道徳に関する論考を EPUB 化。無料公開中なので、EPUB で縦書きで読めることの便利さまたは Kobo DRM があることでの権利の明確化を買っていただくビジネスモデルになります。<

…としたが、やっぱりダメ。↓がダメの根拠。

JRF2024/9/170266


残念ながら、お客様の作品『道を語り解く』は次の理由により出版で
きませんでした:

JRF2024/9/176322

【外部サイトリンク・誘導表現】 コンテンツポリシー上、本文および内容紹介欄において下記の表現を禁止しておりますためご修正願います。 ・外部サイトリンク/URLの記載(個人サイト/ブログ/SNSページ/販売サイト/動画サイト/特典ページ/QRコードなどを含む)・外部サイト、特定の連絡先・サービス等への誘導を示唆する表現※法人企業情報(企業連絡先や、販売を主目的としない企業ホームページリンクのみ)につきましては、奥付にご記載いただけます。 当社ヘルプページに詳細や、その他有益な情報を掲載しております

JRF2024/9/173167


https://kobo.faq.rakuten.net/kwl/detail/000001144

JRF2024/9/177898

しかし、例えば、すでに Kobo で売られている Python のプログラミングによる著書などには URL が含まれているはずである。それなのに URLが含まれているということで販売できないというのはおかしい。

仮にリンクが商材へのリンクであったとしても、それは読者もわかってそのリンクをクリックするわけだから。

まして、私がやっているのは、参考文献へのリンクで、それは、出典を明記するという伝統、読者への便宜のために行っているわけである。それは、引用と同じく望まない出版社・著者がいるとしても、書籍という業界の信用のために、皆が守ってきたことだ。

JRF2024/9/178166

楽天がやっていることは、その信用の破壊行為である。URL の敵視はインターネットの利便性全体を下げる意図を持つインターネットの敵対行為に相当すると私は考える。

もし、それが自社のプラットフォームに抱え込むためになされているのだとすれば、著しい独占的地位の濫用(優越的地位の濫用)である。たとえ競合他者と競争しているからといってプラットフォーマーという業種にそのようなことが許されるわけがない。

JRF2024/9/178279

……。

…という旨のことをメールで送ったところ、

>まず、楽天Kobo電子書籍ストアにて販売されている書籍には当サービスを経由してではなく、一般の取次先を経由して出版されているものも多数あり、規約やルール等も異なっております。

取次先経由で出版されている書籍は外部サイトリンクが含まれている書籍もございますが、楽天Koboライティングライフからご出版いただく場合は取次先経由の出版とは異なり、原則、外部サイトリンクの記載はお控えいただいております旨ご了承ください。


…という返信が返ってきた。

JRF2024/9/176536

私の憤りは収まらず、このような文を今書いているわけだが、しかし、しかたがないので、楽天からの出版は諦めることにした。非常に残念だ。今後、楽天のポリシーが変わらない限り、楽天から出版することはないであろう。楽天全体の私の評価は、元々高くなかったが、さらに下がった。日本企業としてがんばってる面もあると最近は評価しかけていたのに…。

JRF2024/9/171425

……。

ところで、

>(Booth に少しお高い DRM なしバージョンがあります。Kobo の DRM があえて欲しい方向けに Kobo 版をご用意しました。)<

…と書いたことについても弁明をしておく。まず、DRM なしを評価する者にはそういうバージョンがあることを隠して、商品を売ることは商人道徳として誠実ではない。それがまず一点。

JRF2024/9/179806

そして、実際、DRMありを評価する者もいると思うのだ。現在はプラットフォーマーがあまりにもセコくて、死後相続を認めないからおかしくなっているが、死後相続まで考えると、DRM があるほうが本来有利なのだ。

DRM のない電子書籍は、Winny などのファイル共有時代を経た現代では、本当に所有権があるかどうかをファイルだけからは判定できない。しかし DRM があれば違う。

JRF2024/9/171034

そのまま相続させずに、相続に手数料を取るなり、優先価格で買えるようにするなり、いろいろ考えられるが、DRM を証拠としてそのようなサービスを展開することも本来は可能なはずである。

私は DRM なしを少し高くしているが、本来は、BOOTH のほうが還元率がよいので、安くしてもいいぐらいである。しかし、DRM を使うことをナッジし、そういう人々が、DRM を選んだことに誇りを持てるように、プタットフォーマーの努力を促すようにしたいのだ。

JRF2024/9/173932

私は微力すぎて、ぜんぜんその方向に行かないのが心苦しいが。

(関連かどうかはわからないが、[cocolog:93848979](2022年11月)ではプラットフォーマー批判として Amazon 批判があるので、そちらもご参照いただきたい。)

JRF2024/9/179352

……。

……。

追記。

まだこの「ひとこと」に書いていないが、楽天での出版をいったん諦めたあと、BOOK☆WALKER でも出版を試み、そちらではまず『道を語り解く』が出版できた。とはいえ、BOOK☆WALKER も(外部への)ハイパーリンクは禁止されているようで、しかし、URL ベタ書きなら OK とのこと。それなら対応できると EPUB ファイルを修正し、出版ができたのであった。

その後…、

JRF2024/9/251165

○ 2024-09-25T05:33:27Z

楽天Koboライティングライフでも、BOOK☆WALKER に提出したのと同じ EPUB で審査が通らないか試してみた。どうも、URL ベタ書きなら楽天も OK なこともあるようだが、今回は、死んでる URL があるかも…と書いたのが引っかかって reject された。

JRF2024/9/256905

具体的には、「※注意※ 本書に含まれる URL の中にはすでにリンク切れを起こし、当初のものとは違うところ(例えば危険なサイト)に接続するものもあるかもしれませんが、資料性を鑑みそのままにしております。」と書いていた。ただし、実は今度提出した分ではすべて URL (二つだけだし)が生きていることは確認できていた。

とはいえ、今後に出版計画中の別の本では、Internet Archive などで便利なように、古い URL をそのまま記載したいと思っており、古い URL が記載できないということであれば、楽天での出版は諦めたほうがよいと判断し、reject を受け容れた。

JRF2024/9/256743

懸念もある。仮に出版時に URL が生きていることを確認していたとしても、時間の推移で、URL が死んだとき出版停止にできるということであれば、出版停止を望む本がある場合、わざと URL を殺すすなわちインターネットを破壊するインセンティブを与えることにもなる。古い URL が記載できないのは問題あると思う。

JRF2024/9/253059

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